つくづく、消費税の怖さを実感させられます。
消費税は流通の川上から川下にかけてその付加価値部分の5%をそれぞれの段階で課税・転嫁していき、最終的にエンドユーザーが末端価格の5%を負担する仕組みになっています。これはこれで理にかなった課税だと思いますが、怖いと思うのはその各流通段階での仕入税額控除の要件です。
世界で一番厳しいと言われるこの控除要件を厳格に守っている事業者がどの程度いらっしゃるかは分かりませんが、これを厳密に適用するなら帳簿をきっちりとつけておかなければならないということを知っている事業者の方はどの程度いらっしゃるでしょうか。
消費税が導入されてあと数年で20年になろうとしていますが、今なお消費税課税のこのところの怖さというのは知れ渡っていないようです。今までの所得税や法人税と同様と考える節があり、「領収書さえあれば大丈夫なんでしょ?」というのがあるように思います。
しかし、消費税は実態課税プラス形式要件課税です。その取引があったことを証明できる書類があってもその内容を記した帳簿をつけておかないと課税側は否認する権限を持っていますから、出るところに出ても納税者側が負ける公算が大きくなるように立法されています。
それも普通の事業者ならあまり細かいことも言わないかもしれませんが、定常的に還付となる例えば輸出免税の事業者などはこの辺をきっちりしておかないと3年分の還付消費税を返せと言われたとき、大変な資金負担になります。
消費税は事業者に過酷な帳簿記載要件を課しています。それを重々承知で付き合っていかないといけない税金なのです。
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