勝手に最遊記

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Family ―2―



「悪性ウィルス」による「風邪」らしい。
ただ、
「過度の疲労」が「体の抵抗力」を弱らせた為という事。

その言葉が三蔵達に重くのしかかる。

ジープでの強行軍。

妖怪の襲撃。

晴掩の村での儀式。

度重なる野宿。

ただの人間の女が、自分達に同行して旅をするというのは・・・。

          無理かも知れない。

          そう思い始めていた。


沈黙を破って、
「俺、桃花に冷たいモン買ってこよう!」悟空が元気に言った。

「そうですね。桃花は注射が効いて眠ってますし・・。
僕はお医者さんの所に行って、薬をもらってきますから三蔵と悟空で
買い出しに行ってきて下さい。」

「面倒くせぇな・・。」

「悟空と悟浄のコンビじゃ、何買ってくるか分かりませんしね。
悟浄は桃花を看ていて下さい。・・煙草はダメですよ?」

「んな事、分かってるって!ま、安心して行って来いよ。」

「俺、安心出来ないんだけど・・?」悟空が疑りの目で悟浄を見る。

「大丈夫ですよ。いくら悟浄でも、病人相手に手を出したりしませんよ。
そうですよねぇ、悟浄?」凄味のある八戒の笑顔に


「あた・・当たり前だろ!?」思わず上擦った声を出す悟浄であった・・。


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