なんちゃって妄想ワールド(Memory)27


地下シェルターの様な入り口。
扉が開いているのでユウキが入っていった事は間違いないだろう。
2人は意を決して中へ入った。
真っ暗な中、階段をゆっくりと降りて行く。
しばらく降り、やっと広場に出た。
その時、2階から物音がし、セナはメディナを庇い、壁の横に身を隠した。
すると銃声が鳴り響き、2人のいた場所に銃弾が撃ち込まれる。
「来たようだな。真実が知りたければまだ奥へ来い!」
「こいつっ!」
セナが反撃をしたが、ユウキは気にもせず、さらに奥へと進んで行った。
セナはメディナを連れ2階へ上がる。
そして、ユウキの向かった方へ走った。
複雑な通路になっていた。
だが、彼らにはユウキの歩いて行った方向がわかった。
2人を導くかのように、何か光る物が点々と通路に落ちていた。
きっとユウキがワザと落としていたのだろう。
「余裕見せやがって。絶対後悔させてやる」
セナのユウキに対する感情が高まっていった。
ついに通路を抜け、広い場所に出た。
ここもまた暗闇だった。
「ここが始まりの場所だ」
ユウキがそう言い、銃を撃ってきた。
セナは舌打ちをし、メディナを抱えてそばにあった台を盾に隠れた。
「この戦争が始まった本当の理由を知っているかね?」
ユウキは不意に問いかけてきた。
「世界の人口を減らす為じゃないのか」
セナは自分の知っている事を言った。
「公にはそう言われているな。だが違う!」
ユウキは照明を1つ点けた。
「これがこの戦争の始点だ!!」
続けてもう1つ点けた。
すると、その光の中にボウッと何かが見えた。
照明がまた1つ点けられる。
徐々にその何かが見えてきた。
ユウキは照明のボタンを一気にバンッと拳で殴り、一斉に点けた。
そこには信じられない物があった。
「これは・・・、あの兵器・・・」
十字架に両腕を釘で打ち付けられたディスの姿だった。
「この世界に初めて持ち込まれたディスだ。この力は強大だった」
イエスをイメージさせるそのディスは、ボロボロだった。
「故にこれの奪い合いになった!欲に溺れ、全てを牛耳ろうとした愚か者たちによってな!!」
初めて知る真実だった。
でも、何故ユウキはこの場所、この事を知っているのだ。
こいつは何をどこまで知っているんだ。
セナの頭の中はパンクしそうだった。
「人は誰でも人の上に立ちたい。全てを支配したい!高みに上る!!その為にはどんな手段も選ばない!!!」
ユウキは叫び始めた。
「それが人の原点で全てだ!!」
「違う!!」
セナは反発した。
「人は、人はそんなものじゃない!そんなのはほんの一部だけだ!」
「何が違うっ!違わないさ。自分がどう言い聞かそうと、結果は常にそちらへ向かう!!」
ユウキの言う摂理だった。
「もう・・・、嫌っ・・・」
メディナが突然泣き崩れた。
「何で・・・、何で仲良かった仲間同士でこんな・・・」
セナはメディナを慰めようとし、ユウキは笑い始めた。
「クハハハハ!仲間ぁ?笑わせる。お前は知っていたのだろう?セナァ!!」
「あぁ。だがいなくなる前のお前は仲間だった」
まるで別人だと言わんばかりの言葉だった。
「下らん方向に話が逸れ始めた。終わりにしよう!奏でろ!滅びへの鎮魂歌を!!」
すると、何処からか第九が流れ始めた。
セナは驚いた表情をした。
ユウキが刀を抜き、セナたちの方へ走ってきた。
「チッ、来るかよ!!」
セナは銃を構え撃とうとした。
次の瞬間、構えた銃が真っ二つに斬られた。
「・・・ッ!!」
セナは銃を捨て、メディナを連れて場所を移動した。
「こっから援護頼む!」
「・・・わかった」
もう一丁の銃をホルスターから抜き、セナはユウキと対立しながら撃った。
ユウキは軽く回避しつつ、徐々に間合いを詰めてきた。
「にゃろっ!この距離で!!」
完全にロックした時、セナが引き金を引いた。
銃弾はユウキ目掛けて真っ直ぐに飛んだ。
ユウキは刀を縦に構え、銃弾を両断した。
「ハッ!その程度で私を討てると思ってか!!」
「・・・?!クソッ!!」
セナは間合いを一気に離そうとした。
だがユウキが近づき続ける。
刀の射程内に入り、ユウキが刀を振り下ろす。
メディナが銃で阻止しようとするが、照準が定まらない。
セナは殺されると思った。
その時、一発の銃弾がユウキの刀を弾き飛ばした。
「なっ!?」
「ッ!!」
セナがその方向に振り向き、ユウキは痺れている手を握りながらその方向を見た。
そこには髪の長い20代ほどの女が銃を構えて立っていた。
「逃げなさい、セナッ!!」
セナとメディナはその声に聞き覚えがあった。
「ナツメ!?」「ナツメ!!」
2人はすぐに気付いた。
かつての仲間。
死んだと知らされていた仲間。
ナツメ・アカマだった。
「生きていたのか、ナツメェ!!」
ユウキはナツメを睨み付けて叫んだ。
「計算外だったようね。ここは私に任せて、早く逃げるのよ!」
ナツメがセナとメディナに言った。
「でも、そいつを倒さないと」
「だから言ってんでしょ。私があいつを倒す」
銃を構えながら言った。
「角を左に曲がって真っ直ぐ行けば格納庫があるわ!戦闘機に乗ってエクアルに行くの!」
セナはいかにも気に入らない顔をしていた。
すると、ナツメはセナたちの方へ銃を向け、撃った。
2人は驚いたが、咄嗟に回避した。
「なっ!?ナツメ・・・」
「行けって言ってんの!後で私も追いつくから!!」
ナツメの覚悟だった。
セナは納得いかなかったが、決断した。
「・・・わかった。でも、必ずだ。約束しろ」
「わかってる」
ナツメをそこに残し、セナとメディナは広場から去った。
「チィッ!逃がさんよ!!」
ナツメがユウキの行く手を阻んだ。
「あんたの相手は私でしょ!」
ユウキがナツメの挑発に乗った。
「ならお前から消してやるよ、死にぞこないがぁ!!」
2つの世界で共闘した2人の戦いが始まった。

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