なんちゃって妄想ワールド(Memory)12


それで、一気に基地内は慌しくなっていた。
その事が、ユウキたち7人にも伝えられた。
「連合の艦隊が?!」
ティアは驚いた。
「まずいな。次に狙われるのは恐らくここだ」
ジークが冷静に言う。
「何でそんな事が判るんだよ」
セナが訊く。
「SIRNの物資をたっぷりと補給された基地を奪還したんだ。戦力を整え次第、敵のデカイ基地を狙うのもありなんじゃないか?勢いにも乗りたいだろうし」
ユウキがジークの代わりに答えた。
ミヤケもそれと同感だった。
「まぁ、そのお蔭でこっちも対策が取れるってね」
ナツメが付け足す様に言った。
「ユウキの言っている事は推測ではない、事実だ。現に偵察隊が調べてきたらしい」
ジークがニュースを伝えた。
「じゃあ、準備はしておいて損はないかな」
ミヤケが言う。
「そうなるな」
そこに、サミズクルーの招集がかかった。
「作戦会議だね」
「だろうな」
7人はサミズのブリーフィングルームへと急いだ。

部屋にはすでにロンたちがいた。
他のクルーたちもほとんど揃っている。
「多少人数が少ないが、始めるぞ。すぐにくるだろう。周りの奴が教えてやれよ」
ロンが言った。
「戦闘機部隊はユウキ、ミヤケ、アカマを中心とした編成でいく。歩兵部隊は防衛ラインを指示通りに張れ」
作戦の説明が続く。
「我らの主力の基地だ。戦力も十分ある。艦隊も総出でいく。陥ちはせんと思うが、気を抜くな」
クルーたちが返事と共に敬礼をした。
「よし、解散。常時出撃を出来るようにしておけ」
そして、会議は解散した。

翌日04:00。
連合艦隊がニューオーリンズ基地海域に侵攻した。
「敵襲です!」
警報サイレンが基地全体に鳴り響く。
ユウキたちも反応し、配置に付く。
「朝もはよからご苦労さん、ってねぇ」
ミヤケが嫌味を言いながら機体に乗り込む。
「ホントよ。肌が荒れちゃうー」
ナツメは別の理由で文句を言っている。
「ふざけるのはここまでだ。行くぞ!」
ユウキが仕切り、3人は出撃した。
そしてセナたちも配置についていた。
「前線万歳だな。ミジンコにしてやる」
セナが張り切って言った。
ティアが隣でため息をつき、メディナが笑った。
「調子に乗りすぎんことだな、セナ」
ジークが軽く忠告し、4人は構えた。
「さぁ、来るぜ」
セナが言い、前方に敵軍の姿が見えた。

ユウキたちは、敵の多さに圧倒されていた。
「チッ、何だよこの量は!!」
ミヤケが舌打ちをする。
「多いな・・・。嫌になる」
ユウキが珍しく弱音を吐いた。
「でもやるしかないでしょ!いくよ!!」
愚痴を言いながらも、順調に敵機を追撃していく。
だが、倒しても倒しても湧いて出てくる。
当初考えていたよりも、苦戦を強いられる事となった。

マイたちは、順調に基地の方へと侵攻していた。
「邪魔をするなぁぁぁ!!」
マイの攻撃が、次々とSIRNの兵士を撃ち抜いていく。
「オラァァァ!瞬殺ってなぁ!!」
ディランも着々と敵を討っていく。
「敵将の首を拝むまでは帰れないんでねっ!!」
ミルも確実に敵を倒していく。
彼らの効果もあり、侵攻の速度も速まっていった。
そして、この戦場で再び彼らは出会ってしまった。

セナは前方から来る集団の中に、マイの姿を見た。
「マイッ?!」
彼はすぐに彼女だと気付いた。
相手もセナに気付いている様だった。
「ジーク!」
セナに呼びかけられ、敵を倒しながら応答する。
「どうした!まさか、いたのか!?」
「いた!!」
ジークは声が詰まった。
ここまで激しくなった戦闘の中で。
これでは戦わない方が無理だ。
「ここは俺に任せておけ!ティアとメディナを連れて行け!!」
「判った!!」
セナは2人を連れ、迎撃に向かった。
「マイィィィッ!!」
彼はマイを説得しようとした。
後ろではティアとメディナが援護をしてくれている。
「何だテメェは!邪魔すんな!!」
ディランがセナに向かって銃を撃った。
セナは回避し、反撃する。
「セナッ!」
マイが躊躇なく撃ってきた。
「あんたたちが・・・、あんたたちが父を殺した!!」
セナは絶句した。
「何やってんの、セナ!!」
ティアがセナを守る様に敵を倒していく。
そして、銃口がマイに向いた。
ディランがそれに気付く。
「させるかよ!さっきからこのガキはっ!!」
ティアに照準を合わせ、撃った。
「何っ?!」
次の瞬間、ティアの体が宙に浮いた。
セナとメディナはそれに気付き、ティアの方を見る。
「ティア!」「ティアッ!!」
「何処見てんだよ!!」
ディランが余所見をするセナに向けて撃った。
セナが避け、次ティアを見た時、彼の体が弾け、肉片が飛び散った。
絶句するセナ。
そして、メディナ。
その時、セナの中で何かが切れた。
「お前が・・・お前がぁ!!!」
セナはロンに貰った、威力の強い方の銃を手にし、ディランに向けて撃った。
その弾は、狙いが正確でなかったせいで、右肩に当たった。
すると攻撃の威力でディランの右肩が吹き飛んだ。
「ぐあああぁぁぁぁ!!!」
激痛が全身を走り、叫び声を上げるディラン。
「ディラン!!」
マイが彼の方へ駆け寄る。
「生きてるね!マイはディラン連れて下がって!私が討つ!!」
ミルが銃を構え、動けないでいるメディナに照準を合わせた。
「逃がさねぇ・・・!貴様らあああぁぁぁ!!!」
セナがマイたちを追った。
ミルがそれに気付き照準を変えた。
「させない!ここから先には進ませないから!!」
ミルはセナに向けて発砲した。
セナはそれに対応し、回避する。
「邪魔をするなぁぁぁ!!!」
セナは銃を撃ち、ミルの銃を弾き飛ばした。
「痛っ」
ミルはその衝撃で手が痺れた。
「うおおおおおぉぉぉっ!!!!」
セナは腰に装備していた戦闘用ナイフを取り出し、ミルに斬りかかった。
「!?」
それはミルの咽喉を捕らえた。
「死ねぇぇぇ!!!」
セナはそれを右に思い切りスライドさせ、ミルの首を裂いた。
太い血管が切れ、鮮血が噴き出す。
「うおりゃあああぁぁぁ!!!」
更に止めと言わんばかりの一撃を、再びミルの首に刺した。
ミルは死に、ナノシステムの作動により破裂した。
返り血がセナに噴きかかる。
マイはその光景を見てしまった。
「ッ・・・!?ミルゥゥゥゥッ!!」
マイは傍にいた兵士にディランを預け、セナの方へ駆けて行った。
「セェナァァァァッ!!!」
セナは向かってくるマイに気付いた。
「マイィィィ!!!」
2人はすでに我を失っていた。
マイが銃を撃ち、それがセナの肩に当たる。
だが、セナは動ずる事無くマイに向かっていく。
さっきのナイフを手に、それをマイに突き刺した。
腹部に刺さり、軍服に血が滲む。
しかし、マイも動じずに攻撃を続ける。
一通り片付けたジークが、その場に来た。
地面に座り込み、動けなくなっているメディナを見つけ、戦っているセナも見た。
「メディナ?!クッ、立てるか?早く撤退するんだ。撤退命令も出ている」
無理矢理メディナを立たせ、撤退して行く兵士に彼女を預けた。
そして、彼はセナの方へと急いだ。
「やめろぉぉぉ!!」
ジークが銃を撃つ。
しかし、マイは全く動じずセナだけを攻撃する。
2人はすでに血だらけだ。
ジークは目を背けたくなったが、セナをどうにかマイから放した。
マイに威嚇射撃をし、ようやく怯ませる事が出来た。
その瞬間を逃さず、ジークはセナを連れて撤退した。

ユウキたちはすでにサミズに帰艦していた。
「セナたちは!!」
「まだだ。早くしないと、艦出ちまうぜ」
ユウキとミヤケが心配して、すぐに機体から降りた。
その時、回収用ポットが全基回収された。
「セナ!メディナ!ティア!!」
ユウキとミヤケが全てのポットを探す。
そして、ジークとセナを発見した。
セナは血だらけでぐったりとしている。
「セナ!!」
「早く医務室へ!このままでは危ないぞ!!」
ジークが叫び、ユウキはそこにあった担架にセナを乗せた。
「そこの奴!手伝え!!」
ユウキが通りすがりの兵士を捕まえ、2人でセナを医務室へ急いで運んだ。
ミヤケはメディナを探す。
すると、兵士に肩を抱かれ、立つのもままならなくなっている彼女を見つけた。
「メディナ!」
ミヤケはすぐに駆け寄った。
「精神的にキテいるみたいです。早く医師に」
「わかった。手伝ってくれ」
その兵士と共に、ミヤケはメディナを医務室へ連れて行った。
彼らは初陣から初めての敗戦を味わった。


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