去年暮れに発表された与党の税制改正大綱でも電子申告の控除が記載されるなど電子申告の普及に向けた政府の取り組みがかなり本気モードに入ってきています。私も電子申告導入当初からのユーザーであり推進派なのですが、電子申告が何故こうまでしないと普及しないのか、普及させるための課題は何なのかを私なりに述べていきたいと思います。
1.電子申告システム構築の背景
そもそも、このシステムの構築に当たっての基本的なコンセプトが失敗のもとだったことは間違いないでしょう。何かといいますと、「紙の従来の申告と電子による申告の取り扱いに差を設けることは適切でなく、税法の改正は全く行わずに電子申告を導入する」ということです。この一大テーゼのために電子申告のインセンティブが見送られ、ひいては税理士の尻を無償独占というアメとともにひっぱたくことに力を入れてきた訳です。つまりは、「電子申告でも紙でも同じように取り扱うことにするからインターネットによる申告でもいいよ」「電子のシステムを作ったから使いたい人は使いな」というところからスタートしたのです。ところが、このシステムの構築に使った予算がン百億円とかン千億円とかに上ったため「これはまずい」ということになりこの一大テーゼを見直し所得税の税額控除(せこい)を導入することになったと思われます。当初、普及させようとしなかったという訳ではないと思いますが、普及見通しがかなり甘かったというところからスタートしているので普及に難儀している現状がある訳です。
私も電子申告が始まる当初、北陸税理士会の情報システム委員をやっておりましてそこから得た情報をまとめ何日かに分けてここに書いていきたいと思います。
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