なんちゃって妄想ワールド(Repetition)26


「何で、何であなたのような人がこんなことを!!」
マサキがファーストに問いた。
「そんな事君は知らなくていいんだよ」
前会った時の様に優しい口調で答えた。
そんな答えで納得するはずもなく、マサキはさらに問いただす。
「知りたいとかじゃないんだ。あなたの様な人が何故軍に背くような事を!」
ファーストはやはり優しい口調で答えた。
「軍。そんなモノには興味ないよ。僕らは全ての人間を滅ぼしたいんだ」
そこから先は答えようとせず、いきなりマサキに襲い掛かった。
ショーテルで防御しかしないマサキ。
「君がよければこちら側にこないかな」
激しい攻撃をしながらマサキに云う。
「ふざけるな!あなたたちが考えてる事は」
マサキはファーストを振り払い間をおいた。
「なら僕は君を倒さなければならなくなる。君も、僕も苦しくなるだけだろう?」
ファーストが説得するようにマサキに云う。
マサキはファーストと戦いたくなかった。
だが彼の攻撃は止む事がない。
そこに、他の敵兵を片付け終わったクシィが来た。
「何をやっている、マサキ!」
クシィは構わず大ガマで攻撃した。
「君はあの時彼といた子だね」
ファーストは回避し、クシィに襲い掛かった。
素早い攻撃に瞬時に対応し、回避するクシィ。
「マサキ!お前は何もせずにここで死ぬ気か!!」
クシィの言葉でハッと我に返ったマサキ。
そして、ファーストにこう言い放った。
「あなたがこれ以上そんな事に手を貸すというなら、俺は!」
何かを吹っ切ったかのように一気にファーストとの間合いを詰める。
いきなり動きの変わったマサキに少々焦ったが、どうにか耐えしのぎ次の行動へ移った。
マサキとクシィの攻撃に多少押され気味のファーストだが、2人は彼に攻撃を当てることができない。
2人がファーストの左右に散開した。
マサキが左からショーテルを投げ、クシィが右から斬りかかった。
ファーストはクシィの攻撃には対処できたが、マサキの攻撃には対応できず、腕で防御をした。
左目が見えないファーストにとって、左側からの攻撃には反応が遅れてしまう。
ショーテルが腕に刺さっているのに、血の一滴も流れていない。
「なっ・・・?!」
ファーストは左腕の軍服を破り、その腕を露にした。
そこにあったのは人間の腕ではなく、人工的に作られた金属の腕、義手だった。
普段は手袋をしていて見ることが出来なかった。
「ネタばらしも終わりだ。さぁ、終わらせようか」
ファーストはまずマサキを狙った。
クシィも後ろから攻撃をしたが、難なく回避され、弾き飛ばされた。
1本のショーテルでファーストにかかるマサキだったが攻撃は当たらない。
左側には回らせてくれない。
「そうだ、そろそろ時間だよ。もうすぐ世界は滅びる」
その言葉を訊き、一瞬その場の時間が止まった。

セイントは最後の抵抗に出ようとしていた。
「充電完了しました」
しかしアイはすぐに兵器を放たなかった。
その理由は簡単だった。
艦隊を出来るだけ一部に集めさせたかったからだ。
「もう少しひきつけるのよ。チャンスはくる」
アイは冷静に指示を出した。

ジークは敵兵を倒しながら戦場を駆けていた。
そして、その目の先にスゥの姿を確認した。
スゥも何か気配を感じて後ろを振り向く。
そしてジークの姿を見た。
彼はスゥの前に来て、
「部下の始末は自分でしなければなるまい」
と云った。
いきなり現れたジークの言葉の意味が分からなかった。
「隊長・・・何を・・・」
「SIRNはエクアルとの同盟を破棄した」
その知らせにスゥとショーイは驚愕した。
「そんな・・・スタンド議長がそんな事するはずが!」
信じられない事態にショーイはジークにあたる。
「エクアル軍艦及びそのクルーを抹殺せよ。それが命令だ」
ジークが銃を構え、銃口をスゥたちに向ける。
その後ろから杖を持った仮面の男がジークに殴りかかろうとした。
ジークはそれに気付き寸前で避ける。
振り向き際に引き金を引き、銃弾を放った。
避け切れなかった仮面の男の仮面に銃弾が当たった。
割れた仮面の中から出てきた顔はリーチの物だった。
「リーチ・ブエル大佐だな。いずれ敵となる男だとは思っていたよ」
ジークはその顔を見て云った。
「ジーク・マクナルドか。食えない男だな」
リーチがスティックでジークに攻撃する。
「どうせ皆ここで死ぬ。私もも、貴様も」
「何をっ!!」
SIRNで5つの指に入ると謳われる2人の戦いに、スゥはただ唖然としていた。
「冥土の土産だ、教えてやる。我々は両軍に1つずつ鍵を渡した」
「何の話だ!」
戦闘を繰り広げながら会話を交わす。
「連合がSIRN艦隊を壊滅させた兵器。エクアルに渡したあの艦」
ジークはハッとした。
アイはSIRNから艦を移譲されたと云っていた事を思い出したからだった。
「エクアルは2射目を放つさ。するとあの艦はほぼ使い物にならなくなるだろう」
攻撃の手を休める事無くさらにリーチは続ける。
「使えないものはタダのゴミと化する。ゴミは処理しなければなるまい」
「どういうことだ!」
ジークはリーチに訊く。
「あの兵器の動力源。何だと思う?」
その言葉を訊き、ジークはリーチに向け叫んだ。
「核か!!」
正解だった。
リーチは笑いながらこう云った。
「もう止める術などない。世界は滅びる!!」
だが、ジークには1つの方法が頭の中にあった。
SIRNが全精力をそそぎ完成させたシステム『ニュークリアスキャンセラー』。
核兵器の効力を発動させないという核の対処法だった。
連合が核を使用しなかったので使われることは無いと思われていたが・・・
「間に合え!!」
ジークは司令塔目指して走り始めた。
リーチは自分に背を向け逃げ出した敵を追おうとした。
しかし、横から飛んできた1本の矢によってそれは阻まれた。
「隊長!急いで!!」
スゥがリーチの足止めをしようとした。
ジークは元部下に「頼む」と言い残し走り去った。

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