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シングル母のアメリカ暮らし
テレビ一考察
テレビはおろか、ビデオ、コンピューターゲーム、CDやテープによる音楽鑑賞、映画、すべてのメディアものを遠ざけることがのぞましいと言われている。
理由は、さまざまあるが、テレビの害については今いろいろ言われているので、今更ここで述べることもないだろう。これは私の一考察ということで。
長男が生まれて、私は別にテレビのことなどなにも考えていなかった。私は映画やビデオは時々みるが、テレビがつけっぱなしになっているという状態は嫌いである。音の洪水はいやなのだ。だから、音楽を聴くためにCDやラジオをつけることはあっても、BGMとしてただ流しておくということはしない。これは好き嫌いの問題だ。
長男がお座りできるくらいの頃になって、時々テレビを見せていた。最初は「セサミストリート」、「お母さんといっしょ」、「バーニー」など。色がくるくる変わることが面白いのか、画面にじっと見入っていた。お誕生をすぎた頃からテレビが好きになってきた。特に「くまのプーさん」や「機関車トーマス」などは何度もせがまれた。そのうちビデオが終わると泣くようになった。もっとつけろというのだ。
これはちょっとまずいかな、と思い、ビデオを見せる時間を減らすようにしたが、やっぱり終わると泣くのである。これはテレビ中毒かもしれない、などと思いつつ、夕飯時などは親も楽したいのでついついつけていた。
長男が3歳になろうかという頃、人からシュタイナー教育の話を聞いた。魅力的な部分もあったが、「そんなアレもだめ、コレもだめ」って教育がいいとは思えないなあ、と感じた。特にテレビなどのメディアに関しては、時代に逆行しているな、と感じたのと、自分自身小さい頃はうんとテレビを楽しんだので子供にその楽しみを与えないというのは酷だろうと思った。
今次男が通っているプレスクールの先生との出会いがあって、シュタイナー教育との付き合いははじまったものの、テレビは見せていた。いちおう週末に限定するよう心がけてはいたけれども、結構みていたと思う。そのうち長男の様子が周りの子供と少し違うことに気がついた。のちに「感覚統合障害」と判定されるんだけれども、その頃はよくわからなかった。
ただ、テレビをみた後に不機嫌になるだけではなく、目が据わったような状態がしばらく続くのである。ひどいときには目の下にクマができたように赤っぽくなる。
テレビのあと、ほかの子供たちがすぐにわーわー遊び始めるのに対して、長男は放心状態でしばらくたたずんでいたりする。
その後長男の状態もだんだんわかってきたし、プレスクールなどで、いろいろな勉強会も受け、メディアが子供たちに与える影響についても少しずつわかってきたので、思い切ってテレビをやめた。今は家ではまったくみていない。例外はお友達のうちでみんなで見ることになったときと、夏休みやクリスマスに祖父母宅などでつけてもらったときである。
今は本人たちもそれが当然と思っているので、家にいるときにテレビが見たいとは言わない。テレビをつけないでいいことだと思うのは、時間をたっぷり使って遊びに打ち込めることである。テレビやゲームという受動的な娯楽がない分、自分たちで楽しみを見つけ、作り出していっているようだ。テレビを見ていた頃はちょっと退屈するとすぐ「テレビみたい。つまんない」という言葉をよく口にしていたが、今は退屈しても、すぐに何か探すので「つまらない」とは言わなくなった。
年とともに少しずつ見せていくようにしてもいいと思っている。今だってまったくみていないという訳ではないのだ。私が子供の頃テレビを楽しんでいたように、今この子たちは、別の遊びを楽しんでいるのだ。そのうちテレビも楽しみの一つに加えていってもいいと思う。
このことに関しては各家庭でスタンスはまったく違う。よくテレビやゲームを排除している家庭に対して「子供がかわいそう」という非難を浴びせる人がいるが、当の子供本人がかわいそうだと思っていなければそれでいいではないか。また反対に「テレビやゲームをあんなにやらせて。まったくわかってないわ。」などと考えるのもお門違いである。世の中に悪いと言われるものはたくさんある。テレビの見過ぎ、ゲームのやり過ぎもいいことではないだろうが、たとえば飲酒、喫煙、暴飲暴食、運動不足、エトセトラ。言い出したらきりがない。
要はそれぞれが自分たちの家庭内でいいと思うことをやり、よくないと思うことを極力排除する。
よその家庭のことにまで口を出すのはどうかと思う。
シュタイナー教育の学校で、いちおうテレビが禁止されているのはありがたいことだと思う。いくら自分の家で見せないようにしても、学校で友達がテレビやゲームの話を楽しくしていたら、話題にもついていけないだろうし、不満にも思うだろう。幸いにも日常的に見せている親は少数なので(それでもいます)、学校でその手のことが話題になることはないのだ。
かくいう私は、時々子供が寝た後や、いない日などにビデオを借りてきて楽しんでいる。
大人だからいいのだ。いい加減なもんである。
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