自分の流れ

「自分の流れ」

 気丈な母は頑張れといい、無関心を装う父は無理するなと言った。やがて親となり、今度は自らその息子に志望校を下げよと申し渡した。もう一度、T大学を目指すと聞かなかった息子もいつか付属の水に慣れた。

 T大にもA大にも一番はいる。一番はどこであろうと一番なのだ。つらいのは追えど叩けどついていけない現状。人間形成および精神衛生上、きわめてよくない。無理せず自分の流れで走る。それが一番。

 競走馬はその怖さを本能で知っている。落ちこぼれれば肉、だから捨てられまいと懸命に走る。といって、限界はある。だから、限界を知っている調教師こそ、競走馬にとって最良なのだ。馬がヒヒンと相づちを打った。

 新聞「一馬」のコラム・清水成駿さんの「今日のスーパーショット」(平成12年11月12日号・一面競馬予想コラム)から引用させていただきました。ダンナがファンで、「いい事言ってるよ~」と教えてくれたのが、この文章です。競走馬のことを言っているのですが、それ以外にもいろんな場面に当てはまると思いませんか?


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