桜工房(だったところ)

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#10


#10 Gクラス特別コーチ


 聖エルダー学園中等部の運動場に、ダイスとオペルが待つこと数分――。

 校舎の方からやって来たのは、2-Gクラスが誇る身体能力が特に高いとされる四人。
 その顔ぶれは、ミオ、マヒロ、ディルス、そしてモエである。

「よく来てくれたねぇ。特に女性陣が三人も」と満面の笑みを湛えるオペル。
「オペル君、怪しいよ・・・」ミオは苦笑する。
「同感。なんかすごーく、いやな予感がするんだけど・・・」マヒロは乗り気じゃない口調で言った。
「オレに何か用か?」ディルスは愛用の得物を振り回しながら言った。
「その前に眠らせて~。うちフラフラや~」モエは眠たそうに目をこすった。

 パンパン!

 オペルは手を叩きながら言った。
「はいはい、お集まりいただき、どーもどーも! みんなに集まってもらったのは他でもない。ここにいる面々は、どれも運動が得意な連中ばかりだ。今日の集まりは来たるスポーツ祭典に向けてみんなでGクラスの底を上げを図ろうというものだ」
「底上げ?」ミオは首をひねる。「つまりみんなで数段階ランクアップしようということ?」

 スパーン!

「当たり前だろ!」ディルスはミオの頭をハリセンで叩いた。
「痛ー! もう、ディルス君! 何すんの!」ミオは眉をひそめる。
「ツッコめるチャンスがあれば、相手がミオとは言えどもバシバシ叩くからそのつもりで!」
「んじゃ、ボクは君が変なこと言ったら、デコピンすることにしよう・・・」
 ミオはそういって手の指の骨を鳴らした。
「う・・・! それは勘弁して下さい。軽く板を真っ二つにするようなデコピン額に食らったら・・・」ディルスは身震いした。

(やれやれ・・・、まったく何をやっているのかディルスの奴は・・・)
 ミオとディルスのやり取りを見ながらマヒロは内心呆れた顔をする。
(しかし、まぁ、私を運動が得意というこの面々に加えてくれたオペルの目は、なかなかのものね・・・。ここでクラスのみんなの好感度をアップすることが出来れば。フフッ・・・)
 演劇をするに当たって体力づくりをしなければいけないマヒロは、実は運動が得意であり。ミオやシオンにはさすがに劣るものの、普通の生徒に比べて身体能力の高さには自信があった。

「ふあぁ~。眠いわ・・・」モエは相変わらずあくびをしている。

「これってシオンや、ケイ先生の許可取ったの?」とミオ。
「ケイ先生からは許可貰ったよ」とオペル。「クラスリーダーのシオンちゃんには、コーチの方で参加してもらいたかったんだけど。何だか部活の方で忙しそうでね。ま、非常勤コーチということで参加してもらうこともあるかもね」
「ふぅん・・・。って、コーチ?」ディルスは首をかしげる。
「そう、コーチ。みんなのことは今回のプロジェクト中はそう呼ばせてもらうことにするから。そのつもりで!」
「へぇ、なんだか本格的ですねぇ」マヒロは多少はしゃいだ口調でそういった。
「うん。本格的なんだ。ちなみに各自、大まかな分担を決めようかと思う。ミオちゃんは筋力アップを、マヒロちゃんには基礎身体能力アップを、ディルスは瞬発力、モエちゃんには持久力アップなどをつけるトレーニング方法を考えて欲しい」
「持久力~? それって何すえばええのかなぁ?」
「モエちゃんは、水泳部のエースじゃない。泳ぎ続けるのには体力がいるじゃない? 体力をつけるためにモエちゃんがやっていること何かをみんなに教えてくれれば良いよ」
「ほほ~。そんなことでええんかぁ」

「マヒロちゃんも、演劇をするに当たって体を柔らかくしたりとか。そんな努力をしていると思うので、その辺のことをクラスのみんなに教えてやって?」
「はーい! 私、がんばりますよー!」

「ミオちゃんとディルスは、説明するまでもないね。基本的にみんなで出来る範囲の特訓方法をみんなにレクチャーしてやると、そんな感じでお願いするよ!」

『OK』ミオとディルスは大きく頷いた。

 四人がいなくなった後、ダイスは感心したようにオペルに言った。
「オペル、お前って人を扱い方が上手いのな・・・」
「へへ、感心したか?」
「感心した。お陰で他のみんなに気兼ねなく、四人に練習に付き合ってもらえそうだよ」
「おぅ! しっかり頑張れよ!」

 ガシッ!

 そういって二人は固い握手を交わすのだった・・・。



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