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微笑み

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「竜胆!そこは・・・!!」
「うわぁぁぁぁ!!」

ずってーん。

「だから言ったのに・・・」
 葵が警告したにも関わらず、竜胆は転んでしまったらしい。
「な、なんだよ この床のぬめぬめはっ!!」
「さっき、菫様が水をこぼしてしまったのです。慌てて走るとすべるから
 注意したんですが」
 すまして答える葵に、竜胆は機嫌を悪くして立ち上がった。
「お待ちなさい、竜胆。菫様は今、また水をくみにいっているのですから、
 私達で掃除しないといけないでしょう?」
「はあ!?なんで俺がー!?」
 雑巾を竜胆に手渡した葵は、自分も雑巾を手にして床をふく。
「こら竜胆。菫様はまたここを通るのだからそういう意味でも綺麗にしとか
 なきゃいけないんです!突っ立ってないで、掃除してください」
「へいへい」
 くすくす、と笑い声が聞こえる。
「竜胆、葵さん。菫ちゃんが迷惑かけてるようですね」
「いえ、とんでもない」
「めっちゃかけてる!」
 城の姫――水仙が語りかけた言葉に、二人はそれぞれ返事を返した。竜胆の
態度を見、葵はぼかっと竜胆の頭を殴る。
「ぃたっ」
 すると向こうから、菫がやってきた。
「あ、お兄ちゃんたち・・・ごめんね、やらせちゃって」
 竜胆が何か言おうとしていたので、葵はそれを押さえ込んだ。
「いいえ。あ、私がお持ちします」
 菫が持っていた器を葵が持ち直す。
「あ、有り難う。じゃ、竜胆ごめんね」
 葵と菫は、二人を残して去っていった。

「――まったく。おい、お前も手伝えよ」
「はい。そのつもりです」
 水仙はすっとその場に座った。
「え、いや、冗談だよっ。それより、こんな所にいていいのか?水仙」
 慌てて言った竜胆に、水仙は小首を傾げた。
「・・・どうして、ですか?」
「だって、お前仮にもここの姫なんだろ?仕事とかないのか?」
「とくには御座いません。竜胆は優しいですね」
 また、水仙が微笑む。
「え?俺が?」
「はい。人のことを気にしてくださる、いい方です」
 少しすると、ドタドタと走ってくる音が聞こえた。
「おい、お前・・・ここは・・・!」
「はえ?」

ずってーん。

「お前も餌食に・・・」
 またもや一人、水ですべってしまったようだった。
「大丈夫か?山茶花」
「おっわー☆びっくりーっ」
 ひっくり返ったまま、山茶花はパチパチと目を瞬いた。
「やっぱ、早く片付けといた方がいいな」

 結局水仙も手伝って、もとの床に戻ったのであった。

おしまい


えっと、NO.17「微笑み」です。
まだお城にいたときの光景ですね。菫が登場しているということは
ごく最近なんでしょうが(笑)。
というか、書いてて・・・
「山茶花って誰?」と思いました。はい、ここで登場しました。
新キャラ扱いです。これから、活躍させようと思っています。
お話の内容としては、菫ちゃんのおドジから始まった竜胆の災難って
とこでしょうか。何故か最近菫ちゃん重視(ぇ)。
葵は途中で逃げました。あれは逃げてるんです・・・。
それでは、次回も早々と書きたいと思います。


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