勝手に最遊記

勝手に最遊記

Stay ―15―



「ん・・・?どぉしたの・・・・?」
顔中の落書きに気が付かず、目を開けた桃花の顔を見て、
悟空・悟浄は爆笑、三蔵と八戒は死にそうになるほど、笑いを堪えている。

「・・・?へへ・・。」まさか顔に落書きされているとは思わないのか
桃花はまた眠り込んでしまった。
その姿を見て、更に笑いを爆発させる悟空と悟浄。

三蔵と八戒は前方を見て、顔を見ないようにした。

「はっ八戒・・。」「な、なんです?」やっと笑いを抑えた三蔵が、

「難しい理屈はいらねーよ。・・・アイツ、面白い。」
「そうですね。」八戒がアクセルを踏む。

三蔵の心の中は不思議と苛立ちが消えていた。

“足手まとい”には違いない。       この先もそれは変わらない。

きっと、自分との衝突も絶えないだろう。


            『それでもいい』


そう、思えてきた。     

理由は簡単。       『面白いから』

だから
アイツが居たけりゃ    『此処にいればいい』


夜の闇が背中から追ってくる。


ジープが夕日を追いかけるように荒野を疾走する。



            ジープの中だけは

         真昼のように笑いが絶えなかった。








                  第二話   完

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: