自分をマッタリと愛しませんか?

自分をマッタリと愛しませんか?

楽天横丁~チビッコ編







楽天横丁は今日も活気に溢れていた。横丁が少し変わったとすればそれは子供達の笑い声がアチコチから聞こえるようになった事だろう。





 きうぴinちゃんとにぃさまの子供はもう4歳。おしゃまなクンミ(ひも子)と甘えん坊のクンジェ(ひも男)。

目玉ちゃんちの双子は3歳になっていた。オイモとオタマ・・・

いい遊び相手になっていた。



「本当に子供って成長が早いわね・・」ときうぴinちゃん・・そう目玉屋に遊びに来ていたのだった。「そうそう・・なんかエネルギーの塊りみたいだしねぇ・・」と目玉ちゃん・・

共に子育て中の彼女達の悩みは目を離すとあっという間にどこかへと行ってしまう予想も出来ない行動力だった。



大抵はみんなが分かっているので連れられて帰ってくるが、親としては気が気ではない・・

以前もクンミがいなくなったと大騒ぎになったが、彼女はその時市場で荷物用の「ヒモ」を一生懸命編んで髪飾りを作っていた。丁度ダンボールの陰になり誰も気がつかなかったのだった。見つかった時はもう夕方遅く・・お腹がすいてアベルの元へとおやつをねだりに行き無事保護・・・



「にぃさまってば・・あの時は大泣きしちゃって・・その後私が怒られたのよね・・」ときうぴinちゃん・・「そうそう・・クンミはどうしてあんなに「ヒモ」にこだわるのかしらね?」と目玉ちゃん・・・そう・・遺伝・・DNAは偉大だった・・・



ふと・・子供達が遊んでるハズの方へ目を向けるとクンミとクンジェがいない・・目玉ちゃんがオタマに聞く「クンミ達はどこいったのかな??」オイモが答える「あのね・・えっとね・・クンしゃんたちはおいかけっこしゅるって」オタマもいう「変な人がね・・いたの・・クンしゃんがおいかけようって」

顔が青ざめるきうぴinちゃん・・・目玉ちゃんは「大丈夫だから!」と声をかけてから目玉屋から横丁全体に緊急連絡をした。ミンジェやアベル達も子供を見かけたら保護するようにと住人に頼んでいた。柳が目玉ちゃんのオタマとオイモを預かり、みんなで手分けしてお店や市場を探して歩いた。



小太郎の母も小太郎にクンジェの靴下の匂いを嗅がせ「さぁ!探すのよっ!!」と意気込みはさすがな母ちゃんだったが小太郎には・・少々無理があったようだ。



きうぴinちゃんはにぃさまに電話をした。「クンミ達がいきなりいなくなったの・・どうしよう・・」「すぐに帰る!」と叫んでにぃさまは会社を飛び出した。



その頃、クンミとクンジェは「変な人」を追いかけていた。横丁では見た事のない洋服。女性は人目を引く化粧をしていたし男性はサングラスをかけていて黒づくめのスーツ。そうヴィジュアル系のカップル「お粒とウソン」だった。



クンミは女性のお化粧を近くで見てみたかった。どうして目の周りがあんなに「キラキラ」しているのか知りたかった。クンジェは無理やり・・クンミに引っ張られてきただけだった。でもワクワクしていた。



お粒ちゃんがふと・・視線を感じ振り返ると、そこには誰もいなかった。いや・・クンミ達がいたけれどちょうどクンジェが靴下を脱ごうとしていたのでここら辺の子供が遊んでいるのだと思い込んでしまった。クンジェは靴下がキライだった・・これもDNA・・



「久しぶりに来たけど、あんまり変わってないわね・・ウソン」「どうして急にココへこようなんて思ったんだ?お粒」「何となく・・・幸せそうな人達を見たかったからかもね」「じゃぁ・・ココの住人にでもなるかい?」「やめておきましょう。私達は今幸せでしょう?」

「そうだね・・今幸せだよ・・お粒・・君がいるから」



すると足元にさっきの子供が2人・・ノロケ話を不思議そうに聞いていた。慌てるお粒とウソン・・「どこの子だ?何か用か?」クンジェはクンミの後ろに隠れてしまった・・



「おじちゃんでなくておばちゃんに聞きたいの」クンミに「おじちゃん」と呼ばれてショックを受けるウソンssi。お粒ちゃんも「おばちゃん」と言われ・・・「一体どこの子なのっ?しつけがなってないわっ!」と・・かなりご立腹の様子・・



クンジェが言った「僕達横丁の子だよ。おばちゃん」「横丁?楽天横丁の子?こんな所までなんで来たの?楽天横丁はもうずっと後ろでしょう?帰れるの?」そう言われてクンミ達は自分が横丁からかなり離れた事に気がついた。そして泣き出す2人・・お粒ちゃんとウソンssiは困ってしまった。



楽天横丁では大騒ぎになっていた。あらゆる所を探してみてもクンミ達は見つからなかった。きうぴinちゃんは「ごめんなさい・・ごめんなさい」とにぃさまに泣きながら謝っていた。にぃさまはそんなきうぴinちゃんを抱きしめながら「大丈夫!大丈夫だからきっと」と繰り返していた。



目玉ちゃんが言った。「オタマが言ってたんだけど変な人って・・誰の事だろう?」ジニ君が「変な人?横丁の人間じゃないな・・?まさか・・誘拐?」その言葉にきうぴinちゃんは気を失ってしまった。



アベルとミンジェ達は横丁を抜ける道を走っていった。子供の足だからそんなに遠くへはいけないはずだと・・そこでクンジェの靴下を見つける。横丁からかなり離れた所まで来ていたようだった。「クンミ!クンジェ!」と名前を呼んでみたが・・返事はなかった。

仕方なく靴下を持って横丁へと帰るアベル達・・・



クンミとクンジェはアベル達が近くまで来ているのも気がつかずパフェをほおばっていた。そう、泣き出した子供には「食べ物」と考えたお粒ちゃんがその近くのパーラーへと連れてきたのだった。ウソンssiはずっと影を背負っていた。まだ「おじちゃん」から立ち直れなかった。



お粒ちゃんがクンミに聞く「私に聞きたい事があるって言ってたけど何かしら?」「あのね・・どうしてお目目の周りがキラキラしてるの?」パフェを食べて満足したクンミは好奇心の塊りになっていた。「お口もママと違う色なのはなんで?」



「お化粧品でこういうのがあるからよ。ヴィジュアル・・と言ってもまだ貴女にはわからないでしょうけど」とお粒ちゃん「そうか、お化粧に興味があるのね?ちょっとやってみましょうか?」「うん!」クンミは迷う事なく返事をした。クンジェはお腹いっぱいになったせいかあくびをしてウソンssiの膝枕で眠ってしまった。



クンミはお粒ちゃんが持っている化粧品で変身していた。髪を結い上げてもらい、眉を整えてもらって小悪魔のような女の子の完成だった。鏡をずっと眺めてウィンクをして見たり、かなりのお気に入りの様子・・ウソンssiはあっけに取られていた。さっきまでパフェをほおばっていたガキが・・こんなに・・変わると言う事は・・・化粧はコワい・・

お粒ちゃんの素顔を知らなかったウソンssiはそんな事気にしたことがなかったが・・今度是非素顔を見てみようと・・心に堅く誓ったのをお粒ちゃんは知らなかった。



「おちびちゃん達そろそろ帰らないと怒られちゃうんじゃない?」お粒ちゃんが言った。お化粧してもらって満足なクンミは「パフェとお化粧ありがとうです」と挨拶をして帰ろうとしたが・・クンジェは夢の中・・「どうしよう?」とウソンssiを見つめるクンミ。



キラキラ視線にウソンssiも断れなかった。結局クンジェをおんぶし、お粒ちゃんとウソンssiはクンミを連れて楽天横丁へと戻っていった。



楽天横丁では誰もがじっと待っていた。何か連絡があるかもしれないし、クンミ達がひょっこりと帰って来るんじゃないかと・・・探せる所は探しつくした。にぃさまはきうぴinちゃんを抱きしめながらひたすら神様に祈っていた。



横丁の雰囲気が変なのを察知したお粒ちゃんはクンミにこう言い聞かせた。「私達はここまでしか送ってあげられないけどここなら自分達で横丁に帰れるわね?もう知らない人について行っちゃダメよ」「うん。」とクミン・・ 

ウソンssiに「子供を降ろして行きましょう。さっきからボクは起きてるわ」「何?」「えへへ・・ありがと」とクンジェ・・



「ありがとう!おねぇさん!おにぃさん!」と2人はお礼を言った。その言葉を背中で聞きながらお粒ちゃん達は歩いて行ってしまった。



横丁までは後少しだった。そしてクンミの化粧した顔に驚いたクンジェは突然泣きながら横丁へ向かって走り出した。むっとしたクンミだったが後を追って走っていった。



「ママ!パパ!コワいよぉ~~!」クンジェは泣き叫びながら横丁を走っていた。それを見つけたにぃさまはすぐに捕まえて抱きしめた。「クンジェ!大丈夫か?どこに行ってたんだ!心配したぞ!」きうぴinちゃんもクンジェを抱きしめる「クンミはどこ?一緒じゃなかったの?」「コワいよぉ・・・クンミちゃんじゃないよぉ・・」泣くクンジェ・・



みんな意味が分からずクンジェが走ってきた方を見た。するとクンミらしい女の子が歩いてくる。にぃさまは走り寄って息を飲んだ。「ク・・クンミだよな?」「そうよ~走ったらお化粧がくずれちゃうわ」にぃさまはクンミを抱き上げ連れてきた。きうぴinちゃんも・・目玉ちゃん達も「ぎょっ」とした。



着ている服は同じだったが・・髪型といい・・化粧といい・・クンミらしくない様だった。

速攻で風呂に入れられお気に入りの化粧を落とされてしまったクンミはふくれていた。「せっかく綺麗にしてくれたのに・・・」と・・



大騒ぎを起こした本人の自覚は全く無かった。とにかく無事に戻ってきたという事でみんなが安心してそれぞれの家へと戻って行った。



その夜、目玉屋ではきうぴinちゃんとにぃさまが探し回ってくれたお礼にとアベル達にお礼をしていた。お子ちゃま達は冒険に疲れて眠ってしまっていた。

「全く・・驚く事ばかりしてくれるよ・・・化粧なんて・・誰が教えたんだろう?」と、にぃさまはため息まじりに呟いていた。「でも無事で良かったわ。本当に」と目玉ちゃん

きうぴinちゃんは「あの化粧・・・どこかで見たような気がするのよね・・」



「子供ってとんでもない事でも不思議とやってのけちゃうんだから・・逞しいよなぁ」とミンジェが言うと「そんな事言わないで・・怖くなっちゃうじゃない」と柳・・アベルが「まさか・・・ヌナ・・赤ちゃん・・??」「え~~??本当?柳ちゃん!お母さんになるのね~」と目玉ちゃん・・みんなに冷やかされテレまくる2人・・



大騒ぎのあった1日だけど終わりはいつもハッピーエンド!

アベルの恋人の話や柳のその後はいつかまた妄想ドラマで~w


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