なんちゃって妄想ワールド(Repetition)17


「長旅ご苦労だったな」
リーチが感情のこもっていない云い方で云った。
「報告は後ほどでいい。ゆっくりと、とはいかんが休んでくれ」
休めという事は、艦から降りてくるなという事だった。
仕方なくクルーたちは艦の自室や休憩室にて休む事になった。
いつも通り休憩室には少年たちの姿があった。
ただ1つ違う所はマサキの姿がないことだ。
「艦内にて待機、ってここ本国だろ?何で降りれないんだろ」
ケンが疑問に思っていた事を云った。
「さぁ。確かにおかしいよな」
ヒシンも同感した。
「まだ信用されてないんだろう。エクアルの艦も一緒にいたんだ」
クシィが正論のような事を云った。
「でもさぁ、一応同盟国だぜ?何だかなぁ」
整備士や戦闘員には深い情報は入ってこない。
クルーには疑問が増え続けるだけだった。
そこへ、マサキに食事を渡しに行っていたミクが戻ってきた。
「あいつ、どうだった?」
「ご飯も食べる気配なかったし、ずっと寝たまんま」
マサキの食事係としてミクは毎食毎にマサキと会っている。
しかし、会話を交わすこともなく、話しかけて食事を置いて行くだけだった。
「どうなるのかな、マサキ・・・」
ミクが心配そうに云った。
「下手をすれば軍法会議にかけられるかもしれないな」
「やな事云うなよ」
皆はクシィの云った事が起きないようにと願う事しか出来なかった。

モノトーンからセイントへと戻ったショーイとシュウ。
下船許可を得ていないので、ドサクサにまぎれての帰艦だった。
「シュウ、かなり参っているみたいだ」
ショーイがアイに報告する。
「やはり振り切れていなかったようね。どうするつもり?」
アイはシュウをこれからどうするかショーイに訊ねた。
「もし、戦いたくないと言うならば、あいつの為だ。艦を降りろと俺は云うよ。だがあなたがこの艦の指揮官だ。最後はあなたが決めてくれればいい」
アイは頭を抱えていた。

何時間か後、リーチより3隻の指揮官の招集がかかった。
モノトーンからは艦長と副艦長。セピアからは艦長と隊長のジン。そして、セイントからは艦長のアイとショーイが呼び出された。
「ここの上官と会ってもらう。議長は現在いらっしゃらないのでな」
リーチはさらに続ける。
「これまでの報告はもちろん、君たちエクアル軍の事も調べねばならん。良いな」
話を訊きながら一同は歩いて行く。
そして、会議室へと着いた。
その部屋の中には、SIRN本国の上官数名がすでに待っていた。
上官たちの前に整列し、話が始まった。
ジンとアリスがこれまでの報告をした。
アリスはこの時マサキの事は黙っていた。
ショーイの忠告を受け入れたのだ。
次にエクアル軍の事についてアイとショーイが報告した。
「なるほどな。何隊か派遣してきてもらったが、君らが一番有力なようだな」
その後も小1時間程度報告などがされ、そして解散した。

会議が終わり、リーチはある部屋へと向かっていた。
「マザー。連合は動きそうですか?」
マザーと呼ばれた女はゆったりとした口調で答えた。
「えぇ。恐らくここが戦場ね」
「我々も彼らを招集して行動に移りますか?」
「そうね。でも、あまり目立たないように」
女は忠告した。
リーチは微笑し、こう云った。
「彼らがそれを素直に受け入れますかね」
SIRNの裏で何かが動き始めた。

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