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天気に振り回される日々は、朝起きた時の判断力との戦いでもある。
前日に浜歩きをしたばかりだったがこの日はまあまあなお天気。というか、天気よりも風がかなり穏やかだったので即判断、即行動。
午後から曇っていき夜には雨予報だったが午前中はまだなんとかなりそうだ。
先月も行ったアマモ場、前回は壊滅状態でアマモは 1 本も見つけられず (3/16 の日記参照 ) 心が折れかかっていたところだった。ちょうどいい機会だ、諦めずに少し足掻いてみるか。
というわけでやってきた。実は前回見つけられなかった原因がいくつか思い当たる節がある。タイミング悪く潮位が高かったこと、午後からの南風で多少ザバついてたこと、水温がまだ低かったこと (15 ℃台 ) 、そして何より春濁りがだいぶひどかったこと。
うんまあ。これじゃ探索もままならないわけだ。
今回はこれらの問題をクリアできそうなコンディションであった。そりゃあもう行くしかないでしょう。
探索時間をそこそこ取れそうだったので、まずは沖側…へ行く前にコアマモのあった場所を探してみる。
濁りはあるが潮がかなり引いているお陰でそのへんはカバーできそう。
しかしコアマモは見つけられなかった。
ここの環境自体はアマモが生えていた場所に比べてそこまで大きな変化はないように見える。なぜなくなってしまったんだろう?
仕方ない…アマモがあったときはコアマモの周辺にもたくさん生き物がいたんだけど。今回の探索でコアマモは完全になくなったと判断することにした。
で、沖側に出てきた。相変わらず遠浅のゴロタで歩きづらい。
こちらも濁ってはいるが、めちゃくちゃひどいかと言われればそうでもない。たぶん、普通の人から見たらなんじゃこりゃってなるんだろうけど。
イワヅタの仲間かと思ったらなんか違っていそうだった。そういえばどこぞのヘライワヅタ、フサイワヅタに関してはあの後全く気にしていなかったので今度また探しに行こうかな。
カジメなんかの褐藻類は少しづつ枯れて?きているようだった。
ベラたちの群れがところどころ見られる。
キヌバリのサイズは上がってきたものの、やはり数は少ない。下手したらベラの方が多いくらいだ。
久しぶりにアオウミウシ。比較的大きめな個体だ。
ちょっと模様が細かくて、黒ブチがある。この辺は個体差なのかな。
探してないけどふっと横を見るとそこにいるキタマクラ。
色自体は目立たないのにグリーンの瞳がやたら綺麗でつい眺めてしまう。
ムツも順調に成長している模様。
背中の白斑も目立たなくなってきた。
ひとまず沖側はこんなものかーとなったので戻ろうかと思ったが。
せっかく潮引いてるんなら、タイドプールも見ていくか。
ここら一帯では一番大きなタイドプールができる場所がある。こちらに直接降りる階段?が封鎖されてしまったためここ何年か見ていなかった。今日改めて見てみたら別の場所から降りられたんだけどね。
大学時代に後輩がらみでちょっとした面白いことがあったので A 木プールとか名前をつけたのが懐かしい。タイドプールに名前つけたのなんかここくらい ( 笑 )
ハクが群れている…と、よく見たらおやおや!アユがいる! 前回のドブ川で写真を撮れなかったのでこれはラッキー。タイドプールとしてはやや広いので、浅いけど這いつくばってカメラを構える。
撮れた~ちょっとピンボケしてるけど許容範囲。
雨の影響なのか、陸水の影響なのか、水中には塩分躍層のゆらぎができていて意外と撮影にてこずった。
ついでにその他のプールメイトたち。
ナベカ。水中で見て初めて気付いたがめっちゃたくさんいた。 2 匹で近くにいたりもしたのでそろそろ産卵期の準備に入っているのかもしれない。
イソギンポ。最近日記に取り上げていなかったので…。
そういえばホシギンポの方はここのところ見ないなあ。
なんかタイドプールにもムツがいた…ので観察用に採集した。
ハクを追いかけて迷い込んだのか、アホの子属性がおありのようで。
ここに来るまでにハクがところどころボイルしていたのはこいつらが追いかけてたからなのかも。
とかなんとか遊んでいたら結構時間が経ってしまった。そろそろ戻らなきゃ…
陸から戻った方が早いので一旦道路に上がると、大工さんっぽい二人組に「何が採れるんですか?」と声をかけられたのでムツを見せてあげた。リアクション薄かった ( 笑 )
TG-6 をしばらく海水に浸けっぱなしだったのでひとまず塩抜きで休ませて、 15 分ほど休憩。
気を取り直していよいよアマモ探索へ。ちょうど潮が一番引くタイミングで始められる。
と、現場についてほんの 1 分ほど。
あ!!!!!
あるじゃん…あったじゃん…。
前回やっぱりちゃんと探せてなかっただけだったんだ。まあこれでも数年前の森みたいなアマモ場の面影はさっぱりだけど。それでも嬉しい。完全になくなってしまったと思い込んでいた。 3 株か、高さは 30 ㎝くらい。
と思わず興奮して、油断していたら左足で思いっきりぶっすりムラサキウニを踏んづけてしまった…。棘はきれいに抜けたが 2 、 3 ㎜は刺さったのか血が出ている。岸に戻って ( これがまた長くて面倒くさい ) 応急処置。真水で洗って少し血を絞って、キズパワーパッド貼ったからこれ以上のばい菌は入らないと思うけど。よっぽどひどく痛まなければ大丈夫だろうけど、嬉しくてはしゃぎすぎたな、とほほ…。
はい。冷静になったところで再開。
相当浅くなっていたので、視界は悪くともそれほど気にならなかった。あと水温が 16 ℃台 ( 高いところだと 17 ℃台 ) まで上がってくれたのでいくらか探索が楽になった。 1 ℃の差がここまでとは。
相変わらず砂漠のような海底だが、去年見かけた苔のようなものが覆っている箇所がなくなった。一応綺麗になっているということでよいのかな?
魚も少し増えていて、クサフグ続投に加え浅瀬にヒメハゼやスジハゼ、アカオビシマハゼなんかが出てきた。
ハナギンチャク。これは毎回見るからちゃんと生き残ってるんだな。棲管にくっついている黒いホウキムシも健在。
突然砂に大きなヒトデの形。アカヒトデやアオヒトデじゃないだろうしなんだろうと、砂を払ってみるとなんとスナヒトデだった。
でっか…フィールドでは初めて見た。ある程度深いところのヒトデだと思ってたんだけど、案外こんな浅いところにもいるんだな。砂に潜る系のヒトデは管足が吸盤状ではないことが特徴。
アマモは最初に見つけたものの他に 2
箇所発見した。どうやら最初に見つけたものが一番大きかったらしい。 2
箇所目は高さ 15
㎝くらい、 3
箇所目は生えはじめなのか 5
㎝前後。新たに伸び始めているということは、これから増える可能性がある…のか?少なくともしっかり根張ってたから地下茎はあるだろうし。
海底は綺麗になってたし、これから復活してくれればいいけどね…。前みたいまでならなくてもいいから、少しずつ回復してほしいな。
気付いたらだんだんと曇り空に。
最後の最後で去年も見たニシキハゼが出現。せっかくなのでゲット。持って帰りたいのは山々なんだけどうちの現状では無理だな。
といったところで終了。
前回のショックから少し調べたが、実はこの場所あれだけアマモがあったにも関わらず研究や調査がほとんどないらしいということが分かった。また、個人のブログではあるが利用者の増加で生き物が減ったという話もあった ( 採りすぎとかではなく人が立ち入りすぎたからだと思うけど ) 。
貧相な感じは否めないが、復活の兆しが見えたのは大きい。
海底の環境も去年よりかはましになっているはずだし、今後も観察しつつ個別に記録でもつけておこうかな。
【採集】
ムツ、ニシキハゼ
【持ち帰り】
なし
【見たもの・気になったもの】
キュウセン、ホシササノハベラ、アカササノハベラ、カミナリベラ、ホンベラ、カサゴ、トウゴロウイワシ sp. 、稚アユ、アゴハゼ、ウキゴリ属 sp. 、ナベカ、イソギンポ、ヒメハゼ、アカオビシマハゼ、スジハゼ、キタマクラ、クサフグ、クロダイ、アオウミウシ、イトマキヒトデ、ヤツデヒトデ、モミジガイ、トゲモミジガイ、スナヒトデ、マナマコ、カゴカキダイ、コケギンポなど
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