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ハジマリノ歌 25話「しもべの最期」
レオンは叫び、呼びかけた。
「この国は間違った!もう以前のカディスはここにはない!俺を信じ―」
「惑わされてはいけません。彼は敵です」
アモンがレオンの言葉を遮った。
マリアは彼らの言葉が聞こえていないかのように、表情一つ変えていない。
そして次の瞬間、レオンは彼女の口が動くのを見た。
「呪文!?」
「始まりです」
レオンは二人から距離を離そうとした。
「漆黒の空より降り注ぎし光―メテオ」
マリアが呪文を唱え終わると、空中に巨大な火球が姿を現し、レオン目掛けて降下してきた。
レオンは必死に逃げ、どうにか直撃は免れた。
だが巨大な火球は地面や建物を吹き飛ばし、レオンもその爆発が吹き飛ばす。
「うわあああぁぁっ!!」
空中で身動きが取れない状態のレオンに、アモンが襲い掛かった。
「とどめです」
アモンの剣が突き上げられた。
「ま、だだっ!!」
レオンはバリアを展開し、アモンの攻撃を防いだ。
「それを持っているのはあなただけではありませんよ」
彼はレオンに一気に迫り、右腕を思い切り突き出した。
するとレオンの展開したバリアが瞬時に中和された。
「DSバリア!?」
レオンは地面に着地し、間髪置かずアモンに迫る。
しかしそれはマリアの攻撃で妨害された。
「マリア!!」
「無駄です!」
余所見をするレオンに容赦なくアモンが攻撃を繰り出してくる。
圧倒的劣勢に、レオンは一時態勢を整えるため退却しようとした。
「逃げるのですか!?」
「勝てるかよ、こんなの!!」
レオンは躊躇う事無く敵に背を向けて走り出した。
「なんという・・・」
アモンは彼を追おうとした。
が、それは止めた。
マリアがレオンの逃げ道を封鎖すべく、絶え間なく攻撃を繰り出してくる。
「チッ、厄介に」
彼は彼女の攻撃からも必死に逃げた。
「ちょこまかと鬱陶しいですね・・・。もういいです、マリア。あとは私が」
「グッ・・・」
いい加減体力の削がれたレオンはアモンを相手出来る自信はなかった。
その時、マリアが叫んだ。
「レオン!バリア!!」
「あぁっ!?」
レオンは言われるがままにバリアを張る。
「何です?マリア、あなた何を」
「太古より呼び戻されし創造の神、汝の罪を受け入れよ―エクストリーム!」
次の瞬間、アモンとレオンの立っている地面にヒビが入り、その隙間から炎が噴き出した。
よく見ると、マリアがレオンを追うように攻撃し、地面を抉って魔法陣が描かれていた。
大爆発と同時に大量の炎が二人を包む。
「バリアが・・・、もたない・・・」
バリアを張ったレオンでも限界に近かった。
アモンはそんな事をする間もなく、直撃を受けていた。
「コナクソッ!!」
無謀にもレオンはバリアを解除し、剣を構えて走り出した。
「とぉどめぇぇぇ!!」
「何っ!?」
骨の髄から溶かされていきそうな高温の炎の中で、レオンが会心の一撃を繰り出した。
その一振りがアモンの体を斜めに裂き、その裂け目から鮮血が噴き出す。
「ググッ・・・、卑怯な・・・」
「早く死ね・・・。暑くてたまらん」
徐々に炎が消えていった。
その中からレオンと倒れているアモンの姿が現れた。
レオンはマリアの方を見る。
「ご・・・めん・・・、うっ、ううっ・・・」
マリアは急に泣き崩れた。
「何を謝ってるんだ?お前は俺を助けてくれた、それでいい」
レオンがマリアの顔を上げさせる。
「国の外に出ていろ。安全な場所に。迎えに行くから」
そう言って彼はマリアに口づけした。
マリアは全て受け入れ、流れに任せた。
「最後の掃除に行ってくる」
「絶対・・・帰って・・き・・て・・・」
レオンは立ち上がり、彼女を見て言った。
「当然」
そう言い残し、レオンは王宮の中に入って行った。
ノヴァとセロは激しい戦闘を繰り広げていた。
「しぶとい!」
ノヴァは剣を片手で振り下ろした。
セロはそれをDSバリアで防ぐが、流れるような動作でノヴァがDSバリアを使って中和する。
「なっ・・・。やるわね」
彼女は手首を捻り、刀を振り上げる。
ノヴァはそれを回避した。
「お前にこれ以上構っている暇はない!」
「あら、そう。それは残念ね。終わりにする?」
セロが挑発的に言った。
するとノヴァは剣を持って振りかぶり、思い切り投げた。
それは一直線にセロを目掛けて飛んでいく。
「無駄ね」
彼女はバリアでそれを防いだ。
と、その時、ノヴァが間髪置かずに飛び出してきた。
バリアを展開し、中和する。
「小癪な・・・。でも素手でどうするつもり?」
「どこからそんな余裕が出てくる」
次の瞬間、ノヴァの右腕から爆発が起こった。
セロは意表を突かれ、回避し損ねた。
直撃し、体前半分が吹き飛ばされる。
「呪文の・・・中断だと・・・?!」
「剣技だけの無能者と思うな。お前の負けだ」
ノヴァは銃を抜き、セロの頭部に銃口を突き付けた。
「終わりだ、セロ」
引き金を引こうとした瞬間、セロが言った。
「お願い・・・。あの人を・・・、止め・・・て・・・」
同時に銃声が鳴り響いた。
ふと視線を落とすとセロの装備していた防具の間から何かがのぞいていた。
ノヴァはそれを取り、見てみる。
それは写真だった。
それにはカディス軍総帥オドアケルとセロが写されていた。
写真を見た後セロの亡骸に目をやる。
「どこまで迷惑な女だ、貴様は」
ノヴァはその場を後にし、王宮を目指した。
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