ディサイション・パワード 3部第16話



ジミュートは本隊との合流の前、春に永原の所であった事を伝えていた。
「じゃあ、ミイは生きているんだな?」
春が訊いた。
「あぁ、生きていた」
ジミュートの言葉を聞いて、春はホッとした表情をした。
それを見て、ジミュートが云った。
「だが、敵として俺たちの前に現れるかもしれないんだ。あいつは・・・」
2人の間に沈黙が流れた。
そこに、オペレーターが云った。
「隊長。そろそろ合流予定の場所なんですが・・・」
春はオペレーターの口調を不思議に思い、訊いた。
「どうした?」
「本隊の姿がありません・・・」
春は意味が解らなかった。
「どういう事だ。本隊の位置、確認できるか?衛星を使え」
数分位経ち、結果が出た。
「すでに目標海域付近まで進行中です!」
春とジミュートは驚いた。
「何っ?!何故・・・。俺たちがまだ合流していないのに。とにかく追いつくぞ」
ディフェンスは速度を上げ、本隊に追いつこうとした。

ネアンたちは、戦闘命令が下り、前進していた。
「さぁ、来たぜ。お客さんだ」
今回は海上戦になるのが予測され、彼らは海上戦用のパーツが装備されていた。
脚部の裏側にブースターがあり、浮力で海面に浮くという物だ。
ただし、リスとジロンドは飛行が出来るので装備していない。
敵本隊が攻撃を開始してきた。
イェルはすぐに突っ込んで行った。
「1戦ぶりの戦闘だぁ。俺のテンションは高ぇぞ!!」
ナギナタを振り、一撃で2機を落とした。
「出過ぎだ。それと、はじけ過ぎだ」
ネアンが敵を落としながら云った。
ジロンドは空中から一気に大剣を振り下ろし、敵機を真っ二つにした。
リスも、ライフルとスラッシャーをうまく使い分けながら敵を落としていく。
今日も彼らが優勢に戦闘が始まった。

戦闘海域内に、2隻の艦が姿を現していた。
岸壁に隠れて身を隠している。
「始まったな、戦闘」
渉流だった。
「よし、艦を出す。ケントにも伝えろ。あの戦闘、止めるぞ」
天が部下に命令した。
そして、パイロットたちは、格納庫へと向かって行った。

ディフェンスはやっと本隊に追いついた。
春はすぐに本隊の指揮官に通信をつないだ。
「指揮官殿、何故本艦の到着がまだのまま」
「帰艦の戦歴は思わしくない。私が判断した。早く戦闘に加われ!」
云っている事が無茶苦茶だった。
だが、春は命令に従うしかない。
各機に出撃命令を出した。
「何だってんだよ、本隊は。滅茶苦茶じゃないか」
リオンが愚痴をこぼした。
「出撃前だぞ。私語を慎め」
ヴュルムが注意した。
その時、ミリは整備士に何かを云われていた。
「お譲ちゃん。今回は出撃しないでくれ。隊長には俺が云っておくから」
機体の調子が悪いという事だった。
だが、ミリは出撃すると云った。
「今回の作戦が失敗すれば戦況は不利なままになるんでしょ?だから、私も出て何かしなきゃ」
整備士は戸惑っていた。
「大丈夫ですよ。ブースターの調子が少々悪くても、今回は『フライトファンクション』に乗っての出撃だし。整備士さんには感謝してるから」
フライトファンクションとは、DMが飛行する為に乗る、飛行台の事だ。
そう云うと、彼女は整備士が止めるのを振り切って機体に乗った。
「ミリ、大丈夫か?」
「大丈夫、いける」
そして、5機の機体が戦場に出た。

イェルが宿敵たちの姿に気付いた。
「来たぜぇ。今日でサヨナラにしてやる」
4人は後方を任せ、ディフェンス攻略に徹底する事にした。
向かってくる敵をなぎ倒しながら、宿敵の前まで来た。
「あいつら!」
リオンが云った。
彼らも宿敵に向かって突進した。
「無茶はするなよ。最大の目標は基地の奪還だという事を忘れるな」
ジミュートが4人に云った。
そして、彼は春から受けていた命令を遂行しようとし、ジロンドに突っ込んで行った。
「お前は俺が食い止めろって云われたんでな」
ジロンドはすぐに反応し、大剣で攻撃を振り払った。
リオンはライフルで牽制しながらネアンにトンファで攻撃した。
ネアンはそれを刀で防いだ。
「今回は遊んでいる暇はない。落ちろ」
敵のボディーに蹴りを入れ、刀で敵の右腕を斬りおとした。
「ぐぅっ、このっ!!」
リオンは残った左腕のトンファで、ディスの最後の力を振り絞って攻撃した。
しかし、ネアンはそれも軽々と回避し、勢いで向かってきた敵機の足を斬り、海面に向けて蹴り落とした。
「うわああああ!!!」
リオンは成す術なく、そのまま海面に叩きつけられ、そのまま海中へと沈んで行った。
「リオン!!」
ヴュルムがリオンの撃墜に気付き、叫んだ。
そこに、イェルが飛び込んできた。
「てめぇも邪魔だ!」
素早い攻撃で敵機の両足を切断した。
そして、ライフルを撃ち、弾丸を敵機に撃ち込んだ。
ヴュルムは叫び声を上げながら落ちていき、近くにあった岩場にぶつかった。
動くことが出来ず、そのまま彼の動きは止まった。
「これ、もーらいっと」
イェルは、ヴュルムが乗っていたフライトファンクションを奪い、乗った。

「こんのぉ、あんたは!」
ミリがアックスでリスに斬りかかった。
リスはスラッシャーで切り払い、弾き飛ばした。
「ええいっ!」
マヤが快心の1投を投げた。
「あんたの攻撃はっ!」
リスは人間技とは思えない動きで避け、一気に間合いを詰めた。
「もう見切ったぁぁぁ!!」
超磁力の出る右手をスラッシャーで斬った。
そして、動きが鈍くなった敵機のコックピットを目掛け、スラッシャーを突いた。
「もらったぁぁぁ!!」
それはコックピットを直撃し、マヤの体も貫通した。
グゴッと鈍い声を出し、マヤは即死した。
リスはスラッシャーを手放し、ライフルを3,4発撃ち込んだ。
敵機は爆散し、ミリが叫んだ。
「マヤぁぁぁ!」
そこにネアンが斬り込んで来た。
やはり、飛行をさせないために両足を斜めに斬った。
「キャッ」
ミリが短く叫んだ。
「終わりぃ」
続けて、イェルがナギナタで突いて来た。
その時、ミリの機体のブースターから黒い煙が上がり、墜落していった。
イェルの攻撃は、敵機の頭部に直撃した。
「あれ?」
彼は落ちていく機体を見て云った。
「ネアーン。勝手に落ちたぜ、あの機体。どうする?」
「サンプルは多い方がいいだろう。回収しておけ」
ネアンの言葉を聞いて、イェルは故障した機体を抱えた。
「残った部分、俺の機体のパーツにしてもらおっと。先帰るぜー」
そう云って、彼は撤退して行った。
現時点でディフェンスは、ジミュート以外の機体が撃沈した。

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: