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ある日、電話がなりました。
冬眠中のワタクシが
ぐだぐだしながら、その電話を取ると
オーナーからでございました。
「ミス。あなたの住んでいるところが、売れました」
What
did
you
say?
去年のどたばた不動産劇の続編の
開始です。
頭の中で、ゴングが再び、かーーーーーーーーーーん、と鳴り響きます。
昨年2008年のクレイジーな不動産沸騰劇の中、
しっかりものの我がオーナーは、最高値で
この不動産を売り抜けました。
恐るべし、ビジネスマン。
誰なの、こんなバカみたいな高い物件を買う余裕モノは?????
「あの、、、、新しいオーナーって、誰なんですか?」
「ミス。
私も知りません」
知らないって・・・(爆)
ともかく。
誰なの、そのMr Xは。
そして。
ある晩、一本の見知らぬ電話が。
Mr X は、Ms X でございました。
「こんにちは。私が新しいオーナーよ」
新しく契約を結ぶため
私たちはとあるコーヒーショップで会うことになりました。
「オレンジのかばんを持っているボブカットの女性」
そんなSMSを頼りに、待ち合わせの駅できょろきょろしていると。
後ろから、声をかけられました。
「あの・・・ミスゆえじ?」
ワタクシ「・・・・・・・・・・・・・」
あんた
あたし???????
そこには、三十路女子シンガポール版、ぴちぴちした肌をちょっと通り越した
疲れた表情を、崩れかかった化粧でつつんだ
まるで私のような女性が立っていたのでした。
コーヒーショップで
私たちは、話し始めました。
分かったことは
彼女は年下。
一人でこのユニットを、あのバカ高い不動産市場沸騰の頂点で
買ったのだそうです。
あたしは、ネゴシエイトもそこそこに
彼女から、目が離せません。
「あの・・・・・すごいですね。若いのに。
どうしてそんなことが可能なの????」
あたしゃ、聞いちゃいました。
そしたら。
「離婚したの。
あたし、一人で、自分の城を持たなきゃいけないから。
おかげでキャッシュはすっからかん。
おまけにファイナンシャルクライシスで、
今の仕事も続けられるかどうか。」
と
ふかーーーーーーくため息をついたのでした。
あたしゃ
もーーーーーーーーーー
家賃の交渉だの、なんだの、どうでもよくなって
「そうだったの・・・・・・・・大変だったね。
一人でそんなこと・・・・
でもすごく勇気あることだよね。尊敬する」
一体、私たち
何の話を???????
という状況でございました。
コーヒーが冷え切ったところで
とりあえず、話を終了し
契約の更新うんぬんで
次ぎ会う日程を決めるため
彼女が、手帳を取り出しました。
そこでまた驚きが。
同じ手帳を持ってました・・・・・・
あたしゃ
深く深く
驚いた。
疲れた表情を抱え
手帳の間から
くしゃくしゃになったメモ帳が
零れ落ち
色々と書き込まれたその予定帳をくくる
彼女の手元を
深く深く見つめてしまいました。
彼と別れて、私も家を買おうと思って
けれど、買わない、というか買えずに
「家さえあれば」
そう願い続けた先に
男と別れ、キャッシュを全部はたいて
家を買ったが、仕事を失う恐怖と戦い
月々これから払う膨大なローンに
おののいている三十路女子。
そんな彼女に出会いました。
別れ際に彼女が呟きました。
You look young.
あなたは若く見えるね。
これは、そう。
もう一人の私の物語。
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