勝手に最遊記

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HAPPY BIRTHDAY!悟浄 2














「おー。久々の町ジャン~!」悟浄が嬉しそうな声を上げた。
「町?いや、村に毛が生えた程度じゃねーの?」辛辣な批評をする悟空に、
「うっせーんだよ、お子様!とにかく、酒場と賭場がありゃいーの!」ケラケラ笑いながら、お姉ちゃんもねvと付け足した。


この五日というもの・・・ろくな食事も寝床も、確保できなかった自分達である。
合間にやっと、農家へ一晩の泊まりを得られたものの、周囲は田んぼばかりで寂れた場所。
“女・酒・煙草・博打”―――――――これらが生きる糧と言っても過言ではない悟浄にとって、まさに日干し状態からの脱出。
村に毛が生えた程度であろうが無かろうが、そんな事はどうでも良かったりする。





「桃花ちゃ~んv悪ぃなぁ~今夜は帰らないゼ。枕を涙で濡らすなよ?」
「・・・八戒ちゃん。 コレ 、ジープから落としてイイ??」


どうぞv と。
八戒が笑顔で頷くよりも早く、悟浄の首が桃花によって絞められていた。(しかもジープの外へと押し出されている)
「わわわわあっ!止めっ、桃花っ!!」「逝けっ!逝ってしまえっ!!」


本気で焦る悟浄に、半分本気の桃花。悟空は腹を抱えて笑い、八戒は笑いを噛み殺し、そして三蔵はハリセンを握りしめていた。


そんな和気藹々(?)とした五人を乗せ、ジープは町へと乗り入れたのであった。















村に毛が生えた程度の町・・・・それでも往来の賑やかしさが、気温が上がったような錯覚を起こさせる。






「結構、賑やかですねぇ。」八戒が嬉しそうに目を細める。とにかく此処で買い出しを済まさなければ、行き倒れになってしまう。
「・・フン。煩わしい。」三蔵が素っ気なく答えるが、実の所、煙草も切れているのだ。内心ホッとしているのは同じである。






「なー三蔵!美味そうな屋台があるっ!屋台屋台屋台っ!!」屋台ごと食い倒しそうな勢いで、悟空が屋台に突進すれば、
「ひゃー。美人さんが多いねぇ~v悟浄、張り切っちゃう!」美人美人!!こちらも暴走しそうな勢いで辺りを見回す・・と。









「喧嘩だ喧嘩だっ!!」 アッと言う間に人波が一定方向へと流れ出した。
「女が男相手に喧嘩してるってよ!」「大立ち回りだぜっ!!」好奇に富んだ野次馬達の噂が飛び交う。




「女が大立ち回りぃ?ったく、桃花のヤツさっそくトラブッてんのかよ。」呆れたような口調で悟浄が呟いたが、
クイックイッと袖を引っ張る人物が――――――――「あのさぁ。ココに居るんですケド?」




「・・・びっ、美人さんなら助けねーとなっ!!」睨み付ける桃花の視線を避けるように、悟浄が野次馬に紛れ込んだ。















「スゲェぜ!あの女っ!」「カッコイイ~。お相手して欲しいぜ~!」「お前なんか相手になんねぇよ!」そんな笑い声が人垣から上がる。










「へぇ~?どれどれ・・・・」悟浄が背の高さを利用して、覗いた途端――――【バキィッ――――男が吹っ飛んできた。
慌てた野次馬共は泡を喰って散ったが、そこは慣れている悟浄である。


「わぁお。」肩を捻っただけで軽くかわしたが、「うっさいね!野次馬共っ!!喧嘩だったら幾らでも買ってやるわよ?!」
そう喚いた人物に驚いた。




「―――――――・・・・マジで?」  ポロッとハイライトが唇から離れる。




男相手に大立回りしていた女は















紅い    














紅い髪を靡(なび)かせて、






















悟浄と同じ、深紅の瞳を持っていた・・・・・













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