勝手に最遊記Ⅱ

勝手に最遊記Ⅱ

Decision―12



荘厳な空気を感じる程の、美しい朝焼け――――――――――・・・「・・・よしっ・・。」


町外れの丘まで、悟空が歩いて来た。


ココから歩き通せば、2・3日であの村まで辿り着くだろう。地図なんか必要ない。東の空の太陽を、逃がさなければ良いだけだ。

「絶対・・・連れ戻す。」固く結んだ唇から、誰に言うでも無く呟いた言葉。


手放さない


手放して、たまるか。



三蔵に逆らったのも、八戒や悟浄と離れたのも・・・初めてだけど。ちっとも心細い気がしない。
「守らなきゃならないんだ・・・俺が。」この、俺が。



ゆっくりと大地を踏み締める、悟空の足取りは力強く迷いは無い。
「生きてろ・・・桃花。絶対に、助けるから。」





眩しい朝日に、思わず手を翳した。

「・・・・・・ぇ。」――――――――影? 片目を細めたまま、丘の上の黒い影を凝視した。

「おっせーんだよ、サル。」笑いながら、煙草を銜えている悟浄。
「お早うございます。悟空。」微笑みを浮かべ、ジープを肩に留まらせている八戒。

予期していなかった、いつも通りの二人の姿に――――――「・・・え。ええっ?なんで?八戒?悟浄っ!?」口をパクパクさせる悟空。

「ナニ、アホ面下げてんだヨ。さっさと行こうぜー。」
「ジープ。悪いんですが、今日は死に物狂いで頑張って下さいね。」
驚く悟空に構う事もなく、丘を降り始める悟浄と八戒。

「ぁ・・なっ・・待てよっ!なんで二人ともっ・・・」慌てて追い掛けた悟空の前に、


「・・・・・待たせてんじゃねぇよ。バカ共が。」―――――聞き慣れた、重低音。




「・・・・さっ・・・・」思わず、指さした。


朝日を反射させる様な、神々しい金糸の髪を煌めかせて・・・・・物騒に睨み付ける、三蔵の姿が在った。

「ヒトを指さしてんじゃねーよっ!!」【スッパアアンッ】喰らわされたハリセン。頭を押さえ、蹲る悟空。「いっってえぇえ!!」
その横を、「あー眠ぃ~。」「僕もですよ。さ、ジープ・・」さっさと歩いて行く二人。

「・・なんだってんだよっ・・・。」今ひとつ理解出来ない悟空が、頭を抱えたまま呻いた。



――――――――「いつまでも寝転がってんじゃねぇ。」悟空が、顔を上げれば。




ジープに乗っている、三人の姿。

いつものように、八戒がハンドルを握り、悟浄は煙草をふかし、三蔵は目を閉じている。
いつもと違うのは――――――――・・・・・進路が、朝日に向かっていると言う事。


「行きますよ?悟空。」


「・・・・・・おうっ。」




満開の向日葵のような笑顔で―――――――――――・・・・・・悟空が、ジープに飛び乗った。








to be continude・・・・・














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