勝手に最遊記

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海賊気分でア○ア○サー!







―――――――――――ザザアァ・・ン・・・ザザアァン・・・・波の音が穏やかに響く。



今日のグランドラインは快晴。



夏島も近い所為か、澄み渡った青空と白い雲。 色々あった出来事もひとまず片づき、ゴーイングメリー号のクルー達は
久方ぶりの休日を満喫する・・・ハズ。だったのだが・・




「本当っ?!本当なのっ、ロビン!!?」
甲板に響き渡るナミの声。

「・・ええ。最近手に入れたこの書物によると、“・・・三百年に一度、未知の宝が現れるだろう・・・"」
「しかも、その場所がココから近いって言うのねっ?!」

興奮しきったナミの眼は、既に「¥」マークになっている。

「でも、まだ翻訳が全部済んでいないの・・・「行きますっ!行きますとも!!」握り拳を振りかざし、
「三百年に一度のお宝・・・コレを手に入れずにいられますかってのっ!」


―――――――――出航~!出航よ~!!

賑やかな航海士の大声が甲板を駆け巡る。すぐに、好奇心旺盛な船長が飛び出して来るだろう。
そして話を聞きつけた可愛い船医と長鼻の砲撃手が小躍りし、凄腕のコックさんも彼女の為ならばと気合いを入れるはず。
・・・まぁ、強面の剣士さんは騒ぎの最中でも昼寝続行だろうけど。



フッと軽い笑みを口に浮かべ、ニコ・ロビンは再び本に目を落とした。


















――――――――――「・・・っっの、バカッ・・・」 聞き取れたのは、それだけ。



投げ出された体は濁流に巻き込まれ、肺に空気を溜める暇もなく水中に沈められた。


目の前が暗くなる―――――必死に手足を動かそうとしても、水流が激しく自由にならない。
もの凄い勢いで下流に流されて行くのだけは判断できた。・・・滝が待ち受けているのだから。



「キューッ!!」


水中に白い物が飛び込んで来た。


『ジープ?!』袖の辺りを引っ張られる感覚。


『・・ダメっ!ジープまでっ・・・・』目も開けられない濁流の中で、桃花は必死に腕を振り払おうとしたが水圧で動かせない。


『・・・・・苦しっ・・・・・』



ゴオォゴオォ――――――――――激しい滝の音が近付いてくるのを・・・・意識の片隅で聞いていた。




























「さぁ~!ココねっ?このポイントで良いのよね?」ねっ?ロビン姉v
お宝は目の前だ――――――ナミの期待度は最高潮に達している。

「・・・そうね。場所はココでいいんだけど・・・」ロビンの表情が冴えない。
「・・未知の・・・“宝"・・?」翻訳が今ひとつ進まないのだ。

「宝じゃないのっ?!」ギッと眼の色が変わったナミに対し、
「おっもしれ~モンなら、なーんでもイイけどな~!!」脳天気なルフィがビヨヨヨォーンと船首から飛んで来た。

「冗談じゃないわよっ!お宝じゃなかったら意味無いのよっ!海王類みたいな化け物だったらどーすんのよっ!」
「喰えばいーじゃねぇーか。」
ナミに胸ぐらを掴まれ、ブンブン首を振り回されながら平然と答えるルフィ。

「しっかしなぁ。ロビンちゃんを疑うわけじゃねぇが、なーんにも無ぇ所だな・・。」

サンジが言うのも当然で。

ロビンが示した場所は、島も入り江も何もなく。普通の浅瀬と同じく、岩が転がっているだけで。後は蒼い海原が広がっているのだ。



「場所は・・・間違いないと・・?!【グラグラァ――――――突然、大きな波がぶつかってきたかのように、船が揺れた。

「なっ、なんだっ?!」チョッパーが叫んだ。

ブシュッブシュウゥ――――― 岩と岩の間から、波飛沫が飛んでいる。

しかも、波飛沫は太い水流に変化し、岩が根こそぎ引き抜かれるように飛びはじめた。



「―――――っ!危ないわっ!船を退避させてっ!!」

大砲のように岩石が飛んで来る。まともに喰らったら船に大穴があく。


ナミの指示でクルー達が甲板を駆ける。


「・・・なぁんだぁ?敵襲かぁ?」

駆け回るクルーに頭を蹴られ(主にルフィとウソップ)、ゾロがやっと目を覚ました――――「ああ?」











ゾロの目の前にあったのは―――――――海面から吹き出している海水・・・と。大きな光の柱であった。









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