ディサイション・パワード 2部第9話



オーストラリア基地ではすでに戦闘体勢で構えていた。
ZEROのメンバーもすでにスタンバイ状態だ。
コックピットのヨウは白い仮面のような物を着けていた。
「ヨウ、なんだそれ?」
紫郎が訊いた。
「味方が何処にいるか把握するのに着けてるんだ。一種のレーダーみたいな物だな」
ヨウは1人で戦場の状況を把握するという離れ技をしようというのだった。
相変わらず凄い奴だと他のメンバーも思った。
「ヨウ、来たよ。出撃?」
「あぁ、いくぞ!」
彼らはまた戦場へと飛び立った。

スプレットからはディス隊と幟唯、ケントの2機が出ていた。
「アレだけの数・・・少々きついな」
天が苦い顔をした。
そして、彼らも戦場へと駆けた。
次々と湧くように出てくるディスや戦闘機。
幟唯はいつも通り確実に落としていく。
「シイ、その調子だ」
ケントが云った。
そして、彼も次々と敵機を落としていく。
ふと前方に目をやった。
すると、敵陣の中から3機のディスと1機のアンノーンがこちらに向かってくるのが見えた。
「艦長!あれは」
すぐにデータと照合させた。
「お、おい・・・まずいぞ」
天が言葉を失った。
「艦長?!」
幟唯が天に呼びかける。
「あれは前大戦で反乱軍の中核となったディスだ。1機はデータがない」
幟唯は敵に目をやった。
すると、淡い赤のディスが目に止まった。
「あ、あれは・・・」
幟唯の様子がおかしくなった。
そして、敵陣の方へ突進して行った。
「おい、シイ!!」
ケントの呼びかけにも応じず、そのまま淡い赤のディスへ攻撃した。
「何?こいつ」
美衣がセイバーで切り払う。
「そのディス・・忘れれるはずがないだろう!!」
幟唯は感情をむき出しにして美衣に襲い掛かる。
そこにヨウが云った。
「そいつはお前に任せる。俺たちがやってくる」
「わかった」
美衣にそ幟唯の機体を任せ、3人はそのまま敵戦艦の方へ向かった。
幟唯はいつもの様子からは想像も出来ない様な叫び声を上げ、敵機に斬りかかる。
しかし、それは無常ににも回避された。
「あなたに構っている暇はないの、堕ちて」
美衣はセイバーを敵機に向けた」
「ふざけるなぁぁぁ!!」
幟唯は撃たれる前に敵の懐へ飛び込もうとした。
「・・・しつこい」
美衣が敵のディスの頭部を蹴った。
幟唯はコックピットを大きな衝撃に襲われる。
美衣は容赦なく次の攻撃に移る。
セイバーで斬りかかり、セイバーを持っている敵機の右腕を斬りおとした。
さらにセイバーを横に振り、両足を半分斬りおとした。
「きゃああああ!!」
幟唯は悲痛な叫び声を上げた。
「ばいばい」
そして、美衣が止めの蹴りを入れ、幟唯のディスを海へと落とした。
敵機を落とした美衣は3人と合流する為に先へ進んだ。

ヨウ、ヨーラン、紫郎は強力な敵と遭遇していた。
「ちぃ、伊達に装備してないってか」
紫郎の軽口が出たが、いつものように余裕がない。
その相手とはケントだった。
「ヨウ!これじゃらちがあかねぇ。お前ら先に行け」
「3人でもギリギリなのにか!」
ヨウが紫郎に云う。
「あの艦沈めなきゃどうにもならんだろうが!!」
ヨウは少し考えた。
そして、この場は紫郎に任せ先に進むことにした。
実はケントも余裕な訳ではなかった。
「へへっ、助かったぜ。数が減って・・・」
腰の刀を抜き、敵機に迫った。
そのスピードに紫郎はギリギリでしか反応ができない。
「やっべ、やっぱ3人で戦えばよかった」
ケントはそんな事関係なく攻撃し続ける。
「お前たちの目的はあの艦か!!」
ケントが紫郎に訊く。
「さぁな。俺倒して先に進めばわかるんじゃねぇか?」
紫郎がセイバーで反撃する。
「そうさせてもらう」
ケントは容赦なく紫郎に攻撃を仕掛けた。

「艦長、敵機です!数2!!」
「2機だと?」
天はその2機の映像を見た。
「アンノーンと強者か。弾幕を張れ!艦に近づかせるな!!」
的確に命令を下す。
そして、副長のミハルドにこう云った。
「艦を任せる。渉流に出撃命令を出せ」
そして、そのままブリッジを出て行った。
「あ、ちょっと、艦長!」
ミハルドは動揺したが、どうにか気を落ち着かせた。
「ワタル、聴こえるか。出撃だ」
いつもとは違い、ミハルドから通信が入った。
渉流は目を閉じていた。
それを開き、
「了解」
と一言残し出撃した。

艦の前方にディスを出し、向かってくる敵に備えた。
すると、渉流は目を閉じた。
「1機だけか。さっさと済ませるぞ」
ヨウがヨーランに云った。
「やらせない」
渉流が目を開き、2機に攻撃を開始した。
2機は散開し、攻撃を回避した。
そう思ったヨーランの機体に、攻撃が当たった。
「何っ!?」
攻撃から攻撃への早さが尋常でなかった。
体勢を立て直し、攻撃をしようとする。
しかし、渉流の攻撃の方が早い。
ヨーランがフィールドで防いだが、渉流の強さが見せ付けられた。
「ディスの手のひらが・・・」
フィールド越しの熱で、ディスの手のひらが焼け爛れた様になっていた。
渉流が止めを刺そうとセイバーで斬りかかった。
しかし、それはもう1機のアンノーンによって止められた。
「油断しすぎだぞ、ヨーラン」
「すまん」
ヨウの乗るディスは、ヴィーナスが浮上した頃から本格的に動き出した為、政府側にはデータがなかった。
ヨウが攻撃をし、渉流は回避した。
しかし、次の瞬間渉流のディスが動かなくなった。
「君にはここで消えてもらわんとならんみたいだ」
さっきまで自分の前にいた敵機が、背後に回りディスの頭部を掴んでいた。
もう1機がセイバーを放とうと銃口を向けてくる。
そして、それが撃たれようとした時、何処からかレーザー砲が飛んできた。
その場にいた3人が一斉にそちらを向く。
そこには両肩に盾を装備し、黒いマントを靡かせる漆黒の機体が銃を向けていた。
「ワタル、よくやった」
「アマツ?!」
それは、スプレット艦長の天だった。


© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: