なんちゃって妄想ワールド(Repetition)24


「残りも沈むのが時間の問題だろう」
ジークが何か悲しそうに云う。
そこに、オペレーションルームからネガに通信が入った。
その内容を訊き、ジークは反論した。
「んな馬鹿な話があるか!あの艦は見方だぞ!!」
「そんな事は分かっている。だが、アレを残しておけば後に脅威とならん事間あるまいが」
セイントの隠し装備を目の当たりにしたSIRN幹部は、海上の敵を殲滅した今、自分の敵とならんとも限らん同盟国の艦の撃沈を命じた。
「逆らうと云うのかね。ん?」
挑発的な幹部の態度に少々怒りを露にしたが、抑えてこう云った。
「・・・了解しました」
自分の軍が正義と信じ、これまで任務を遂行してきた。
今になってそれを疑ってしまうと、何を信じたらいいのか分からなくなってしまう。そう思ったからだ。
セイントはSIRNの艦がこちらに向かっていることに気付いた。
「何かしら・・・」
残ったSIRN軍艦で動けるモノがセイントの方へ向けてきている。
そこにネガから通信が入った。
「同盟国軍艦セイントに告ぐ。現時点を持って同盟を破棄。貴艦を攻撃する」
突然意味の分からない事を云われ、アイは動揺した。

本国でもいきなりの申し出に抗議をしていた。
しかしSIRNは手を打つのが早く、エクアル周辺の海域はすでに包囲されていた。
「SIRNとて本国が危ういという状況下で何故わが国を・・・」
バレィはどうにか対処法を考えようとしていた。
「国防としてSIRNに反撃するしかないでしょう!」
1人の議員が云う。
「しかし、そんな事をするとSIRNとの全面戦争も避けられなくなる!」
バレィは反論したが、
「では何か策があるので?」
と云われ、半ばその意見で会議が終結しようとしていた。

SIRN艦からの一斉放射を受け、動けないセイントは手を打つう術がなかった。
「もう、覚悟を決めるわよ」
アイは何かを吹っ切ったかのようにそう云った。
「決めるって、艦長?」
「バレィ議長の権限ももう無いに等しいわ。きっとSIRNとも争う事になる。なら・・・」
アイの『きっと』と云う言葉が引っかかったが、抵抗するしか自分たちが生き残る事は出来ない。
「2射目充電完了までは?」
アイはまたあの兵器を使おうとしていた。
「あと5分ほどで動けるようになるかと思われます。それから3分後に充電完了です。しかしそれまで耐え切れるか・・・」
それを訊き、アイはひたすら耐えるしかないと思った。
「弾幕張って!被害は最小限に抑えるのよ!手の空いてる人は銃座について!」
次々に指示を出すアイ。
クルーたちも覚悟を決めていた。

連合とSIRNの兵士たちが戦闘を繰り広げている。
そこに、仮面をつけた4人組みがした入ってきた。
軍服はSIRNの物だった。が、その4人組は連合・SIRNを問わず見つけた者を全て倒していく。
「な、何だお前たちは!!」
抵抗する間もなく瞬殺されていく両軍の兵士。
「ハハハ、すーぐ楽にしてやるからよぉ」
右手に鋭利な刃物が爪の様についている武器を使う仮面の兵士が云った。
『岩斬相殺爪』という武器で、少しクセがあるため使うものはほとんどいない。
いきなり現れた意味のわからない敵から逃げようとその場を駆け出す兵士の前に、全身を鎧で固めた大きな男が立ちはだかった。
巨大な斧のような武器を一振りし、それが周囲の敵を相殺した。
一瞬で倒されていく味方と敵の姿を見てマサキとクシィがそいつらに向かっていった。
ショーテルで爪を使う仮面の男にマサキは襲い掛かった。
男はそれを受け止め、投げた。
「野郎っ!」
中々強い敵に、一筋縄ではいかないと感じた。
1つのショーテルを敵に投げた。
仮面の男は回避し、体勢を立て直そうとした。
そこに間合いを詰めてきたマサキが男に向け、もう1本のショーテルで斬りかかった。
避け損ねた男の仮面に攻撃が当たり、仮面の半分が割れ、その場に落ちた。
深く刻まれた眼の傷。それには見覚えがあった。
「あなたは・・・」
そこにいたのは、以前親切にしてもらったファーストだった。
「まさか、ね。君とはやり合いたくなかったよ」
戦場という場所で敵として2人は再び出会った。

集中砲火を浴びるセイントは機動時間を迎えた。
「よく持ってくれたわ。反撃、いくわよ」
回避行動をしつつ、的確に照準を合わせSIRN艦に当てていく。
「充電完了まであと2分!」
ミクがカウントダウンに入った。
手を休めることなく攻撃してくる艦隊に、異様な強さで反撃するセイント。
「やはり我らの脅威となるか、君たちは!!」
ジークが通信を切らずにアイに云った。さらに、
「中立などとぬかし、こんな兵器まで造り!!」
と怒りをぶつけてきた。
それを訊き、アイはおかしいと思った。
「ジークさん。この艦はSIRNから移譲されたものです」
反論するアイの言葉にジークは戸惑った。が、
「SIRNの技術はその様な物を造るに至っていない」
と云った。
下手な嘘をつくな、といった風に再び攻撃を開始する。
ふとジークはあることを思い出した。
あの艦のクルーに元部下のスゥがいると訊いた事があった。
「艦長。私も出てくる」
いきなりそう云ってブリッジをあとにした。

仮面の集団の中で、爪使いと斧使いよりも目立っていたのは残りの2人だった。
1人は長い髪をなびかせながら、何やら光の線を手から出している。
その光が人の体の上で動き回ったあと、その人が急に切り刻まれたようにバラバラになっていった。
『レーザークロー』という仮面の集団が行き着いた技術だった。
医療応用されているレーザーメスの実戦向きの軍用武器に改良されたものだ。
さらに、その長い髪の仮面は奇妙な形の銃を抜き、1人の兵士に向けて放った。
命中した兵士は急に体が膨れ上がり、破裂し、緑の液体を散布した。
それが周囲の兵士たちのかかり、その兵士たちも同じように破裂した。
『パラサイト』と名付けられたその銃は、何やら独自に開発した感染ウイルスを体内に注入させ、一瞬で体を蝕ませるみたいだ。
もう1人の仮面の人物は『スティック』と呼ばれる武器で敵をなぎ倒していく。
その名の通り杖で、先に数本の刃が付いている。
その時、大量の敵がその人物に襲い掛かった。
「フッ。愚かな奴らだ」
仮面の人物の手のひらに何かが溜まっていく。
そして、それを敵兵に接触させた。
その瞬間、大きな爆発音と共に、その場にいた仮面の人物以外の兵士が消滅した。
「開戦だ」
そう云ってその脅威は次の標的のもとに向かっていった。

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