ディサイション・パワード 3部第2話



派遣団、というか世界政府側から見るとテロリスト集団は政府本部への集中攻撃を開始しようとしていた。
防衛の為に次々と出てくる防衛軍の集団も見えてきていた。
「さぁ、戦争の始まりだ。全員ぶっ殺してやるよ!!」
全体が黒で統一され、背部には大きなコウモリの羽をイメージしたウイングがついている。
武器はナギナタの様な物だ。
そのBMに乗ったパイロットが云った。
すると、仲間の1人がそのパイロットに忠告した。
「イェル、油断するなよ。『エネミ』の技術は伊達ではない」
クールにそう云ったのは『ネアン・デルタール』だった。
彼がこの物語の主人公的存在となる人物だ。
サラサラで、肩の上までの長さがある白髪がパイロットスーツのヘルメットからはみ出ている。
白と赤、青と色々な色で彩色された装甲で、武装は刀とライフルだ。
装甲の強化より、機動力を重視したBMになっている。
エネミとは彼ら側の世界政府本拠地の名称だった。
そして、イェルと呼ばれたパイロットは『イェルマーク・ハプスブルク』だった。
上司や仲間からは、長い名前を略してイェルと呼ばれている。
「はいはい、私語はそこまで。敵が来るよ!少しは彼を見習ったら?」
彼らの部隊で唯一の若い女性パイロット『リス・サンダーボルト』が云った。
緑で統一された装甲で、空を飛べる量産型BMの強化機だ。
武装はライフルとスラッシャーで、ネアンの機体の様に機動力が重視されている機体だ。
そして、彼女が云った彼とは、彼らの同胞である『ジロンド・オーム』の事だった。
常に無口で、冷静な性格の変り種だった。
さらに変わっているのは、BMが主流とされるこの部隊で、唯一生きた機体に乗っている。
装備は超大型の斬艦刀だ。
「っしゃ、いくぜぇぇぇ!!」
イェルが先陣をきり、他の者たちも後に続く。
彼らは優秀なパイロットであるが、地球へ降りて来たばかりで、少し不具合を感じていた。
「思うように動かないな」
ネアンが独り言で云った。
防衛軍は地球での活動に慣れている為、動きがいい。
彼らは少々苦戦を強いられた。

防衛軍は戦後初めての戦闘で不安はあった。
優秀な部下らであるが、上官になった春も少しながら不安を抱いていた。
「ジミュート、オーシャン。分はこちらにあるとはいえ彼らは初心者だ。状況次第では俺も出るぞ」
春から通信を受けた弥生が云った。
『分かったわ。そっちはあなたに任せるから』
春は了解し、通信を切った。
そして、念の為に格納庫へ向かった。

弥生とジミュートはこの状況に参っていた。
そして、ジミュートはある決断をしていた。
「お前は他の議長方と先に避難しろ」
弥生は驚いてすぐに切り替えした。
「ちょ、ジミュート?!まさかあなた戦闘に出る気じゃ」
ジミュートは頷いた。
弥生はすぐに反応した。
「あなたはもう民間人なのよ?それに、ハルとは違って訓練もしてないし」
弥生の言葉は最もだった。
だが、彼は彼なりの考えを持っていた。
「今君を亡き者にする訳にはいかない。それこそ問題だ」
そう云って、2人は部屋の外に出た。
そして、ドアの前でジミュートが弥生に云った。
「俺は大丈夫だ。ハルもいる。だからお前は早く避難しろ」
弥生はジミュートを見上げた。
そして、何かを云おうとした時、ジミュートは格納庫の方へ走って行った。
彼女は彼が見えなくなるまでその背中を見続けていた。

春は戦火が拡大していくのを見て、出撃をしようとしていた。
そこに、1人の男が格納庫へ駆け込んで来て、そこにあった機体に乗り込もうとしていた。
「ん・・・?ジミュート?!何でお前が」
ジミュートは春の声に反応し、機体に乗り込んだ後応答した。
「俺も出る。これの動かし方を」
ディスの様な生きた機体とは違い、BMは自分でほとんどの操縦をしなければならない。
春は少し悩んだが、説明をし始めた。
飲み込みの早いジミュートは、すぐに機体を動かし始めた。
「よし、いける。ハル、一応援護頼むぞ」
「任せておけ」
そして、2大戦争の英雄たちが戦場へと赴いた。


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