なんちゃって妄想ワールド



「修学旅行かぇ、何処行こうかなー♪」「○○とかよくない?」とバスの中で楽しそうな会話を僕たちはしていた。
写真を撮ったり、菓子を食べたり、ゲームしたり。
みんな様々、自由にしていた。
しかし、途中のトンネルに入った時に僕たちの意識は朦朧とし、気を失った。

「うっ・・・、どうしたんだ俺・・・」
1人の男子が起き上がった。
「何処だ、ここ?」
彼は学校の教室のような場所に居た。
周りを見渡すと何人かのクラスメイトは倒れており、それ以外の人たちはみんな纏まりくっ付いていた。
「お、結城。目ぇ覚めたか」
彼の名は木村 勇。
そして、結城とはこの話の主人公、結城 啓悟。
2人は小学校時代からの親友だった。
木村はのんびりした感じで、結城とはマ逆の性格だった。
そんな2人だったから相性が良かったのだろう。
周りを見渡すと、見知らぬ生徒が2人。転校生みたいだった。

しばらくして、教室のドアが荒々しく開けられた。
そしてそこから入ってきた人はこのクラスの担任だった。
何故か彼は銃を装備している兵士らしき人間に守られている。
「やぁ、お目覚めかね?」
気が抜けた声で生徒たちに話しかけた。
「おい、ココ何処なんだよ!」
1人の生徒が訊く。
「あぁ、その辺は気にしなくてもいい。今から君たちに殺し合いをしてもらう」
担任が云った。
「なんなんだよ、それ!」「フザケンナ!!」などと罵声を飛ばした生徒がいたが、そんな奴らを相手にすることなく黙々と話し続けた。
「君たちは選ばれし者達だ。親の了承も得ている。問題はない」と。
さらに、
「まぁ、今からルール説明のビデオ見てもらうから、それでこの殺し合いのルール確認してね」
と云った。
「だから何なんだよ。何で俺たちが殺し合いしないといけないんだよ!!」
1人の生徒が云った。
クラスの中でもやんちゃしている郷田 武だった。
すると、
「君は人の話を訊いていなかったのか?さっき話した通りさ。分かったら黙って座っていればいい」
と云い返した。
ルール説明のビデオが再生され、生徒たちはそれを見始めた。
ビデオの途中に『首輪』という物が出てきた。
そこで担任はビデオを止め、
「ココまでで質問ある人いるか?」
と訊いてきた。
「首輪ってどういう時にどうなるんですか?」
生徒が質問すると、
「禁止エリア、島からの脱走など違反をしようとした時に爆発するんだよ」
と担任は冷静に云った。
「あ、あとな、これは3日間行われるんだ。3日経つまでに生存者1人にならなかった場合も爆発するよ」
そう付け足した。
そして、云う事を云った担任はビデオを再び再生させた。

ビデオが終了し、ルール通りに生徒1人1人に荷物が渡された。
「出席番号1番、因幡 ユイ」
生徒の名前を出席番号順に呼び始めた。
そして、呼ばれた生徒は荷物を受け取り外に出て行った。
「16番、日向 透」
訊き慣れない名前が呼ばれた。
鋭い目つきで冷酷そうな表情の彼はこのクラスに姿を現したのは初めてだ。
恐らく転校生だろう。
荷物を受け取り、他と生徒とは違い何も云わず去っていった。
「24番、三宅 慌」
これも訊き慣れない名前だった。
彼も転校生だろう。
彼の風貌は厳つそうな容姿で、帽子を深々と被っていた。
そして、
「29番結城 啓悟」
と結城の名前が最後から2番目に呼ばれた。
「俺は誰も殺したくない」と独り言のように小声で云い、スッと闇の中へ消えて行った。

結城が外に出ると、いきなり誰かが倒れていた。
それはあまり結城とは面識がなかった田中 瑞穂だった。
彼女はクラスの中でも大人しく、あまり濃いキャラではなかった。
「おい、大丈夫か!!」
結城は近寄り田中の身体を揺すった。
しかし、身体からは夥しい量の血が流れ出しており、息もしていなかった。「・・・クッ、誰が・・・」
結城が嗚咽を漏らした。
その時、
「エ、ヘヘヘッ。ぼ、僕だよ・・・僕が殺ったんだ・・・ヒッ」
とおかしな笑い声を出しながらこっちに銃を向け歩いてくる人影を肉眼で確認した。
その人物の顔を見て結城は驚愕した。
それは自分の親友、木村だった。
すると木村は、
「や、殺らなきゃ、ぼ、僕が殺られるからね・・・。ぼ、僕は生き残るんだ・・・ヒッ」
・・・もう彼は頭の中がパニック状態だった。
そして、このゲームにのり、自分以外の敵を全滅させることにより自分が生き残る道を選んだ。
「運良く武器が、じゅ、銃だったからね・・・。き、君でも勝てないよ・・・」
木村は云った。
もう彼を止める事は無理なのか・・・ココにいると言う事は人を待ち伏せしていたということだ。
確かに木村は喧嘩が弱かった。
でもこんな事をする奴ではなかった。
このゲームが彼を変えてしまった・・・説得できるのか?
結城は自分の中でパンクしそうなほどの膨大な量の事を考えていた。
そして、
「勇、今なら引き返せるよ。俺と一緒にこのゲームを終らせよう」
と呼びかけた。
すると、
「ヒッ・・・命乞いか??お、お前も弱くなったな・・・ヒャヒャ・・・」
と答えた。
やはり無理か・・・そう思った時だった。
木村は「ウグッ・・・」と云い、その場に倒れた。
「痛いっ・・・痛いっ・・・」
もがき苦しむ木村。
「大丈夫か!!」
結城は傍に寄った。
木村の背中には手投げナイフが刺さっていた。
いきなり銃声が聴こえた。
とっさに物陰に隠れた結城。
するともう1度銃声が聴こえ、それとほぼ同時に「ガッ・・・」と生々しい声が聴こえた。
その銃から放たれた銃弾は木村の頭を捕らえ、木村は動かなくなった。
「う、うわーっ!!」
結城は獣のように叫び木村の元へ駆け寄った。
「勇っ、ゆうぅぅぅ!!」
叫び続ける結城。
あの時自分だけでなく彼も連れて一緒に隠れていたら彼も助かったかもしれない・・・。
自分の事しか考えられなくなっていた・・・。
そこに1人の男が現れ、
「お前を試させてもらったよ。懸命な判断だったな」
と云った。
誰だ・・・その男の顔を見てみると、見知らぬ顔だった。多分転校生の2人のどちらかだろう。
「1発目の威嚇射撃。あれで反応しなかったら俺はお前も殺すつもりだった。今回は楽しめそうだな。お前は最後まで取っておくことにしてみるよ」
そう軽々しく云い、さらに
「俺は前回優勝者の三宅だ。フフッ、お前はまだ荷物の中身を見ていないようだな。その鞄を持って身軽く動けるところから見ると大した武器ではないな。まぁ、一応見ておけよ」
と云った。
「最後まで生き残ったらまた会おう。まっ、生き残るのは俺だがな」
付け足す様に云い放ち、闇の中に消えていった。
・・・何なんだ、あいつは。
このゲームを楽しんでいる様に見えたが・・・
そういえばあの男が「鞄の中身は確認しておけ」と云っていたのを思い出した。
鞄の中身を確認した。
中身はパン、水、この島の地図、磁石、そして武器だと思われる物・・・何だこれ・・・コンセントの延長コード?
「これでどうしろって云うんだ・・・」
そんな事を考えた。
そして、森の隅に木村の亡骸を移動させ、悲しみがこみ上げてくるなかそれをガマンし、近くにあった花を傍に添え、
「俺、このゲーム、絶対に止めさせるからな」
と云い結城はまずクラスメイトを説得するために移動を始めた。

残り28/30人

※この物語はフィクションであり実際の人物・団体・地名などとは関係ありません

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