なんちゃって妄想ワールド(Memory)2


現状は安定しており、平和な生活が送れている。
市民も連合に守られているという安心感により、戦争が行われているという事は、微塵も感じていない。
そこに彼はいた。
1人の青年が道を歩いていた。
「おーい、セナぁ」
後ろから青年の名前が呼ばれた。
彼は『セナ・ケレイト』19歳。
自分の名前が呼ばれたのに気付き、後ろを振り向く。
「あ?なんだよ」
荒い口調で返事をし、声の主の方を向いた。
「今からよぉ、赤龍連合と喧嘩すんだ。来ないか?」
そう言ったのが彼の友人、『ファイ・スパー』だった。
19歳の男。
黒髪の長髪で、いつもヘアバンドをつけている。
「なるほどねぇ。そろそろあいつらを殺しとかねぇとって思ってたとこだ。行くぞ!」
実は、セナを含めその数人の友人というのは、筋金入りの不良だった。

破棄された工場に、セナの仲間と相手のチームが集まっていた。
「お、セナ来てくれたんか」
仲間の1人が言う。
「俺いなけりゃ負けんぜ?」
彼は、この状況下で冗談を言える余裕があるほどの大物だった。
セナの仲間の人数は10人程度。
そして、相手の数は30人を超えるほどの人数だった。
「さっさと始めっぞ。秒殺だ」
そう言って、その場に落ちていた鉄パイプを拾い、敵の方へ突っ込んで行った。
相手も一斉にセナたちに向かって行く。
「おらぁ、どけぇ!!」
セナは怯む事無く突進し、鉄パイプで思い切り殴っていく。
相手は負傷し、その場に倒れていく。
ファイも、自分の愛武器であるメリケンを使い、あいてを殴り倒していく。
「セナの出る幕じゃなかったかもなぁ!」
「ケッケ、余裕こいてんじゃねぇぞ、ファイィ!」
10数分後、セナたちは圧倒的な力を見せつけ、勝利した。

喧嘩というか、戦争を終え、自宅の前に着いた。
「セナ、明日彼女んとこ行くんだろ?」
ファイが訊いた。
「あぁ。この大変な時にどうかとも思ったんだが」
「まっ、気ぃつけて行けよ。じゃあな」
セナはファイと別れ、家の中に入った。
すると、すぐに2階へ上がり、自分の部屋に入った。
彼は今独り暮らしで、両親が帰ってくるまでこの家を任されていた。
セナは自室の中にあるピアノの前に座り、楽譜を取り出した。
「マイ。明日行くからな」
そう言って、すぐにベッドの中に入った。

翌日、ユウキたちは出撃の準備をしていた。
今回の作戦は2人1組のチーム編成になっていた。
割り振りは、「ユウキ&ミヤケ」「ナツメ&ジーク」「メディナ&ティア」となっていた。
「まずは市民の誘導か。面倒だな」
ミヤケが言った。
「もう、なんでコウと一緒じゃないのよ!」
ナツメがなにか文句を言っている。
「雑談はそこまでだ。行くぞ」
ジークが言い、6人はとうとう上陸した。

連合カラカス基地では、緊急の事態に慌しくなっていた。
「市街地から侵攻だと!?戦艦の数は!!」
「判りません!」
「SIRNめ・・・。守備隊に迎撃させろ!!」
連合の基地から兵士たちが続々と出撃して行った。

「ナツメたちはあっち、ティアたちはこっちな。俺たちが中央から行く」
「了解」「わかった」
ユウキが指示し、3チームはバラバラに行動を開始した。
「SIRNが来たぞー!早く逃げろー!!」
市民たちがパニックを起こし、逃げ惑っている。
「まずいなぁ。どうする?」
「どうするって、どうにかするしかないだろ」
ユウキとミヤケは市民たちに呼びかけた。
「みなさん、落ち着いてください!我々はこの街を侵略しに来たわけじゃありません!」
必死の呼びかけも、周りの騒音でかき消される。
「チッ、何か方法は」
ミヤケが舌打ちした。
そこに、母艦から放送が始まった。
それは市民を説得する内容だった。
敵ではない、避難用の艦が用意してある、すみやかに非難しろ。
まとめれば、この様な事だった。
やっとの事で市民の一部がこれを聞き、避難船に向かって行った。
「ミヤケ、手分けしよう。俺が右から残った人たちを」
「わかった」
2人は手分けをして、残った市民を非難させに行った。
「すみやかに避難船へー!」
ユウキが走りながら呼びかける。
その時、彼の耳にピアノの音が聞こえたような気がした。
「ピアノ・・・?」
耳を澄まし、もう一度音を拾おうとする。
すると、また聞こえた。
「こっちか」
ユウキは音の聞こえる方へ向かった。

ユウキはピアノの音の発信源を突き止め、ある家の前に立っていた。
「第九・・・?」
ピアノの奏者は相当練習しているのか、とても上手かった。
ユウキはその家の玄関を開け、中に入った。
「2階か」
音の聞こえる2階へ向かう階段を上った。
そして、その部屋の前に立った。
すぐにドアを開け、中を見た。
すると、そこには1人の青年がピアノを弾く姿があった。
「おい、避難勧告が聞こえなかったのか。早く避難しろ」
ユウキが青年に言った。
青年はピアノを弾くのを止め、後ろに振り返った。
「誰だぁ?人が気持ちよく演奏してるってのに・・・」
青年は、セナだった。
両者が互いの顔を見た時、2人は同じ反応をした。
「なっ、お前は・・・」「あぁ?!あんたは・・・」
2人は初対面でないようだった。

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