エデンの南

エデンの南

March 24, 2021
XML
テーマ: 読書(8650)
カテゴリ: 読書


己の人生とその愛によって私は誓う
  私は決して他人のために生きることはなく
  他人に私のために生きることを求めない


一見どーゆーこと? と思う文だと思うのですが、小説を読むと意味がよくわかります。
人は他人のために生きるべきだという呪縛にかかっている点があると思うんです。
ジム・タッガートやハンク・リアーデンの家族が間違った非難ばかりしているのが、小説からわかるでしょう。
そこから、この碑文の意味がわかると思います。

諸君が夢にみた世界は勝ちとることができ、それは存在し、本物であり、実現可能であり、諸君のものなのだから。
 だがそれを勝ちとるには諸君の完全な献身が必要であり、諸君の過去の世界、人間が他人の喜びのために存在する生贄であるという教義とはきっぱりと決別しなければならない。


ジム・タッガート達の政府は、現実での支配者層ディープステート側だと言えると思います。
しかし、ちょっとマヌケだったり、滑稽に描かれている事で、この小説全体が明るい感じになっていると思います。
レビューをいくつか見たんですが、この小説がNWOだと批判的に書いている記事がありました。
そんな訳ねーだろと思いますよ。全く逆ですよ。

そして、今お読みになる事をお勧めします。
この小説は、これからされそうになっている世界の否定であり、奴隷になる事の否定です。
何も生産せずに生産者から掠め取る者達への批判であり、強者が常に弱者の為に働き与えろという政府の否定です。(弱者を見捨てろという意味ではありません)
これはキリスト教の教えの否定であり、生贄になるなというユダヤ教の否定であると私は思いました。

渡米後にハリウッドの仕事をしていたアイン・ランドですが、終盤のジョン・ゴールト救出劇はハリウッド映画のようで、ちょっと笑える所もありました。😁


訳者あとがき

ロシアで生まれたアイン・ランドは、1917年の十月革命を経験し、生活を破壊されています。
ランドは共産主義のイデオロギーを嫌悪したと「あとがき」に書かれています。
渡米したランドは、ルーズベルトのニューディールに代表される社会主義的政策を危惧し、経済理論を学習しました。
『肩をすくめるアトラス』は酷評もされましたが大ベストセラーになり、財界人や軍人にも愛読者が多かったそうです。一部引用します。

彼女の思想はアカデミックな世界においても文学界においても異端扱いされ、政界では宗教を否定したために保守派から敬遠され、過激な資本主義のためにリベラルから嫌悪され、極端であるためにその中間からも疎まれ、居場所はなかった。


そうでしょう!
聖書が絶対の世界で受け入れられる訳がないんです。
この反応こそが、ランドが正しい事の証明だと私は思います。
何故なら、本当は聖書こそが《悪》だからです。
なので、ハードなクリスチャンばかりのトランプ政権が愛読しているというのは、どうもおかしいと思うのです。
もうひとつ引用します。

ラッシュのアルバム『西暦二一一二』が一九三八年のランドの短編『賛歌』(Anthem) からインスピレーションを得たものであることはよく知られている。


そうなんですね!
私は最近はフツーに聴けるようになったんですが、以前ゲディ・リーの声が苦手でラッシュはあまり聴いてこなかったんです。
ダンナがめちゃファンです。
ラッシュは海外での人気が高く、日本ではイマイチな感じですよね。
ベースの人は何故か歌えてキーボードも弾けるマルチな才能ある人が多い気がします。ゲディ・リーがまさにそうです。

クリックよろしくデス☺️














CARMILLAのアルバムもよろしくお願いします\m/ (ミ`∀´) \m/


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

CARMILLA LIVE EXPLOSION ’88-’89[CD] / CARMILLA
価格:2709円(税込、送料別) (2021/1/29時点)










お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  April 2, 2021 04:15:32 PM
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

SEAL OF CAIN

SEAL OF CAIN

Calendar

Freepage List

読書のページ


小栗虫太郎


夢野久作


江戸川乱歩


ジョイス


ダンテ


バルザック


ルイ=フェルディナン・セリーヌ


ギリシャ神話


養老孟司、竹内久美子


夏目漱石


ジュネ


中井英夫 (塔晶夫)


バタイユ


☆小・中・高校生へのお薦め本☆


ポー


今年読んだ本


ブロンテ姉妹


ミシュレ


澁澤龍彦


ウィリアム・ブレイク


ブコウスキー


ミルトン


ヘルマン・ヘッセ


コリン・ウィルソン


ドストエフスキー 関連本も


ヘンリー・ミラー


トーマス・マン


川端康成


ミラン・クンデラ


その他


フランツ・カフカ


オスカー・ワイルド


寺山修司


プーシキン


スティーヴン・キング


ロジェ・マルタン・デュ・ガール


三島由紀夫


加賀乙彦


田中一村伝


美輪明宏


モーパッサン


マルキ・ド・サド


生田耕作


マンディアルグ


阿川佐和子


アポリネール


ヘミングウェイ


ルイ・アラゴン


ラシーヌ


佐賀のがばいばあちゃん


カポーティ


藤田嗣治関連


阿部定事件


マーガレット・ミッチェル


コンスタン


トルストイ


吸血鬼関連


三国志


きもの


梁石日


井原西鶴


東電OL殺人事件関連


安倍公房


アンドレ・ブルトン


淀川長治


<映画の見方> がわかる本


グリンプス


フリッカー、あるいは映画の魔


河合隼雄


野球関係


立花隆


ポール・ギャリコ


中島義道


坂口安吾


業田良家


源氏物語


今日も映画日和、本と映画と70年を語ろう


トーキングヘッズ叢書


マルセル・プルースト


清水正


ガストン・ルルー


バルベー・ドールヴィイ


谷崎潤一郎


アルベール・カミュ


四王天延孝


泉鏡花


写本・グノーシス神話・ゾロアスター教


ジョージ・オーウェル


アイン・ランド


映画のページ


タランティーノ/キル・ビル関連


江戸川乱歩映画祭


恐怖・ホラー・サイコ系


吉本直聞


ベルトルッチ「ドリーマーズ」と1968年考


パゾリーニ


カール・ドライヤー


カサヴェテス


ウィリアム・ワイラー


ジャン=ピエール・ジュネ


ロジャー・コーマン


塚本晋也


ジャン・コクトー


ジャン・ルノワール


その他


キューブリック


ゴダール


クローネンバーグ


ケン・ラッセル


黒澤明


ヒッチコック


ロジェ・ヴァディム


エリア・カザン


フェリーニ


溝口健二


ヴィットリオ・デ・シーカ


ヴィスコンティ


男はつらいよ


ウディ・アレン


ヤン・シュヴァンクマイエル


ATG


大島渚


特別企画★日本映画監督協会70年の70本+1


トリュフォー


黒木和雄


吉田喜重


佐々木昭一郎


タルコフスキー


北野武


ジム・ジャームッシュ


勅使河原宏


悪名シリーズ


ベルイマン


市川崑


エド・ウッド関連


ロッセリーニ


マーティン・スコセッシ


フランク・キャプラ


ジャック・タチ


リドリー・スコット


特撮


アンリ=ジョルジュ・クルーゾー


新藤兼人


フリッツ・ラング


ロメール


ドラゴンボール


エヴァンゲリオン


ブルース・リー


Rozen Maiden ローゼンメイデン


マクロス


1997年スペイン旅行記


日本に対する嫌悪とスペインへの思い


マラガ到着


退屈な寮生活


セビリヤの旅


快適だったホームステイ


モロッコの旅


初めての一人旅 ~コルドバへ~


忘れられないグラナダ


忘れられないグラナダ (つづき)


グラナダに別れを告げ、バルセロナへ。


プラハ→ウィーン→ブダペスト旅行日記


旅前


旅中


旅後/関連話


棒いろいろ



映画


グルメ


ラーメン日記


ベルギー・オランダ旅行日記


Archives

December , 2024
November , 2024
October , 2024
September , 2024
August , 2024
July , 2024
June , 2024
May , 2024
April , 2024
March , 2024

Favorite Blog

露国防相が朝鮮を訪… New! Condor3333さん

楽しかったボイトレ… アラネアさん

騙す、騙される まろ0301さん

【重要なお知らせ】I… 楽天ブログスタッフさん

ユダヤが解ると真実… ごろにゃん2706さん

Comments

SEAL OF CAIN @ Re[1]:あけましておめでとうございます。(02/04) アラネアさんへ あけましておめでとうござ…
アラネア @ Re:あけましておめでとうございます。(02/04) えっと~、あけましておめでとうございま…
aki@ Re:#私を構成する42枚(06/28) この様な書込大変失礼致します。日本も当…
SEAL OF CAIN @ Re[1]:スマホケース(05/06) アラネアさんへ ビックリですよね! 好き…
アラネア @ Re:スマホケース(05/06) スマホケース、こんなにたくさんあるなん…

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: