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アメリカ産食料品



この件に関して記述する前に明確にしておきたい事実を述べたい。
牛海綿状脳症(狂牛病/以下BSE)の危険性についてだが、この病気は人間に感染しうる病気である。
事実、イギリスではBSEに感染した牛肉を食べた事が原因と見られ発症、後に死亡した男性がいる。

言わずもがな、米国でBSEが報告されて日本は米国産の牛肉の輸入を停止した。
しかしアメリカ政府の圧力により輸入は一旦再開されたがずさんな検査体制により輸入禁止品目に入っている特定危険部位の混入が発覚、再度輸入禁止の措置が取られた。
アメリカ食肉業者はこの件を不服とし猛反発。日本国政府に禁輸解除を求め、アメリカ政府は日本政府に報告書を提出し禁輸解除を執拗に求めている。

アメリカ政府の言うとおり、特定危険部位の混入は不幸な出来事であるが人体に影響にまで及ぶ可能性は極めて小さいかもしれない。しかし人間の生命を脅かす可能性がある以上、それが如何に小さかろうとないがしろにしてよい問題ではないはずだ。人体には影響ない量のダイオキシンだからと言ってそれを飲む人間はいないだろう。それと同様ではないか。今回混入が認められた牛肉を検査したアメリカ農務省の検査官はそもそも日本への輸出基準を知らなかったとされる。しかしアメリカ政府は今回の件はたまたまこの検査官のミスであり、特異的な事例であると発表している。しかしこの検査官はアメリカ農務省の検査官であり、それを監督するのはアメリカ政府である。つまりこれはアメリカ政府の検査体制のずさんさを証明するに他ならない。

アメリカは隣国カナダからの牛肉輸入を禁止している。これはカナダでもBSEの発生が報告されているからだ。そしてカナダが状況改善に走っている最中、アメリカは未だにこの禁輸措置を解除していない。自国に関しては厳しい輸条件を課し、自国からの輸出に関しては条件を緩めろと迫るアメリカと言う国のスタンス。これは牛肉に限った事ではない。他の農産物に関してもアメリカ国内消費用としては認めていない農薬も輸出用としてでなら多くに使用を許可している。そんなダブルスタンダードの国の製品は果たして安心、否、安全だろうか。

アメリカ政府そしてアメリカ食肉業者の本音は「日本はさっさと輸入を解禁しろ」と言った所だろう。しかしそこで一歩突っ込んで私は問いたい。「食べる日本人に対する安全性についてはどう考えているのだ」と。口が裂けてもこうは言わないだろうが、基本的な考え方は「日本人の事等どうでもいい。最終的には我々が儲かればいいのだ」と。

我々日本国民の生命を守るべき立場にある日本政府はこのような態度を取るアメリカに対し毅然とした態度で接して欲しい。
確かにアメリカは日本にとって重要な貿易パートナーである。
しかしだからと言って常に相手方の顔色を伺い続けるべきではない。
国際関係で重要な事は台頭な立場での対話である。
決して一方の国がその国の利益のためにもう一方の国の不利益を黙認させるべきではないのだ。

またアメリカ政府は過剰に自国の利益のみの追求は自重すべきだ。
他国に対する敬意とそれに伴った行動をする事から国際協調は生まれるのだから。
アメリカのスタンスが変わるまで私は可能な限りアメリカ製の食品を口にする事はないだろう。

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