エナレスにHELP!!1


「早山冬夜―!!早くこねえと昼休み終わっちまうぞ。」
「おぉー、今行くー。ひゃっほー!」
この、おちゃらけたいかにもバカそうな男は“早山冬夜”。この物語の主人公だ。
もう一人の主人公は、早山冬夜と同じクラスで学級委員の早山遊季。
まずはこいつら、つまり早山冬夜と、早山遊季についてもう少し知っておいてもらいたい。その前に私の自己紹介をさせてもらおう。私には特にこれといった名前はない。そして、姿形もない。しいていえばエナレスの神とでもいっておこう。まぁ、神など信じるものは少ないが・・・。さぁ、本題に入ろう。
早山冬夜と早山遊季は同じ丸ヶ崎高校の1年F組のクラスメイトだ。(丸ヶ崎高校といえば県内トップ校だ)ちなみに早山遊季は学級委員(学年委員長)だ。黒髪のショートカットだ。いつも学年トップ。そして生徒たちからは天才と呼ばれることもしばしば。だが本当はとても努力家だ。部活は吹奏楽部でトランペットを担当している。早山冬夜はグレーのツンツン頭で制服もかなり着崩ている。表向きは勉強出来ない運動バカだが、本当は勘が良く頭がきれる。わけあって家では料理や洗濯などの家事もこなしている。部活は剣道部。1年にして夏のインターハイでは上位に君臨するほどの持ち主だ。
2人は苗字が同じだということ、性格が正反対だということからお互いに嫌っている。ほとんど口を聞かないこんな2人にもいくつか共通点がある。その1つは読書好きだということだ。

――9月12日 放課後――ミーンミンミンミン
もう9月だというのにカナリ蒸し暑いこの日にすべては始まった。
早山遊季は月に一度行われる代表委員会(学級委員が学年ごとに集まってする会議)に出席している。隣に座っているのは森風太だ。彼も1年F組の学級委員だ。少し抜けているがやる気はある。そして何より優しい男だ。
今月のテーマは「2学期の学年向上」だった。遊季は学年委員長らしく全員にむかって話をしている。そしてたくさんの案が出た。それを書き留めるのは森風太の役割だ。字が上手いわけではないが丁寧に書こうと努力している。
そして日が傾き始めたころ委員会は終わった。木曜日。吹奏楽部は自主練日だ。あまり練習している人はいないが・・・。そんなこともあって遊季は決まって図書室へ行く。

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