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ディサイション・パワード 第10話「敗戦」
自分のディスよりも一回り大きい機体には弱い攻撃は通用しなかった。
「オーシャン!あなたたちはまだ政府の言い成りになるっていうの?」
弥生は答えた。
「無論だ。私たちはその為に戦っている。それに言い成りになどなっていない」
リリスはヨウが説得しても駄目だった彼女たちを説得しても無駄と思った。
そして、本気で弥生へと攻撃をし始めた。
「私たちもこんな所で負けるわけにはいかない!」
元同胞同士だけはあり、お互い手の内は分かっており激戦が繰り広げられていた。
「お前はっ!いつもいつも!!」
ヨーランがいつも自分に向かってくる春に嫌気がさしていた。
「お前を落とさなきゃ気がすまねぇんだよ!!」
春はヨーランを目の敵にしていた。
ヨーランはそれを聞き、彼を自分のライバル的存在と意識し始めた。
対等な力量を持っている彼らも、決着がつかずに戦い続けていた。
ジミュートが接近してきたのでコレクションは迎撃を開始していた。
「弾幕を張れ!近づかせるなよ!!」
永原がクルーに指示を出す。
ジミュートはそれをウザそうに回避する。
「ちまちましやがってよぉ・・・沈めやぁぁぁ!!!」
これも一回り大きいセイバーの銃身を艦へと向けた。
そこに紫郎が放った一発が通り過ぎた。
「チッ、邪魔するなつってんだろ!」
ジミュートは標的を紫郎に変え、反撃する。
「そうそう簡単にはやらせないってね」
紫郎は大きな機体に少々動揺しながらも、どうにか自分に注意を引くことに成功した。
「味方機を援護しろ」
永原の号令と共に主砲が放たれた。
十数機いたディスの数機に当たり、海へと落ちていく。
美衣、焔、フィンは少し少なくなった敵機への攻撃を続けた。
「倒しても倒しても!」
「キリねぇな、こりゃ」
美衣と焔が愚痴を云った。
最初より敵機の数は減った。
しかし、減ったといってもまだ十数機もの相手をしなければならない。
3人は必死だった。
ジミュートは、なかなか手強い相手に苛立ちを覚えた。
「いい加減に落ちろや!」
セイバーを連射するが、紫郎の機体には中々当たらない。
紫郎の操縦能力が格段と上級だったのだ。
そこへ、政府から政府軍ディス部隊に通信が入った。
『もうテストは十分だろう。一度戻れ』
声の主はノゥだった。
「ふざけるな!まだ俺たちは」
『上官の命令に逆らうな。あとは我々に任せろと云っている』
ジミュートは1機も討っていない事に納得していなかった。
「ならアレだけでも!」
ジミュートは向きを変え、迎撃をしている3機の方へ向かった。
「やらせるかよ」
紫郎がジミュートを追った。
「撤退していく・・・」
美衣たちは敵機の撤退していくのを見ていた。
その時、美衣を強い衝撃が襲った。
「きゃあああっ」
ジミュートがセイバーで斬りかかってきた。
「ミイ!!」
紫郎と焔、フィンが叫んだ。
ジミュートの機体を止めようと攻撃するも、決定打には至らない。
ジミュートは他の機体に見向きもせず美衣だけを攻撃する。
そして、1発蹴りを入れた。
美衣のディスが少し飛ばされた。
「とどめぇ!!」
ジミュートはセイバーの銃身を美衣のディスへ向けた。
そして、放たれた。
美衣は避けようとしたが体が動かなかった。
殺られる・・・
思いきり目を瞑った。
外が眩しく、目を開け自分のディスの目の前で盾になっている物を見た。
それは焔のディスだった。
「へへっ・・・やっぱ俺って不器用で・・・」
次の瞬間、エネルギーが焔のディスのフィールドを貫通した。
そして、ディスが爆散した。
「ジミュート、撤退命令出ただろ」
春に云われ、1機落としたジミュートは撤退していった。
「あ・・・あぁ・・・」
美衣は嗚咽を漏らしていた。
他のメンバーも信じられないといった風にその場で動かなかった。
「全隊撤退確認しました」
管制室のオペレーターが云った。
「よし、照準!」
指揮官の号令がかかった。
「目標、反乱軍拠点TAB」
「長距離射撃用大型レーザー砲、てーっ!!」
2度目の号令でそれが再び放たれた。
コレクションのオペレーターがエネルギーを感知したことを永原に知らせる。
「またアレを撃ったのか・・・奴らは」
一瞬我を忘れた永原だったが、すぐに正気になった。
「緊急回避だ!ディス隊にも知らせろ!!」
コレクションとそれを聞いたディス隊は出来るだけ推測された射線上より離れた。
次の瞬間、コレクションから少し離れた場所を巨大なエネルギーが通り過ぎた。
そして、それは拠点に直撃した。
一瞬にして拠点は消滅し、大きな穴が開いていた。
ブリッジからもそれが確認でき、ディス隊のメンバーもそれを見て言葉を失った。
「・・・完全に俺たちの負けだ」
紫郎が低いトーンの声で云った。
そこに永原から通信が入った。
「とりあえず戻ってきてくれ・・・」
全機がコレクションに帰艦した。
ブリッジで皆が消沈していた。
「これから前に訪ねた廃墟基地へと向かおうと思う」
まだあそこには物資がある程度あった。
皆、意見がないのか反応する気力がないのか返事をしなかった。
「進路を取れ。廃墟基地へ向かう」
「この時期に2人も有力な戦力を失うとは・・・痛いな」
紫郎がいつになく深刻気に云った。
そして、コレクションは廃墟基地へと進路を戻した。
ディサイション・パワード 第11話「成長」
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