全5件 (5件中 1-5件目)
1
栃木県の小山市立博物館の企画展、江戸時代の本と読書を観て来ました。小山市立博物館のホームページはこちら。天下泰平の江戸時代。出版文化が発展し、多くの人が本を読むようになりました。本展は本と読書について歴史が学べる企画展です。【製法について】本展ではまず、本の製法について展示されていました。初期の本は本を手書きで写す写本が主流でした。やがて版木を使って本を刷る出版がメインになって来ました。版木を作ったり紙に印刷する技術のは高等技術であり、それにかかわる職人は各出版社に所属したり独立して仕事を請け負ったりしていたようです。一方で写本は仏教における修行や布教のための写経として残っていきました。また、幕府から禁止されている内容については写本でこっそり出回っていたそうです。聖と俗が入り混じっている感じが面白いですね。他にも本の綴じ方についても紹介されていました。よく時代劇とかに出てくる本ってあんな感じで製本してるんだなあと面白かったです。袋とじという言葉はこの時からあったのですね。【話題作も目白押し】本展では話題の作品も多く展示されていました。源氏物語や太平記、里見八犬伝など、今でも有名な作品が展示されていました。挿絵も多くあって、ライトノベルを楽しむような感じだったのかなあと思いました。【小山の本と歴史】小山市立博物館は会館以来郷土の歴史を調べて来ました。その過程で膨大な資料を収集しており、今回の企画展では小山における本の歴史も紹介されていました。小山市には長らく書店が無く、人々は貸本で読書をしたり、栃木市で本を買っていたようです。本展では小山の蔵書家が持っていた本の内訳が展示されていました。医者、商人、役人など、職業によって所蔵している本のジャンルが偏っていて、その人の生活が透けて見えて面白いですね。【面白い企画】博物館に入るとすぐに、市立図書館から借りて来た古典作品などが並んでいてムードが出ていました。また、古文書解読アプリを使って古文書を読むコーナーもあります。こうした展示の工夫が良いですね。江戸時代以前は本と呼べるものはほとんどなく、学者や僧侶が持っていたり、大名の道楽でした。それが天下泰平となり、一般の人々も娯楽や勉強のために本が読めるようになってきました。また寺子屋が増えることで識字率が上がって来たこともあるようです。こうして我々が読書を楽しめるのも、平和で教育制度が安定しているからなのかもしれません。本好きの方はぜひ足を運んでみてください。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024.09.29
コメント(0)
映画スラムドッグスのご紹介です。スラムドッグス ブルーレイ+DVD/ウィル・フォーテ[Blu-ray]【返品種別A】【あらすじ】クズ飼い主ダグに飼われている犬のレジー。ある日レジーは遠い場所に捨てられてしまいます。レジーはそれを遊びだと信じていたのですが、野良犬のバグと出会い自分が捨てられたことに気づきます。レジーは復讐を誓い、バグやその仲間たちとともに珍道中を繰り広げるのでした。予告映像です。さっそく(ピー)入ってます。【年齢制限あるよ】本作はかわいいワンコのコメディかと思っていたのですが、年齢制限ありです。え、そんな過激なのかと思っていたら、下ネタだらけでした。下ネタと下ネタの間にいい話が挟まっている感じです。これ、銀魂? と思いながら観ていました。【メイキングも見ごたえのある作品】とりあえず下ネタコメディかと思ったのですが、メイキングが面白かったです。カメラワークや視覚効果にはかなりこだわっているようでした。また、犬たちに演技をしてもらうための工夫なども載っていました。映画製作に詳しくないとこうしたところは気が付かないことが多いと思います。そう言われてみると、カメラアングルなどの見せ方や表現が工夫していると思いました。基本的には下ネタ満載なので、子どもは見ない方がいいかも。うっかりカップルで観ると気まずい感じになるかもしれません。とはいえ下ネタが大丈夫ならば、肩ひじ張らずに笑って楽しめる作品であると思います。「ペット、闇落ち」というキャッチフレーズがインパクトありますが、そこまで深刻なお話ではないので安心です。なんだかんだでいい話に落ち着いてるし(笑)。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024.09.22
コメント(0)
栃木県佐野市東石美術館の企画展、秋の夕暮れを観て来ました。前回の風薫るに続くオープン記念展です。風薫るの記事はこちら。【秋の幅広さを感じさせる企画展】今回のテーマは秋なのですが、様々な作品が展示されていました。秋の風景を描いた絵はもちろんのこと、赤とんぼや栗の彫刻などがありました。風景画にしても紅葉が美しいものもあれば、稲の収穫に忙しい農村の様子を描いたものもありました。一言に秋と言っても、色々なとらえ方があるなと感じた企画展でした。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024.09.15
コメント(0)
明智恭介の奔走のご紹介です。屍人荘の殺人において強烈な存在感を見せつけた青年明智恭介。本作は彼を主人公にしたスピンオフ作品です。神紅のホームズと呼ばれた明智恭介と、その助手(半ば強制)葉村譲。彼らの活躍(?)を描いた短編集です。明智恭介の奔走【電子書籍】[ 今村昌弘 ]※本記事はネタバレを含みます。【収録エピソード】最初でも最後でもない事件明智とその後輩葉村が関わった、文字通り最初でも最後でもない事件です。彼らの通う神紅大学のコスプレ研究部において窃盗事件が発生しました。窃盗犯は外部の人間で、窃盗の常習者でした。犯人はすぐに逮捕されたのですが、発見時意識を失っていました。部室の2階で盗みをはたらいて降りて来た時、何者かに遭遇し投げ飛ばされて気を失ったとのこと。奇妙なことに手袋と革ジャンを持ち去られていました。警察が調査したところ、2階の指紋が拭き取られていました。手袋をしていたなら指紋を拭く必要はないので、警察は犯人の供述自体が嘘だと考えていました。しかし明智は、泥棒は窃盗を否定せず具体的な行動まで白状しているのに、そこで嘘をついてもメリットが無いと考えました。はたしてもう一人の侵入者は存在したのか?居たとしたらその目的は何なのか?泥棒や侵入者など、各人物の立場に立った明智の推理が面白い話でした。とある日常の謎についてさびれた商店街で喫茶店を経営している加藤久夫は、行きつけの立ち飲み屋で奇妙な話を耳にします。商店街にあるビルが売れて、オーナーが老人ホームに入ることになったそうです。そのビルはだいぶ古くなっており、そんな高値で売れるようには思えません。はたして何か裏があるのでしょうか?シャーロックホームズの赤毛連盟を髣髴とさせるお話ですが、最後はハートウォーミングな感じに終わって良かったです。泥酔肌着引き裂き事件とある休日、葉村は明智の電話で目を覚まし憂鬱な気分になりました。というのも、昨晩クラスメートとの飲み会で泥酔した明智を介抱してアパートに送り届けたからです。「すぐに来てくれ」というので行ってみると、神妙な顔つきをした明智が待っていました。奇妙なことに昨日穿いていたパンツが引き裂かれ、部屋に落ちていたそうです。部屋は施錠されているうえにドアガードまでかかっていて、密室です。しかも、明智は目が覚めた時ズボンはしっかり穿いていて、布団をかけて寝ていたそうです。つまり侵入者がいたとすると、明智のパンツをはぎ取った後、わざわざズボンを穿かせてベッドに寝かせ布団までかけていることになります。しかも密室まで作って。肝心の明智も泥酔していて何も覚えていない状態です。はたしてこの密室の真相はいかに?とてもしょーもない内容なのですが、しっかりミステリーをしているのが面白いですね。宗教学試験問題漏洩事件名探偵は一日にして成らず。信頼と実績を積むため、明智、葉村コンビは今日も今日とて迷いネコの捜索をしていました。そんな時、宗教学の試験問題が盗まれるという事件が発生します。事件発生時、教授の部屋では講義で代返をしていた生徒が反省文を書いていました。しかも生徒がトイレに立った数分の間に事件は起こりました。人が居る時に盗みに入るのは不自然です。部屋はめちゃめちゃに荒らされていることから犯人は試験問題のしまってある場所を知らない様子でしたが、数分で部屋を荒らすのも難しいでしょう。さらに置きっぱなしになっていた生徒の携帯も盗まれていました。不可解なことが多い盗難事件の真相やいかに?犯人も予想しない事が起こったために不自然な状況ができてしまっているという手法が面白いお話でした。手紙ばら撒きハイツ事件明智が葉村と出会う前の事件です。明智がバイトしている田沼探偵事務所に調査依頼がありました。ストーカーめいた手紙が、同じハイツの複数の住人に投函されたのだそうです。ただのいたずらなのか、ストーキング対象の部屋が分からないので手紙をばら撒いているのか?映像や音声の無い小説ならではのミスリードが面白いお話でした。また、この探偵社の面々も味わい深いです。このメンバーでスピンオフのスピンオフができるんじゃないかという程に魅力的なエピソードでした。【美麗な扉絵も見どころ】本作は各エピソードの扉ページにイラストが載っています。これまでの作品では表紙だけだったので、より多くのイラストが楽しめます。明智と葉村のツーショットが良いですね。【在りし日の思い出】シリーズ第1作目屍人荘の殺人でインパクトのあるキャラクターを見せた明智恭介。それがあんなことになってしまい降板となってしまいました。残念に思っていたのですが、彼の在りし日の活躍が見られたのは良かったです。屍人荘の殺人内で語られていた宗教学試験問題漏洩事件がちゃんとエピソード化されているのが心憎いですね。こうした作中で別の気になる事件名が語られるのは、シャーロックホームズでもありましたね。これはこれでシリーズ化されてくれたら嬉しいなと思った作品でした。【中古】屍人荘の殺人 /東京創元社/今村昌弘(文庫)屍人荘の殺人です。紹介記事はこちら。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024.09.08
コメント(0)
映画サユリを観て来ました。【あらすじ】あこがれの一軒家を買った神木家。しかしその家には少女の怨霊が棲み着いており、一人、また一人と死んでいく家族。生き残ったのは中学3年生の少年則雄と、認知症の進んだお婆ちゃん。もはやこれまでと思ったその時、怒りが頂点に達したばあちゃんが覚醒します。「祓って済ます気はねぇ!」「ワシら二人でさっきのアレを、地獄送りにしてやるんじゃ!」。怨霊に家族を殺された少年とお婆ちゃんの逆襲が始まる!※本記事はネタバレを含みます。【ジャパンホラーの定番を壊す一作】前半は定番どおり、怨霊によって家族が殺されていく恐怖が描かれています。後半は一転、ばあちゃんと則雄の反撃が始まります。多くのジャパンホラーだと人間サイドはなすすべがなく、おっかなびっくり対応するのが精いっぱいだと思います。本作では霊に対して積極的に挑んでいるどころか、なんか勝てそうな気すらしてくるのがすごい。【裏方の仕事も見逃せない】本作は俳優さんの演技だけでなく、裏方の仕事も見過ごせないように思います。物語の構成が良くて見やすかったです。最初の犠牲者であるお父さんが亡くなった時はお葬式のシーンがありましたが、2人目のおじいちゃんの時は遺影を飾るシーンまでショートカットしていました。いちいちお葬式シーンを流してると冗長になるし視聴者にはもう伝わっているので、どこの場面をワープさせるかは構成の腕の見せ所だと思います。また、音楽のセンスが良かったです。吾輩音楽は詳しくないのですが、おばあちゃんがガンガン聴いてる曲はたぶん有名な曲なのでしょう。アゲアゲの音楽が入ることで、暗くなりがちな作品にメリハリを与えていると思います。エンディングテーマがピアノ曲なのも印象に残りました。【スタイリッシュバイオレンスアクション】やはり俳優さんってすごいんだなあと思いました。お姉ちゃんの死にっぷりが壮絶でした。カメラアングルもあるのでしょうけど、崩れ落ちた後の首の曲がりっぷりが……あの姿勢で目を開きっぱなしはキツイよね。主人公則雄がだんだん立派になっていく演技が良かったです。太極拳や走り込みが全然できていなかったのが、少しずつできるようになっていく表現が上手かったですね。そして、何といってもインパクト抜群なのはばあちゃんですね。認知症の感じとかシャッキリしてる時の動きのキレとか、俳優さんってすごいんだなあと見せつけられました。【人生を生き抜く強さを教えられる一作】本作は怖い話だけでなく、人生のプラスになる話がありました。家をきれいに保つことでマイナスの気を追い出すのは分かりやすいです。風水でも、方角うんぬんの前にきれいに片付けるのが大事だと言っています。たくさん食べてたくさん寝て、命を濃くするというのは至言だと思います。怪談を聴いていると時々耳にするのですが、この世は生きている者の世界なのだそうです。そのため、気持ちで負けなければ生きて肉体を持っている我々の方が幽霊よりも有利なのだとか。苦難に立ち向かうには命を濃くするのが必要なのでしょうね。最初はホラーの定番を外したインパクト重視な作品なのかと思っていました。ですがホラーあり、笑えるシーンあり、アクションあり、総合的に楽しめる作品でした。ばあちゃんの言葉に人生を生き抜く強さを感じられて含蓄がありました。特に最後のセリフが最高にイカすので、ぜひ映画館で観てみてください。ただしバイオレンスなシーンが多いので、そういうのが苦手な方は注意してください。こんなにバールで人を殴る映画は初めて見ました(笑)。サユリ 完全版 (バーズコミックス スペシャル) [ 押切蓮介 ]原作のマンガです。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024.09.01
コメント(0)
全5件 (5件中 1-5件目)
1