ディサイション・パワード 2部第23話



アドバンスは、唯一の味方機である渉流の機体を援護しながらレボリューションに攻撃しようとする。
「ワタル!敵機を全部引き付けれんか?」
渉流は無茶苦茶だと思いつつも、了解してどうにか敵機を誘導しようとした。
しかし、自分1人に対し敵機は3機もいるので容易ではない。
「落ちろよ!」
春が渉流に攻撃をする。
渉流は回避し、リボルバーで反撃をする。
一進一退の戦闘を繰り広げる中、今までほとんど動かなかったリリスとフィンが行動を起こした。
「今よ!あの艦を直接狙えるわ!」
「うん!」
2機は背中を合わせ、照準をアドバンスへ向けた。
渉流はそれに気付いた。
「しまった!」
誘導しようとしていた方の自分が逆に誘導されていたのだ。
止めに行こうとしたが、春に邪魔され進むことが出来ない。
レボリューションとの戦闘で2機の動きに気付いていない天。
渉流は焦っていた。
「どぉけぇぇぇ!!」
振り切ろうとするが、流石にそうはいかない。
2機から高エネルギー反応が出始め、天はその時初めてそれに気付いた。
しかし、レボリューションの猛攻に対応が出来ない。
「いけぇぇぇ!」「シュートォォォ!!」
リリスとフィンがエネルギーを一気に放とうとした瞬間、フィンの機体の右腕が突然胴体から斬り離されていた。
2人は何が起こったのか判らず、混乱していた。
その時、2人の前に現れたのは純白の装甲に覆われたディスの姿だった。
「シイ!」
渉流は歓喜の声を上げた。
幟唯はまず、負傷した方のディスを蹴り飛ばした。
「きゃあああ!!」
フィンが悲鳴を上げる。
「このっ!」
リリスが幟唯に斬りかかった。
幟唯は回避し、反撃の体勢に移った。
「フィン、帰艦しろ。すでに奴らを引き付けたのだ」
永原が云った。
フィンはレボリューションに帰艦した。

ヨウは敵をなぎ倒しながら最後の命令を下した。
「後方に回した核攻撃隊。突撃させろ!」
その命令と同時に、今まで待機していた最後の核攻撃隊が動き始めた。
「これで終わりだ。黄金の女神・・・」
ヨウは独り言を云い、さらに敵機を倒しつつ先へ進んだ。

ヴィーナスではその動きに気付き、対応に追われていた。
「ぎ、議長!奴らのスピードが速すぎます!」
そして、ミサイルはその勢いのまま発射された。
創は冷静に対処しようと思った。
「落ち着け。すぐに艦隊を後方に集結させろ」
「無理です!味方艦隊は全て戦闘中か撃破されています!」
創は目を見開いて驚き、その後椅子に崩れ落ちるように座った。
「フィールド最大出力!どうにか耐え切るんだ」
彼は最期の賭けに出た。
しかし、それでは地球という物に対しての当初の目的が達成できなくなる。
だが、死んでしまっては意味がない。
それらを踏まえての決断だった。
フィールドを全開にし、ミサイルが次々とそれに当たり爆発する。
しかし、とうとうフィールドが貫通され、核ミサイルはヴィーナスに直撃した。
それから次々とミサイルが直撃し、ヴィーナスは徐々に見る影をなくしていった。
創は最後まで自分のいた場所にいて、優秀な兵士たちと共に最期の刻を迎えた。

アドバンスからもその光景が見えた。
「そんな・・・、ヴィーナスが?!」
天は動揺を隠せなかった。
そして、ユウキたちの姿も見えず、天は自分の不甲斐なさに苛立ちを覚えた。
一方のレボリューションでは作戦の成功にホッと胸を撫で下ろすほどだった。
アドバンスもレボリューションも各部を損傷していた。
しかし、ヴィーナスが陥ちたという事は、政府が負け、そして戦争が終わった事を意味していた。
2隻は戦闘を止め、両者の友軍機も戦闘を止めた。
「終わった・・・のか。こんな形で・・・」
幟唯は戦場だった場所を見ながら云った。
そこに渉流が近づいてきた。
「シイ!」
幟唯はそれに反応し、そっちを向いた。
「よかった・・・無事で・・・」
渉流はホッとしていた。
幟唯はフッと微笑み、2機は宙を浮いていた。

しかし、戦争はまだ終わっていなかった。
ジミュートと弥生がヴィーナスの方を見ていると、何かがこちらに向かってきていた。
「敵機?!戦闘はもう終わったんだぞ!」
ジミュートが云った。
しかしそれは止まることなく、それどころか攻撃を仕掛けてきた。
ブルーの鎧のような装甲に覆われた機体。
ノゥだった。
後方にはエターニア級『バースト』の姿があった。
「出過ぎだぞ。自重しろ」
それはユウキだった。
「あとはあの機体を奪還するだけだろう。任務はほぼ完了したようなものだぞ」
ノゥがそれに応答した。
「フォルティッシモ。私の元部下だ。あちらへ戻る前に処分しておかねば。それに他の3隻はどうした」
ユウキが答えた。
「沈んでもらった。どうせこの先役に立たんからな。早くケリを付けろよ、ミヤケ」
ユウキがノゥに向けてそう呼んだ。
「時間には間に合わせる」
バーストはその場でノゥの戦闘を観戦するかの様に留まり、ノゥはジミュートと弥生に攻撃を再開した。

一方、ヨウがレボリューションに帰艦しようとしていると、コックピット内に警報アラームが鳴り響いた。
「チッ、ルールも守れない様な輩が」
ヨウは向きを変え、その向かってくる敵機へ攻撃した。
それは天使の様な姿をした機体だった。
その機体はそこで止まり、ヨウの攻撃をフィールドで消滅させた。
そして弓の様な物を出し、ヨウに向けて矢を射った。
ヨウは瞬間移動し、敵機に一気に近づいた。
そして、セイバーで攻撃をした。
通常の敵ならば動きに翻弄され、成す術なくそのまま撃ち落されるのだが、その敵機は見切っていたのか余裕で回避した。
「その機体の動きなら見切っているわ。なんせ私があなたに託したのだから」
ヨウはその声に聞き覚えがあった。
それは、彼にこのディスを託したナイーブの声だった。
「ナイーブ・・・さん?」
「覚えていてくれたのね」
2人は戦場で再会してしまった。

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