ディサイション・パワード 2部第18話



死んだはずの仲間と思いもかけない再会をした一同。
だが、その事だけで時間を費やす暇は彼らに残されていなかった。
「ランドへ向かおう」
唐突に天が云った。
一同は何も云わず天の意見を聞く。
「あそこの戦力もヴィーナスへ招集がかかっているはずだ。出て来た所を討つ。そして補給物資などを調達する」
それを聞いて渉流が少し怒りを見せつつ云った。
「なぁ、俺らは戦争の根元が何か。それを見出してそれを討つんじゃなかったのか?俺たちが戦火広げてどうすんだよ!」
天は表情を変えず答えた。
「ならばどうするという?この状況を打開するのに手段は少なすぎる」
「だが!」
渉流と天の口論を止め、幟唯が云った。
「とりあえず行きませんか?ランドまで。ここにいても何も出来ませんし」
一同は仕方なく賛同し、アドバンスは針路を市民のいるランドへと取った。

敵に悟られぬようエンジンも停止させ、静かにランド付近の宙域まで辿り着いた。
「さぁ、ここからどうするか」
天が云った。
ランドからはまだ動きは見られない。
アドバンスは動く事が出来なくなっていた。
その時、急に通信をキャッチした。
「艦長、ランドの軍務施設からです。どうやら気付かれていたみたいですね・・・」
それならと全ての機能を起動させ、レーダーをみると敵影があった。
「はぁ、回線開け」
天が唐突に云った。
オペレーターが指示通りにし、通信をつないだ。
敵機1機を落とす事など容易い事だが、攻撃を仕掛けてくる気配がない。
敵の動きを見る為にも、という考えだった。
『こちら第2ランド軍務司令部、指揮官のユウキだ』
天はその名前を聞いて驚いた。
だが、ここは冷静に対応した。
「お久しぶりですね、ユウキ隊長。何のつもりです?」
彼は天が前大戦で所属していた隊の隊長、『クルシュ・ユウキ』だった。
ユウキは雑作もなく答えた。
『政府はヴィーナスの脅威を地球へ向ける気だ』
アドバンスのクルーは皆血の気が引いた。
天は訊いた。
「それを私たちに伝えてどうするつもりです?」
本心を聞きたく、ユウキに問った。
ユウキは自分の考えを伝えた。
『政府のやり方には宇宙へ上がってから疑念を感じる面が幾度かあった。ここまで云っても信じてもらえんか』
「そう貴方が育てたのです」
天がそう答えた。
だが、そこに幟唯が入ってきた。
「あの、補給をさせてもらえますか?」
天は急な幟唯の言動に驚いた。
「お前、何を云っているのか分かっているのか?」
「彼は優秀な上官でしょ?噂には聞いた事があります。それを1番解っているのは艦長でしょ?」
幟唯がいつになく強気な発言をした。
そして、しばし沈黙が続いた後天が云った。
「信じてよろしいのですね」
ユウキの事を信用し、訊いた。
『あぁ、感謝する。他の奴らに悟られぬよう早急に入港してくれ』
アドバンスはランドの中へ入って行った。

艦から天・幟唯・渉流・ケントが降り、それをユウキとその部下が出迎えた。
「まさか隊長ほどの方が」
やはり天は内心最初から彼を信じたい気持ちだったのだろう。
2人は握手をした。
「話は座ってからにしよう」
ユウキは4人を連れて施設の方へ歩いて行った。

ユウキから最新の情報を入手した4人は次の行動について話し合っていた。
「問題はヴィーナスだ。どうする・・・」
渉流が真面目に悩んでいた。
「2日後にはあれが動き始めるんだろ?チッ、政府は正気か」
ケントもどうするべきか案が出せずにいた。
皆行き詰まり、会議室の中に思い空気が漂う。
「それにエヴェンジの動きも気になるわ」
幟唯がさらなる課題を出した。
「ここの戦力は?」
天がユウキに訊く。
「ペーマネンス級3隻、エターニア級1隻。あとはディスと戦闘機が40くらいだ」
ヴィーナスとエヴェンジを止める為には少なすぎる戦力だ。
そこにユウキが云った。
「ヴィーナスはハロを撃つ瞬間にフィールドが解除されるんだ。あれにダメージを与えるならそこしかないが・・・」
だがハロを撃つということは地球へその砲火が放たれるという事だ。
一同は沈黙していた。

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