なんちゃって妄想ワールド(Memory)3


「俺の家だぞ!何でアンタがこんなとこに!」
ユウキは驚いた様子で彼を見て、ため息を吐いた後に言った。
「まさかこんな所で再会するとは。今はそれどころじゃないんだよ。避難勧告、聞こえなかったのか?」
「避難勧告?俺は今から出掛けんだぜ?」
話を聞いているのかいないのか、セナの返事は答えになっていなかった。
これでは埒があかないと思い、ユウキはセナの腕を引っ張った。
強引に連れて行かれそうになった彼は、流れるがままに行きながらユウキに訊いた。
「おい、何処行くんだよ」
「避難船まで走れ。理由ならそこにいる人にでも訊いてくれ」
早くミヤケたちと合流をしたいユウキは、テキパキと行動していく。
「てかよぉ、軍服着たあんたが街にって。何しに来たんだ?」
いい加減話を聞いていないらしい。
ユウキは怒鳴りそうになったが、堪えて家の外に出た。
「さぁ、港へ走れ。でないと逃げ遅れるぞ」
「逃げ遅れ?だから何で逃げなきゃいけねぇんだよ。俺は今から出掛け」
その時、ユウキは咄嗟に何かを感じた。
建物の上を見る。
すると、銃を構えて今にも撃ちそうな連合の兵士がいた。
「チィッ」
ユウキは舌打ちをし、右太股のホルスターに手を伸ばした。
彼は驚愕した。
「えぇぇぇぇぇー?!!」
ホルスターに銃がなかった。
次の瞬間、銃声が聞こえた。
続けて、ドサッと何かが倒れる音がした。
ユウキはゆっくり目を開けて、辺りを見た。
自分は撃たれていない。
上を見上げると、建物の屋上で、人が倒れているようなモノが見えた。
「ふぅー。腕は鈍ってなかったみたいだな」
咄嗟に隣を見ると、自分の銃を持ち、カッコをつけているセナが立っていた。
銃口からは煙が出ている。
今の銃声は、あの銃から発せられたものだろう。
「お前・・・それ、撃ったの?」
「おぅ!」
ユウキは唖然とした。
そして、さらに訊いた。
「お前が人を殺したの・・・?」
「うーん、死んだかどうかはわからんけどね」
ユウキは愕然とした。
「君はもう軍人じゃないんだぞ!民間人だ!それが銃で人を殺したって」
「何か問題か?」
「大有りだ!!」
惚けたセナに、ユウキが怒鳴り声を上げた。
「・・・もういい。お前は家にいろ。あとから迎えに来る。絶対に出るなよ」
そう言い残して、ミヤケたちと合流する為に走った。
「一歩も出るな、ねぇ。その民間人に銃を持たせておいて?」
ユウキは彼から銃を取り返していなかった。

ユウキはミヤケたちと合流した。
「遅いぞ!」
「ごめん!」
ジークに叱責され、ユウキはそのまま戦闘に入ろうとした。
その時気付いた。
「げっ!」
銃を返してもらうのを忘れていた。
仕方なく予備の銃を取り出し、ようやく戦闘を開始した。
「何やってたんだ?」
ミヤケがユウキに訊いてきた。
「いや、まぁ色々と厄介な事に遭遇して」
彼の答えに、ミヤケは理解が出来なかった。

徐々に基地の方へ侵攻して行き、連合は撤退を始めた。
「最後の詰めだ!気を緩めるな!」
「了解」「わかった!」
ユウキたちは最後の追い込みを始めた。
まだ姿の見える敵を、片っ端から叩いていった。
その時、一同に衝撃が襲った。
「メディナ!!」
ジークが叫んだ。
彼女の真横から、潜んでいた連合兵が銃の照準を合わせていた。
メディナは回避をしようとし、他のメンバーが敵を撃とうとした。
しかし、間に合わない。
「間に合ええぇぇ!!」
ティアが銃を撃った。
だが、それは的を射ず、建物の壁に当たり兆弾した。
辺りの空気が寂寞としたものになり、全ての音が消えたようだった。
そこに一発の銃弾がその連合兵を射抜き、兵士が倒れた。
一同が弾の飛んできた方を見る。
すると、そこにはある人物が立っていた。
「ヘッヘッヘ、2つ目ゲッチュ~(死語)」
「・・・、バカ」
ユウキが自分の顔を軽く叩いた。
「あれって」
「んー??どっかで見た事あるぞー」
ミヤケとナツメが目を凝らしてその人物を見る。
「おっ?懐かしい面が揃ってんじゃねぇか。ヨッ!」
それはセナだった。
ミヤケがさっきから行動が変なユウキを見て、訊いた。
「どういう事だ?知ってるんだろ」
「あとで話す・・・」
その時、連合の撤退が完了し、母艦から戦闘終了の信号弾が撃たれた。
ユウキはセナの方へ歩いていき、目の前に立った。
「一緒に来い・・・」
呆れた上、困り果てた様な感じになっていた。

なんちゃって妄想ワールド(Memory)4へ

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: