シングル母のアメリカ暮らし

シングル母のアメリカ暮らし

May Pole Festival


ヨーロッパに古くから伝わる、春を祝うお祭りだそうで、
校庭の芝生のまん中にたてられた高いポールの上に大きな花かごが飾られており、
色とりどりのリボンがかごから垂れ下がっている。
そのリボンを生徒達がもって、学年ごとにダンスを披露するのである。

最初は1年生から。
呼び集めたミュージシャンたちのバイオリンやベースの奏でるフォークソングにのって、
リボンを持って踊り出す。
・・・・息子よ、お願いだから皆の前で脇の下にリボンを挟んで
ゴリラの真似をしたりせず、ちゃんと踊ってくれ。
母は情けなさでいっぱいになる。

上級生になるにしたがってダンスはもう少し複雑なものになり、
ポールにはリボンがきれいに編み込まれていく。
今度は編み込まれたポールの側で最上級生らがスティックを使ったフォークダンス。
本当に素晴らしい。色んな意味でこの学校の祭事や授業は芸術そのものである。

ダンスが終わると、子供達はそれぞれの教室に帰り、
ストロベリー・ショートケーキをふるまわれる。
オーガニック全粒粉の甘さ控えめケーキに、真っ赤ないちご、
そしてたっぷりの生クリーム。
顔を輝かせてケーキにかぶりつく子供達の何人かの顔がわずかに曇る。
そう。生クリームにはまったく砂糖が入っていないのだ。
ほんのちょっとでもいいから、砂糖くらい入れてやれよーと
「完璧」に程遠い父兄の一人は思わずつぶやく。

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