Serendipity

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恋する香水



私の母はピアノの仕事をしていました。
ホテルのラウンジやBARのピアニストでした。(プロダクションに入っていた後、独立。現在はオルガン奏者です)
両親は私が幼稚園の頃に別居したので、母の仕事があるときには、家で祖母と妹と3人で留守番でした。泣き虫の私は、母が出かける時間になると、泣いてぐずり、そんなときには母の使う香水の残り香のある、タオルケットにしがみついて、泣きながら眠りに落ちていく、というのがいつものパターンでした。

そんなわけで、ディオリシッモの香りを嗅ぐと、その頃のちょっと寂しい思い出が蘇り、切ない気持ちになってしまうのです。
いい香りだなあ、と思いながらもその思い出のせいで自分ではつけることのできない、香りです。

今はそんな泣き虫で可愛らしかった幼少の面影は、どこかにいってしまい、母としてもあの頃はほんとかわいかったのに!!と思っているでしょうね(笑)

その後中学生になって、化粧室(正確にはその当時は”お手洗い”ですよね)に入った瞬間、このディオリッシモの香りが漂い驚いたことがありました。
中学校1,2年生の当時はコロン(懐かしい~っ)くらいしかつけてなかった私達にとっては、学校に香水(まあ、オードトワレを含み)をつけてくる、ということは衝撃的でした。
匂いの発生源は学年でも1番、大人びたHちゃんでした。さすが彼女は違うっ!と感心したものです。

ちなみに私が通った学校は都内港区にある小・中・高・大と一貫教育のミッション系女子校。
制服はありましたが、自由な校風でしたので、高校生になると、アナイスアナイスが大ブームの際はみんなつけてましたねえ(苦笑)



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