なんちゃって妄想ワールド(Memory)23


「追撃ミサイル、第一から第四まで砲門開け。てーっ!!」
基地の方へ向かう戦闘機を撃ち落した。
「敵戦艦より戦闘機。数16!!」
「何としてでも落とせ!ここから先には通すな!!」
ロンは必死に指示を出す。
そこに、更なる追い討ちをされた。
「敵艦隊より出撃ポットが射出されました!数特定できません!!」
ロンはやられた、という表情をした。
「全てとは言わん!全隊で出来るだけ多くのポットを沈めろ!!」
全ての戦艦はポットと戦闘機に振り回されていた。
そんな中、訃報が飛び交う。
「サカキ機、ロスト!」
「ミヤギ機、撃墜されました!」
「サキバナ機、被弾!着艦します!」
サミズに搭載されていた戦闘機だった。
撃墜、行方不明、被弾。
徐々に戦力を奪われていった。

連合のポットが海岸に到着し、兵士たちが攻め始めていた。
セナたちにも迎撃の命令が下り、突撃した。
「(マイ・・・)」
セナは何かを考えている風な様子だった。
「どうかしたのかい?」
マインがセナの様子を見て訊いた。
「あ、いや。なんでもない。大丈夫だ」
「余計な事は考えない方がいいよ。今は倒すべき敵を討つ事だけを考えよう」
マインの口調は相変わらず優しかった。
セナは先日、聞いてはならないモノを聞いていた。
それは、ロンとユウキの会話だった。

―――応接室前廊下―――
セナは廊下を歩いていた。
そして、応接室の前を通りかかった時、ロンの声が聞こえた。
何かを叫んでいるみたいだ。
やってはいけない様な気もしたが、彼はドア越しに耳を立てた。
「お前は本気で言っていたのか?仲間を殺すなどと」
セナは耳を疑った。
「またその話ですか。物分りの悪い人ですな」
ユウキの声が聞こえた。
「(ユウキと隊長が・・・。何の話だろ)」
セナは話を聞き続けた。
すると、何かを強く叩く音が聞こえた。
その後に、ユウキの声がした。
「セナ・ケレイト。ヤツは邪魔になりそうに思えて仕方がない」
セナは驚愕した。
「それは単にお前の私情だろうが!どういう理由か知らんが、私の部下に手を出す事は許さん!」
ロンの怒鳴り声が聞こえた。
「あなたも上層部に疑念を持っている。覚悟しておいた方がいいですよ」
やはりユウキは以前のユウキでない感じがする。
セナは腰が抜け、ペタリと床に座り込んでしまった。
「何を・・・。俺が邪魔だと・・・?」
ハッとし、正気に戻り、セナはすぐにその場を離れた。

セナはその事がずっと頭から離れずにいた。
軍を疑い、自分の信じた正義を疑い、嘗ての仲間を疑う。
彼は何を信じればいいのか判らずにいた。
「独りで背負い込まないで」
不意に横から声を掛けられた。
それはメディナだった。
「メディナ・・・」
セナはまだ自分には仲間がいる事を思い出した。
「何に悩んでるか知らないけど、独りでどうにかしようとしないで。私にも相談していいから」
メディナの優しい言葉だった。
「ありがとう・・・。この戦いが終わったらな」
そんな話をしていると、敵軍が侵攻して来ているのが見えた。
「何としても海岸までで食い止めるんだ!」
総隊長である指揮官が叫んだ。
一気に士気が上がり、SIRN軍は迎撃を開始した。
セナとメディナ、マインは最前線に出て戦闘の指揮を執りつつ戦っていた。
「君たちはここで勝てない。シナリオ通りに進めばね」
マインは独り言を言いながら、長身の斧で敵を一掃していく。
その動きと戦闘技術は、相当洗練されているモノに違いなかった。
「スゴい・・・」
セナは脱帽していた。
「危ない!右!!」
メディナが叫んだ。
セナは咄嗟に反応し、右に向けて銃を撃った。
するとそこにいた敵兵に命中し、難を逃れた。
「助かった、ありがとう」
セナが礼を言った。
その時、マインが異変に気付いた。
「あっちのエリアの進行速度が早いみたいだね。僕が見てくるよ」
そう言い残して、彼はそこに向かって行った。
セナとメディナはそれを見送り、次々と向かってくる敵を撃っていった。

マインが到着すると、そこには1人の男が立っていた。
片腕が義手の男。
ディランだった。
「まだ来るのか」
ディランはマインを見て言った。
周りは血の海と化し、ディランのみがいる。
敵兵はそれ以外に見られない。
「君が全部やったんだね、敵も味方も」
マインが言った。
ディランは空を見上げ、呟いた。
「やはりこうなったか・・・。体がいう事を利かない。マイを別にしていて・・・よかった」
すると、人が変わったかの様にマインに襲い掛かってきた。
「でひゃひゃ!お前のここで葬ってやるヨ!!」
右手のひらをマインに向けた。
そして、そこにある穴から烈風が吹き出してきた。
「ッ・・・!?」
マインは寸前で回避し、反撃に移った。
「おかしな体だ。動きが読めない」
斧を振り降ろし、マインに斬りかかった。
ディランは再び風を出し、その勢いで回避した。
「お前じゃあ無理だってナァ!!」
体勢を立て直し、マインに向かって再び右腕を構えた。
「それはもう撃たせない」
素早く動き、斧を振り上げた。
それはディランの義手を捉え、肩から根こそぎ斬りおとされた。
「チィ、てめぇハァァァ!!」
ディランは残った左手でマインに殴り掛かろうとした。
「醜すぎるよ」
悪足掻きをするディランを哀れ見ながら、斧を振り下ろした。
それがディランの左肩から右腰に掛けて切り裂き、その傷口から血が噴き出した。
ディランはその場に崩れ落ちていった。
「傑ッ・・・作ダ・・・ナ・・・」
その一撃が致命傷となり、彼の体がナノシステムによってバラバラになった。

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