なんちゃって妄想ワールド(Memory)4


港には、SIRNの戦艦が数隻停泊している。
ユウキはセナを連れて歩いていた。
そして、現場で指示を出しているロンの所へ来た。
「隊長」
ユウキが呼び、ロンが車椅子を後ろに向かせ、振り返った。
「ご苦労だった。ん?民間人か。君とは会った事があるような」
ロンは悩んだ。
そこに、ピットが言った。
「あー!こいつ、セナ・ケレイトですよ。スクールで問題児だった」
セナは何やら有名人らしかった。
「そうか、俺の教え子だったな。・・・あぁ?!何でこんな所にいる!!」
ロンがやっと気付いた。
「あ、いや、私が説明します・・・」
ユウキが恐縮そうに言った。
セナに出会ってからの経緯を、正確にロンに伝えた。
「お前にも落ち度があったのか」
「すみません・・・」
ロンとピット、ユウキがため息をついた。
「民間人が戦闘に参加し、人を討った。大問題だぞ」
ロンがセナに事の重大さを改めて伝えた。
ユウキがセナの方を見る。
「今、お前には2つの選択肢がある」
セナとユウキがロンの方を見る。
「2つ?」
「そうだ。1つは第一級犯罪者として刑を処せられる。2つ目は、お前が戦闘参加前に軍に復隊を志願していたとし、復隊する」
セナが驚いて、こう言った。
「犯罪者になるのもゴメンだが、軍に戻るのも無理だ」
彼はロンに向かってタメ口で反論した。
「セナ!」
ユウキが強く注意する。
「どちらも無理、というのは自分勝手が過ぎるな」
ロンが呆れた様に言った。
「セナ、復隊しろ。そうでなければ殺されるぞ」
ユウキが説得をした。
「だが、俺は」
セナが何かを言いかけた時、ロンが発言した。
「まっ、お前がどう言おうと、復隊させる。俺も処分を受けたくないしな」
周りの3人が、その言葉に唖然とする。
「決定だって」
「ちょ、そんなぁ」
セナのSIRN入隊が決定した。

ユウキがセナを連れてサミズ艦内を歩いていた。
ロッカー室に入り、何かを探し始めた。
「おっ、あった。これどうだ?」
そう言って、ユウキが軍服を投げた。
セナがキャッチし、広げてみた。
「あのさぁ、こんなノリで軍服なんて渡していいんか?」
「知らん。隊長がそうしろって言ったんだ」
またロンのいい加減さが発揮されていた。
セナは軍服に腕を通し、ポーズを決めた。
「またこんなモンを着る事になるとは」
彼はブツブツと文句を言っている。
「そういえば、あんたの隊の隊長って、テムジン教官なのな」
「あぁ。よかったな、知り合いが教官で。でも敬語を使え、敬語を」
セナが言った言葉に、ユウキが付け足して答えた。
「復隊おめでとう、とでも言っておこうか?」
「やめろ」
ユウキが茶化した。
セナは以前、SIRNの兵士養育学校、通称『スクール』にいた。
そう、元々SIRNの兵士になるはずだった。
だが、スクール卒業後、急に軍を辞めると言い、それ以降行方を眩ませていた。
だから、皆が復隊、復隊と言っていたのだ。
「銃撃、格闘だけは得意だったもんな」
「うるさい!格闘も含め、銃撃以外の事で、卒業までずっとあんたに勝てなかった」
ユウキ、セナ、ミヤケ、ナツメは同期の卒業生だ。
ユウキは学年1位の成績で卒業。
銃撃を除く全ての項目でトップだった。
そして、その銃撃でトップだったのが、セナだった。
ロッカー室を出て、外の作業に参加すべく、2人は艦を降りようとした。
すると、廊下でミヤケとナツメに会った。
ミヤケは彼女を鬱陶しそうにしている。
彼は2人に気付き、駆け寄った。
「何でこんなとこに、コイツが」
顔を近づけ、ミヤケが訊いた。
「まぁ、色々な。落ち着いたら話すから。とりあえず、彼は復隊する事に」
そうユウキが答えた。
「まっ、そういうこった。よろしく」
セナが明るく振舞った。
「えーっ!!私コイツ嫌いだったのよぉ!!何で帰ってくんのよぉ!!!」
ナツメはセナを相当嫌っていたようだ。
「そう言うな。これから一緒に戦う仲間なんだから」
ユウキが彼女を宥めた。
皆は彼の存在が、今後この隊に嵐を呼び込みそうな予感をした。

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