ラメな毎日

ラメな毎日

【マイヤリング】

DVD【マイヤリング】(ロイヤル・オペラ)

(収録:1994年/ロンドン・コヴェントガーデン王立歌劇場)

ジェネオン エンタテインメント 英国ロイヤル・バレエ/リスト:マイヤリング 全3幕~うたか... 英国ロイヤルバレエ【マイヤリング】

<↓日記そのまま(手抜き?じゃありません)>

ヴィヴィアナ・デュランテの若い頃見たさに購入したDVD。
いや~面白かった。楽しんだ。堪能した。(小泉さん調)

『ロメ・ジュリ』以外でマクミラン振り付けを見るのは初めてなので新鮮~。めまぐるしく変わるすばやいポーズにサポートは難易度高し。タイミングが少しでもずれたらパートナーをほおリ投げちゃってるだろう。相当難しそうだ。

舞台美術と衣装がこれまた素晴らしい。ウィーンの宮廷の華やかさと重厚感があって、美しい鮮やかな衣装が照明で一層映えてます。ベルベットやサテンの重そうな衣装に見えますが、スカート部分は生地を薄くして動きやすい工夫をしてるみたい。
それにカメラワーク!これかなり綿密に打ち合わせをしてますね。カメラがブレたり不自然なズームアップや継ぎはぎが一切ない。解説がなくてもストーリーと登場人物の感情がわかるようにちゃんと要所を抑えてる。照明の加減も絶妙です。衣装の重厚感が出て適度な明るさがありとても美しい映像を残そうとした撮影班の意気込みが感じられました。


<主な出演者>
ルドルフ皇太子: イレク・ムハメドフ
マリー・ヴェツェラ(皇太子の最後の愛人): ヴィヴィアナ・デュランテ
王女ステファニー(皇太子の新妻): ジェーン・バーン
エリザベート皇后(皇太子の母): ニコラ・トゥラナ
伯爵夫人マリー・ラリシュ(皇太子の元愛人): レスリー・コリア
ミッツィ・カスバー(高級娼婦/皇太子の愛人): ダーシー・バッセル

イレク・ムハメドフ ...。いつぞやわたくしが『ラ・バヤデール』の感想でコケにした人ですね。『マイヤリング』ではすっかり別人ですわ。前回(バヤデ)から3年後(1994年)なので、3年の間に修行(ダイエット)したと思われ、特に顔がすっきりして見違えたわ。お腹周りもずいぶんとすっきり。断然この方が男前。

さて、演技の方は、こちらも見違えました。どんどん精神を病んでいくルドルフ皇太子のいろんな一面を表情と態度で演じ分けていて、熱演でした。

母親(皇后)に疎ましく思われて愛情に飢えたルドルフは痛々しい。母を慕って近寄るたびに迷惑そうに拒まれて、小さな子供のように傷つく。

妻ステファニーには乱暴に振る舞い、不気味な骸骨やピストルで脅したりする。弱いものをいじめて面白がってる。(ここで早くも危険な香りが)

父親(皇帝)のとがめる視線に急に気弱そうにちじこまる。(また間が悪いとこばかり出くわすんだよね)

ハンガリー高官たちに囲まれてるときは迷惑そうで、「いやだな~」が顔に出てる。男同士のリフトは初めて見たから仰天したさ。ぎょえ!きも!(そのうち慣れたけど)

居酒屋の高級娼婦ミッツィ(愛人)といる時は尊大で陽気な自分でいられる。色男風流し目するあたりが「風とともに去りぬ」のクラーク・ゲーブルみたい。

母親の浮気を知ると怒りがふつふつと込み上げ動悸が激しくなって憤怒の表情。この辺から眉間に深~いシワがくっきり。もともと自殺願望はあったけど心の闇がじわ~と広がっていく予感。苦悩のダンスは体操競技の床か?鞍馬か?はたまた砲丸投げか?

マリーからの恋文に喜び、折りたたまれた紙を開けるのももどかしくガサガサガサ...。うわずってる感が出ててマル。それまでルドルフの肖像画に心ときめかせてた純な少女(なんせ17歳)が初めての逢瀬でコートの中はいきなりネグリジェ!!てのが仰天でしたが。(あのスケスケはどうみてもそうとしか思えず) 純だと思っていたマリーが、無気味な骸骨とピストルに目を輝かせてルドルフに銃を突きつける。おびえるルドルフ。妻ステファニーを脅したのと真逆の体勢なのがルドルフの心境の象徴のように思える。マリーは若さゆえに死とか危険に惹かれてる。ルドルフの精神状態と波長が合ってきてキケン~~。

誤って側近を死なせてからは精神の均衡が保てなくなって顔つきがどんどんアブなくなってくる。眉間のしわは一層深く刻まれ、目が半分イッちゃってます。酒に酔いつぶれてる演技もうまいな~。文字通り目がすわってました。ここにマリーが登場してからは更に闇へ闇へと向かっていき、ついに二人ともピストルしか目に入らなくなってる。ピストルがまるで甘い蜜かのごとく(赤頭巾ちゃんのりんごね)。そして...。


皆さん役者ぞろいです。

皇后の表情に結構注目しました。息子を何故か愛せない人なのね。うっとうしそうな目で見たり、嫌そうに拒否したり、無視したりするのに、側近を死なせて苦しんでいる息子を慰めている元愛人に激怒してたたき出すのは何故なんだろう。

バッセル の高級娼婦役がすごく良かった。端正な顔立ちで娼婦だけど流し目が涼しげでクール。クラシックではお目にかかれないスピーティーでアクロバティックなポーズを難なくさくさくこなしていくので、ほぉ~と感心しきり。

ルドルフに乱暴に振り回されるステファニー役のジェーン・バーンも何気にすごい。振り回されるほうだって筋力がないと。恐怖でがたがた震えながらリフトされてるとこ、ポイントです。

肝心のお目当て デュランテ 。この人がク●テツの...。なんてか細い。このか細さのどこに筋肉が?この穢れのなさそうな純粋な感じ、皇太子が最後にホレたのもわかる気がします(ク●テツも)。身体は柔らかいし軽くて華奢な手足が美しくて言うことなし。切れ長の目が印象的なのも舞台人としてお得ですね。

これは繰り返し見たい(もう見てる)一本です。


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