なんちゃって妄想ワールド(Repetition)21


「敵艦隊、射程内に入ります」
「照準合わせ。目標敵艦隊、てーっ!」
艦長の号令と共に主砲が放たれた。
それに続き他の艦も次々と撃っていく。
それが直撃し、沈んでいく敵艦の姿も何隻かあった。
「あんな少数艦隊で何が出来るという」
ヒューヂの艦長が全艦に命令し、一斉に攻撃を開始した。
「回避ーっ!」
うまく避けれた艦もあったが、沈んでいった艦もあった。
そこに、1隻の艦から残存部隊に通信が入った。
「SIRN軍は本艦の射程内より退避して下さい」
それはセイントのアイだった。
云われるがままに射程内より退避して行くSIRN残存部隊。
「何だ」
連合はSIRNの考えが解らなかった。
「超広範囲インパルス砲照準。目標、敵艦隊」
オペレーターにアイが指示を出す。
「使いたくはなかったけど・・・総員、対ショック準備、急げよ」
セイントの艦首から2本の砲口が姿を現した。
「超広範囲インパルス砲、てーっ!!」
号令と共に砲口にエネルギーがたまり、それは連合艦隊に向けて放たれた。
その放たれた光に飲み込まれていった艦は次の瞬間には残骸と化していた。
「なぁっ・・・」
ヒューヂ艦内でもその悲惨な光景が目の当たりにされていた。
その光は艦隊の過半数の戦力を奪い、連合もSIRNと対等の力ほどしかなくなった。
その力を目の当たりにして驚いていたのは連合だけではなかった。
SIRNオペレーションルームでは、これは脅威だという声もあがった。
連合は焦ったのか一気に制圧へかかった。
次々と射出される射出艇。陸に向かって放たれた。
SIRN残存部隊はそれに気付き沈め始めた。
しかし全てを沈めきる事は出来ず、最終防衛ラインも突破された。

その事が本部に伝わり、歩兵隊も出撃になった。
海岸沿いから次々と侵攻してくる敵軍。
それを全て抹殺すべくSIRNの歩兵隊は突撃した。
連合兵の中には実戦投入されたフルの姿もあった。

モノトーンとセピアは残りの連合艦隊及び巨大空母の撃沈の行動に移っていた。
それに1隻の艦が妨害をするように現れた。
「あれは・・・」
見覚えのある艦だった。
ライジン。過去何度か戦闘を繰り返した艦だった。
「セピアは他の艦と殲滅戦へ移行してください。我々はこの艦を」
「貴艦のみで大丈夫か」
セピアの艦長に気遣われたが、
「ご心配なく」
とアリスは答えた。
ライジンも因縁のある艦を前に覚悟を決めていた。
「追跡魚雷、2,4,6番管一斉に、てーっ!」
モノトーンに向けて放たれた魚雷を、濃い弾幕を張り全て撃ち落とした。
「両弦主砲標準。目標敵艦、てーっ!!」
ライジンはそれを回避しようとした。
しかし、右舷に1発が直撃し、火災が発生した。
「第4ブロックで火災発生!」
「くっ、慌てるな。ブロックを封鎖しろ!」
トミィは慌てずに指示を出す。
「主砲照準!遅れるな!」
ライジンからも主砲が放たれ、それがモノトーンの艦首に直撃した。
大きな振動が起こる艦内。
しかし、アリスは落ち着いて次の指示を出した。
「一斉射撃ですか!?」
「一気に決めるわよ」
アリスは本気だった。
まさかこの状況で、といった他のクルーを尻目に号令をかける。
「全弾放てぇ!!」
突如敵艦から放たれる膨大な量の攻撃に、ライジンは対処できなかった。
当然撃ち落す事も出来ず、ほとんどが艦に当たった。
「・・・総員、退艦命令」
トミィが下した苦渋の選択だった。
「急いで!!」
クルーはみなビクッとし、指示に従い脱出艇に乗り込んだ。
「艦長!敵は艦を放棄する模様です」
次々と敵艦から射出される脱出艇。
ふぅと一息をついたその時、ブリッジの空気は一気に変わった。
「か、艦長!!敵艦、本艦に向け前進中です!さらに加速しています!!」
「何ッ!?くっ、回避行動急いで!!」
緊張が走るブリッジ。
「駄目です、間に合いません!!」
泣きそうな声で叫ぶ操縦者。
次の瞬間艦内に大きな衝撃が襲った。
各箇所で次々に起こる爆発。
もう、艦を破棄するほか手立てはなかった。
「総員退艦!!」
クルーは急ぎ、脱出艇にてほとんどの者が脱出した。
2隻の艦が合体した無残な姿に変わり果てた母艦の沈む姿を、ただただ見ているしか出来なかった。
ライジン艦長のトミィの最期の仕事により、モノトーンは沈められた。

なんちゃって妄想ワールド(Repetition)23へ

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: