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友達がかいた小説2!
集合場所から少し歩いていった所に、その図書館はあった。
俺達の事務所なんかよりずっと大きい建物で、外見はレンガ造り。
左右対称になっている造りだ。
「でかいっすね・・・」
唖然としているのはフィル。
といっても、みんな呆然としてるんだけどな。
それくらい大きな建物だった。
「とりあえず、中に入るか!」
そうして俺達は巨大な扉を開いて中に入っていった。
「失礼しま~す・・・・」
「はいはい、どちら様?あら、あなたは・・・エレンが言ってた方ね?」
「エレンって言う人が、酒場の女主人のことを言ってるんだったらそうでしょうね。」
「まぁまぁ!面白い方ね!私はカレン。酒場のは姉のエレン。
エレンから話は聞いてるわ。ヴァンパイアについてだったわね。ちょっと待って」
そう言って、膨大な量の資料の中から、20冊近い本を持ってきた。
「これね。この国のヴァンパイアについての書類はこれだけね。
今日は人が来ないと思うから、そこのテーブル使っていいわ。」
「ありがとうございます。」
俺が頭を下げると、カレンは声を立てて笑った。
「あなた、普段は敬語なんて使わないわね?そうね・・・仲間内では
割と口の悪い方じゃない?敬語なんて使わなくていいのよ!」
そう言って俺の額を軽くつつく。
「すごいっすね・・・リーダー。バレバレじゃないっすか。」
驚きに固まりながら、フィルが言う。
「そうだな・・・ここまでバレてんだし、いっか!
俺の名前は龍司。こいつらは和臣、芳人、ルイス、フィルだ。よろしくな、カレン。」
「こちらこそ、よろしくね!さて、私はこっちで仕事をしてるから、頑張ってね!」
で、俺達は大量な書類を抱えて、机に張り付くようにして仕事を始めたのだった・・・
チッチッチッチ・・・
カサ・・・
時計の音と紙をめくる音だけが響いていく。
「ふぁ~・・・・!」
どれくらい時間が経ったのか、俺は3冊目の書類を調べ終わって、
思い切り伸びをする。
「龍司さん、どれくらい終わりましたか?」
「今のが3冊目。そっちは?」
ルイスに聞かれてそう答える。
「僕の方は4冊と半分くらいですね。」
「・・・早いな。」
「慣れてますから。」
チッチッチッチ・・・
また、時間だけが過ぎていくように感じられる。
「よし!これで最後だな?」
俺は、調べていた書類を閉じると、みんなに確認するようにそう言った。
「俺の方は終わったぜ!」
「僕も終了です。」
「終わったっす!」
「僕も何とか。」
『終わったぁ~!!』
とにかく嬉しくて、全員で拳をぶつけ合って叫ぶ。
「終わったの?」
そう言ってカレンが出てきた。
「あ・・・わり、煩かったよな。」
「いえいえ!気にしなくていいのよ♪最近はここらも静かだったから・・・
たまには賑やかなのもいいわ。それで?もう調べることはないの?」
「1つ・・・いいか?」
「なにかしら?」
「どうしてあんたたち姉妹は、ヴァンパイアに詳しいんだ?」
「・・・・!」
俺の質問に、カレンは目を見開いて硬直した。
「なんで驚く必要があるんだ?本を読んだとか言えるはずだろ?」
俺が少し強めに言うと、カレンはふ・・・とため息をついて・・・
「お手上げね。あなた、なかなか鋭いじゃない。いい質問ね・・・
私とエレンは・・・呪われた姉妹なのよ。何十年も前からね。」
「呪われた?」
「えぇ・・・ヴァンパイアを殺した人の話は知ってるわね?」
「知ってるっす。」
「そのヴァンパイアの話には続きがあってね・・・」
カレンはそう言って話し始めたのだった・・・
「神父様が死んだとこまでは知ってるわね?
そのあと、2人の女性が行方不明になったの・・・
その2人の女性は・・・ヴァンパイアを殺し、神父様に預けた人だった。」
「ヴァンパイアを殺したのが女性?!」
「そうよ。その2人には、ヴァンパイアを殺したときに呪いがかかっていたの。
永遠に死ぬことも、老いることもなく、この世の全てを見ろ・・・とね。
人は皆、生きることを望むけど、永遠の命を得た者は違う。
自ら死を望むのよ。呪いから逃れるためにね。
その姉妹が・・・私たち姉妹なのよ。」
「やっぱりな・・・何かあると思ったぜ。」
俺がふぅ・・・とため息をつくと、カレンは申し訳なさそうな顔をした。
「ごめんなさいね・・・私たちは、呪いを解くための方法を探したわ。
行方不明になったっていうのは、世界各国を回っていたからなの。
でも、その方法は見つからなかったわ。だから、この国に戻ってきたの。
死ぬことがないのなら、せめてこの国にいたヴァンパイアのことを
世に伝えよう・・・って。」
「そっか・・・そんなことがあったのか。」
「カレンさん、ヴァンパイアを殺したときに呪いがかかった・・・と言いましたが、
殺したとき、どんな状況だったんですか?」
和臣がまっとうな質問をしている。
「ヴァンパイアを倒したとき、彼はよろめきながらこう言ったわ。
『お前が私を殺すとはな。私を殺すことがどれだけ大変なことか・・・
その身で思い知るがいい。永遠に死ぬことも老いることもなく、私達の
脅威に怯えて暮らすんだな・・・』ってね。
そのあと、彼に薬のようなものをかけられたの。」
「ということは、その薬が原因と考えていいでしょうね。
それから考えると、ヴァンパイアの住居だった城に行けば、
何らかの手掛かりがあるかもしれないですね・・・薬が原因なら、
解毒剤もあるはずですから。・・・しかし妙ですね・・・」
和臣は手を顎に当てて、真剣な顔をして考え事をしている。
「和臣、なにが妙なんだよ?お前だけ理解しててもわかんねーじゃんか!」
芳人が喚いている。・・・五月蝿い。
「いや、だからね。不老不死になる薬なら、自分達が使えば殺されるなんていう、
恐怖もなく生活できたんじゃないかな?殺されることに怯えていた。
だけど不老不死の薬は使わなかった・・・そうすると、ヴァンパイアは、
その薬を使わなかったんじゃなくて、使えなかった・・・ということが考えられますね。」
和臣の説明はちょっと(いや、かなり)難しいものだったが、大体のことは理解できた。
「ようするに、その薬の効果をまだ試していなかったかも知れない・・・ってことか。」
「そういうことになりますね。それじゃ、もう外も暗いですし、
今夜の宿を探しましょう!館の捜索は明日、明るくなってからでも十分
間に合うはずです。ね?リーダー。」
「そうだな~いい加減疲れたしな!カレン、どっか宿を紹介してくれるか?」
「それなら私の家に来れば?エレンも喜ぶと思うわ。どう?」
「え?いいのか?」
「もちろんよ!いつも2人じゃ寂しいもの。たまには賑やかに夕食でも食べたいわ。」
「まじすか?!やったじゃないすか、リーダー!」
「そうですね。この方のお姉さんなら、きっと明るい方なんでしょうね~」
フィルもルイスも賛成のようだ。
「それじゃ、カレン。泊めてもらってもいいか?」
「さっきからいいって言ってるじゃないの!ちょうど部屋もたくさん余ってるしね!」
そういうわけで、俺たち5人とカレンは国立図書館を後にして、
闇に飲み込まれ始めた街へと歩いていったのだった・・・
「ここが私達の家よ。」
俺たちが通された家は、もはや家じゃなく『館』の域だった。
「エレンが帰ってくるまで、うちの図書室でも見てくる?
国立図書館ほどじゃないけど量はあるし、けっこう古い書物も残ってるわよ。」
「・・・遠慮しときます。」
俺達は揃ってそう言った。もう当分本は見たくねえよ・・・
「それもそうね~」
カレンはのんきにそんなことを言っている。
「俺はとりあえず寝たい・・・ほとんど寝てないから・・・」
「そうなの?それじゃ部屋に案内するわ。着いてきて。」
俺が大あくびをしながら言うと、カレンは俺達の前に立って廊下を歩いていった。
長い長い廊下は、その先が闇に閉ざされているかのような錯覚に襲われる。
俺達5人は周りをキョロキョロと見回しながら着いていく。
「ここを使っていいわ。食堂とかに近いからすぐに呼べるし、入り口から一直線だしね。」
「ありがとう、助かるよ。」
「気にしなくていいのよ!ゆっくり休んでね。エレンが帰ってきて、
食事の用意ができたら起こしに行くわ。」
てなわけで、俺はその部屋のベッドに沈み込んで眠りに着いたのだった・・・
「・・・じ・・・うじ・・・龍司!」
俺は、誰かに呼ばれた気がして目を開けた。
でも、俺の目に飛び込んできたのは眠ったはずの部屋じゃなくて・・・
ただ白いだけの世界だった。どこまでも、どこまでも白くて、何もない世界。
俺は、俺の名を呼んでいた誰かを探した。でも、辺りには誰もいなくて・・・
「ここは・・・どこだ・・・?」
「あなたは、何も覚えていないのね・・・」
呆然としていると、不意に後ろから声を掛けられた。
「なっ・・・誰だ!」
でも、俺が振り向いても誰もいなくて・・・
「?」
「こっちよ、龍司。」
今度はさっきまで俺が見ていたほうから声が聞こえる。
「!!」
慌ててそっちをみると、そこには見たこともない女の人が立っていた。
「あんたは・・・?」
「あなたは、何も覚えていないのね。みんなのことも、私のことも・・・」
「一体なにを言って・・・」
俺が話の内容についていけなくて、質問しようとすると、
その女性は俺の口に人差し指を当てて黙らせると、悲しそうに微笑んだ・・・
「あなたが何も覚えていないことを責めるわけじゃないわ。
それだけのことがあったんだもの・・・彼も、私達の仲間達も、みんな消えてしまったわ。
あなたのせいじゃない。忘れているのなら、思い出さないで。」
静かにそういう女性は、今にも消えてしまいそうなくらい儚くて・・・
「なにを言ってるんだ?消えた?誰のことを言ってるのか、分かんねぇよ!
俺がなにを忘れてるっていうんだ!説明してくれ!」
俺が大声でそう言うと、悲しそうな、でもさっきまでとはまた違う笑顔になった。
「あなたは昔と何一つ変わらないのね・・・時が流れて、時代が変わっても。
それはとてもいいことよ、龍司。あなたは、ここへ来てはいけなかったの・・・
この国には、ね。・・・もうそろそろ戻った方がいいわ。
憶えておいて・・・私のことを。そして・・・今の仲間達のことを・・・」
そう言って俺の手を握って、それからすぐに俺から遠ざかっていって・・・
「さようなら、龍司・・・」
それだけ言うと、その人の手は俺の手から離れて、あっという間に消えてしまった・・・
「・・・っ!!」
慌てて起きると、部屋のテーブルで芳人とフィルがチェスをしていて、
ルイスと和臣は部屋にはいなかった。
「龍司?どうかしたのか?魘されてたぜ?嫌な夢でもみたのか?」
芳人が心配そうに俺の顔を覗き込んでくる。
「あ・・・わり、なんでもねぇよ。なんでも・・・」
気づいてみれば俺は体中汗だくで、割と長めな黒髪が額に張り付いていた。
「ホントに大丈夫か?かなりやばそうだったんだけど・・・」
「・・・それなら起こせよ、アホ。」
俺がにらみつけると、芳人はへらっと笑った。
「まぁ、そんだけ憎まれ口叩けりゃ問題ねぇか!フィル、水持ってきてくんね?」
「あいよ~わかったっす!ちょっと待ってて下さいね、リーダー!」
そう言ってフィルは走っていった・・・元気だな。
「それで?お前、マジでどうしたんだよ?」
「どうしたって・・・どうもしねぇって。」
俺が目を逸らすと、芳人は大袈裟なため息をついた。
「あのな、お前が何もなくて寝ながら呻くか?」
「う・・・」
鋭い・・・伊達に何年も親友やってねぇな、芳人・・・
「で?なにを見たんだ?」
「・・・実は・・・」
結局、俺は芳人に話すことになったのだった・・・
「・・・というわけだ。」
俺が話している間、芳人は黙りこくって聞いていた。
「そんな夢がね~・・・なんかの予言かね?まぁ、気にするなって!」
アバウトな芳人にはどうでもいいようだった。でも、俺はマジで気になっていた。
「リーダー!水、持ってきたっす!」
フィルが勢い良く飛び込んできた。
「もうすぐ夕食も出来るそうっす!和臣さんとルイスが手伝ってるっすよ!」
「おう、ありがとな、ルイス。」
「いえ、いいんすよ!俺はリーダーの部下なんすから!」
・・・筋が通っていないぞ、ルイス。
とは思いながらも、とりあえず放っておく俺。
「みんな!夕食の準備が出来たよ!早くおいで!」
この声はエレンだな。
「は~い!!」
エレンの大声に負けないくらいの大声で返事をして、俺達3人で食堂へ行った。
で、腹いっぱいになるまで食べてから、大浴場に行って5人で(当たり前だが)
風呂に入ってから、それぞれのベッドで眠りについたのだった・・・
「起きなさい、みんな!」
「う~ん・・・・」
次の日の朝、俺達はエレンとカレンの大声で起こされた。
「あ・・・おはよう、エレン、カレン。」
「おはよう、龍司。朝食の用意もできてるわ。早く着替えていらっしゃい。
ヴァンパイアの城に行くんでしょ?」
「そうだった!!」
軽い朝食を食べて、身だしなみを整えてから、俺達はカレンとエレンに
お礼を言ってから、ヴァンパイアが住んでいたと言われる城を目指した・・・
「ここがそうか・・・」
カレントエレンの家から大分離れて、人気のない街の外れに巨大な館が聳えていた。
「やっぱデカイっすね・・・」
「確かに・・・」
国立図書館もエレンとカレンの家もでかかったけど、ここはそれよりも大きかった。
「とりあえず・・・入ってみるか?」
「そりゃそうでしょ。それが目的なんですし。」
そういうわけで、馬鹿デカイ門を開いて館へと入って行った・・・
「うへぇ~・・・汚ねぇ・・・」
確かに、芳人の言うとおりだ。館のホールにはこれ以上ないくらい埃が積もり、
ありとあらゆる物には蜘蛛の巣が張っている。
「どれくらい人が入ってねぇんだろうな・・・」
俺達は唖然として見回していた。
「とりあえず、龍司さん。手掛かりを探しましょう。それが目的なんですし。」
ルイスの言葉に無言で頷いて、俺・ルイス・フィルの三人と、和臣・芳人に別れて
城内の探索を始めた・・・
俺達3人は東の棟を調べることになった。
東の棟に向かう扉を開けて、廊下に出た。
廊下の右側はガラス張りになっていて、庭が見られるようだ。
「うわぁ~広いっすね!・・・でも荒れてますね・・・」
庭は広い。だけど、荒れているのも確かだ。
「何があったんだろうな・・・ここで。ほら、庭見てみろよ。
あれ、明らかに骨だろ?人のじゃねぇけど・・・」
俺が指差す先には、白い骨が転がっていた。
「人骨だったらいやですよね・・・」
ルイスが気持ち悪そうにしている。俺も不気味だと思うが・・・
「先進みましょうよ・・・」
「そうだな。」
それから少し進んだ所の左側に、扉があった。
「入るか。」
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