ディサイション・パワード 2部第8話



スプレットは奪取した基地へ入港し、すぐに補給と整備に移った。
天はガーナに連絡を取り、マレーシアを守備する為の隊を要請した。
そこへ幟唯が走ってブリッジに入ってきた。
「艦長!カイがやられたってホント」
「本当だ」
幟唯が最後まで云い終わる前に天が答えた。
彼女は信じられないといった様子でその場に座り込んだ。
「俺とて信じられんさ。この艦一の腕利きが、こんな所で・・・」
そこにケントと渉流がブリッジへ入ってきた。
ケントも渉流もすでに事は知っていた。
「ヒリュウ、何であの時俺を出さなかった」
渉流が天の苗字を呼び捨てで呼び、訴えかけた。
「お前が出ていても犠牲が増えただけだ」
天は渉流に厳しい事を云った。
「そんな事っ!」
「やめて!ここで言い争っても、なんにも・・・」
幟唯が仲裁した。
ブリッジ内は静まり返り、しばし沈黙が続いた。
その沈黙の中天が口を開いた。
「整備と補給が終わり次第この艦は発進する」
みなはすでに分かっていたかのような反応をする。
「疲れているとは思うが、気を引き締めろよ」
スプレットのクルーたちの間に何か溝のような物が出来たみたいだった。

リボルトカーネルZEROの隊員である美衣、ヨーラン、紫郎、そしてヨウがオーストラリアに到着した。
彼らがジェット機から降りると、基地の指揮官らしき人物と護衛の兵士が数名出迎えていた。
「いやいや、まさかあなた方がお出でになるとは」
指揮官は光栄そうに云った。
ZEROのメンバーは前大戦以降、殆ど人前に姿を現した事が無く、エヴェンジの者でも見た事がない者の方が多いくらいだ。
しかし、ZEROのメンバーは自分たちの地位をイヤリングで現している。
男は右に、女は左に1つ金色でダイヤ型のイヤリングをつけている。
だから指揮官は援軍が来るとしか知らされていなかったのに分かったのだ。
「それほど重要な場所だということですよ、ここは」
ヨウが愛想良く云った。
指揮官は意外と普通な人なんだと思いながら基地内へと案内した。

「スプレット発進っ!」
天が号令をかけた。
パイロットたちはこの空気に耐え切れず、すでに自機で待機していた。
この気まずいムードのまま、今後を左右する戦いへと出向いていくのだった。


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