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ハジマリノ歌 Nova1「夢叶ウ時」
後悔、憎悪までもを力に変え戦い続けた男がいた。
紫色の髪、彼自身を現すような蒼く冷たい瞳、漆黒の鎧とマントを纏い、長身の剣を腰から下げている。
名はノヴァ・ワグナー。
ボルドー王国とカディス王国の戦乱の中に身を置いていた。
「国王!大変です!」
「何事だ」
「カディスの新兵器により我が軍の八割の戦力を消失!白龍も撃たれました!!」
「なんだと!!」
声を荒げるボルドー三世国王。
「ここは一旦兵を退き、国王も国へ退却願います!」
「うぅむ・・・、止むを得んか。一時撤退だ!全軍に通達しろ!!」
ボルドーの座る椅子の横に立っている青年。
彼こそがノヴァだった。
「国王」
「なんだ」
ノヴァは不意に銃を抜く。
「な、なん・・・」
ボルドーは口を押さえられ声が出せなくなる。
「意見の不一致だ。お前は良く頑張った」
冷酷な言い回しでボルドーの額に銃を突きつける。
ボルドーはモゴモゴと叫び声を上げている。
だが、その声は誰にも届かない。
「調子に乗って前線に出てくるからこうなる。出てこなくても殺したが」
ノヴァはそう言い、引き金を引いた。
銃声がし、警備兵が一斉に部屋に入ってくる。
「こ、国王!!」
「貴様っ!!」
警備兵たちは銃を一斉に連射した。
ノヴァは黒いグローブを装着した右手を前に伸ばした。
すると全ての銃弾はノヴァの伸ばした手の前で床に落ちた。
「流石はカディスの一級品だ。悪くない」
ノヴァは銃で的確に警備兵を撃ち殺していく。
全員が床に倒れ、床は血の海になっていた。
王の座っていた椅子を三度揺らす。
すると、床からボタンが出てきた。
「これでボルドーは終わりだ」
ノヴァは躊躇いなくそれを押し、次の瞬間大爆発を起こし自爆した。
彼はどうやったのか、無傷で先程までいた場所から離れた所にいた。
自軍の後方で起こった爆発で動揺しているボルドー兵を、次々斬り殺していく。
「ノヴァ、裏切るのか」
右腕がキャノン砲になっているボルドー軍のサイボーグがノヴァ目掛けて撃った。
「五月蠅いハエめ」
ノヴァは尋常でない動きをし、一瞬でサイボーグの懐に入った。
「なっ!?」
「消えろ」
長身の剣でサイボーグの体を貫く。
サイボーグは静かになり、その場に倒れた。
今戦闘をしているボルドー兵以外を全て排除したノヴァは、次のターゲットを絞った。
「次はカディスだ」
すると彼の姿はその場から消え、戦闘が行われている最中の場所へ現れた。
すぐに敵味方構わず斬り殺していき、数分後には彼の周りに生きた人はいなかった。
ノヴァはふと前方を見た。
すると、三人の生きた人間の姿を確認した。
「あれが最後か」
ノヴァの姿が再びその場から姿が消えた。
その時彼は三次元と四次元の狭間で高速で移動していた。
しかし彼の体には全く負荷が掛かっていないようだ。
さっきもこれで脱出したらしい。
「消えろ」
その異次元から剣だけを三次元に突き出し、一人を斬った。
外からは数人の叫び声が聞こえる。
間髪置かず次の敵を斬る。
そして最後の敵を斬ろうとした時、銃声が聞こえた。
ボルドー兵の生き残りがいたらしい。
「まだ生き残りがいたか」
ノヴァは姿を現し、ボルドー兵を撃った。
「あとはカディスの雑魚と王のみだ。ハーハッハッハッハ!」
高笑いをし、一気にカディス宮殿へと飛んだ。
中にいたカディス兵を全て殺し、最後に王室に入った。
「撃てーっ!!」
彼が部屋に入った瞬間に、一斉に銃撃を受けた。
「ぬるい」
ノヴァは平泳ぎで水をかくように両手で自分の周りの空間をかいた。
するとさっきと同じでその空間に接した瞬間、銃弾は床に落ちた。
「あ、あれは我が軍の・・・」
「DSバリア?!バカな・・・」
「何故我が軍の者でない者がそれを」
Distortion Space barrierの略。
カディス軍最新鋭の防御装置である。
カディス軍でもコスト面の問題で最上級クラスの者しか所持していない。
「話す必要があるか?」
ノヴァは銃を抜き、その場にいた国王以外の全員を撃ち殺した。
そしてゆっくりと歩み寄り、カディス国王ロンド一世の目の前で立ち止まった。
「長かったな。これでやっと終わる。さぁ、死んでくれ」
ノヴァは銃を構え、ロンドの頭部を撃った。
フーッと息ついた時、どこからか声が聞こえた。
<貴様の思い通りにはさせん。さぁ、来るがいい>
「誰だ」
すると玉座の後ろが開き、階段が現れた。
「くだらない仕掛けを」
ノヴァは躊躇う事無く階段を降りていった。
階段を降り切ると、直線の廊下があった。
普通の足取りで突き進んでいく。
すると目の前に大きな扉が姿を現した。
「なんだ、ここは」
その時、後方から叫び声が聞こえた。
「貴様っ!」
ノヴァは一瞬声のする方を向く。
そこには金髪で剣を装備し、白い鎧で体を覆っている青年が立っていた。
ノヴァはすぐに扉の方へ視線を戻した。
「皆殺しにしたと思ったが。まぁいい。この扉の向こうに何がある?」
「そこを動くな!!」
後ろから走ってくる音が聞こえてくる。
しかし気にせず扉に手を伸ばし、少し強く押した。
その瞬間扉の中から光が溢れ出し、視界全体を覆われた。
「グッ・・・」
彼の意識はスーッと遠退いていった。
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