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オプション
オプションの期限前行使について
<現物株の場合>
オプションの早期行使(アーリーエクササイズ)について考察してみましょう。
<プットの早期行使について>
もし、あなたが株のプットオプションを与えられるとして、アメリカンにしますか、それともヨーロピアンにしますか?答えは、アメリカンの方がお得なのです。というのも、プットを持っている会社が倒産寸前という事体にでもなろうもんなら、あなたは、大喜び。倒産すると、株価は、ゼロ以下にはなりようがないので、倒産確定時に、プット権利行使し、「行使価格-ゼロ」を即刻換金できます。よって、(アメリカン・プット>ヨーロピアン・プット)ということが、ほぼ、言えるのです。株価がゼロになる前でも、ゼロ近辺で権利行使できればしめたもの。
<コールの早期行使について>
コールに関しては、多少話がややこしくなります。原資産が満期までに配当を払うかによって、答えは微妙に変わります。
(1)満期までに配当などのキャッシュフローがある場合:アメリカン・コールは、権利行使して、この配当を即座に受け取ることができるので(アメリカン・コール>ヨーロピアン・コール)となる場合があります。しかし、その場合においても、配当が小さすぎて、機会費用となる金利分をまかなえない場合は、その限りではありません。)
(2)満期までにキャッシュフローが無い場合:(アメリカン・コール = ヨーロピアン・コール)となります。理由は、ヨーロピアン・コールは、最低でもSo-X/(1+Rf)^Tとゼロを比べて大きい方の価値を持つのに対して、アメリカン・コールは、最低でもSo-Xの価値を持ちます。つまり、ヨーロピアン・コールの最低値は、アメリカン・コールの最低値よりも大きい。ところが、理屈上、アメリカン・コールの価値がヨーロピアン・コールの価値よりも低いことは有り得ない。つまり、アメリカン・コールの最低値は、ヨーロピアンと同じ、So-X/(1+Rf)^Tとゼロを比べて大きいほうとなります。つまり、理論価格は、どちらも同じとなるのです。つまり、アメリカン・コールを満期前に、行使するよりも、そのアメリカン・コールを権利行使せずに、(理論価格において)転売した方がお得ですよ、ということです。
つまりコールオプションについてキャッシュフローが無い場合には、早期行使は、無意味だということを覚えておきましょう。早期行使するなら、転売するか、あるいは、満期まで待つかという選択が正解です。
これは、例えば、あなたが、雑誌の定期購読しているとして、これを更新する時のことを考えてみるとわかり易い。早めに定期購読を更新することによって、何かの特典(キャッシュフロー)が無いなら、現在の契約が切れる前に更新して金を払い込むのは、金利分損することになりますね。結局、原契約が切れるぎりぎりまでねばってから決定した方が合理的なのです。気がかわるかもしれませんし。。。
<先物の場合>
現物株の場合には、アメリカンコールは、必ずしも早期行使が良いとは限らないということでした。さて、先物の場合には、コールもプットも早期行使がお得かも知れません。というのも、例えば、ディープインザマネーの先物のアメリカンコールはほぼ原資産である先物と同じ動きをしますが、投資家としては、早期権利行使をして先物をロングすることによって、委託証拠金口座に入れてある現金に利息がつくからです。よって、アメリカンコールの方がヨーロピアンコールよりも値段が高いのです。
<フォワード契約の場合>
先物の場合と異なり、アメリカンコールも、ヨーロピアンコールも同じです。というのも、フォワードを権利行使してゲットしても、先渡し日までは、決済が発生しません。よって、早期行使の意味がありません。
<プットコールパリティについて>
ちなみに、パリティ成立は、ヨーロピアンオプションのみの考察です。最も理解しやすいのが、以下の2つのポジションを作ることです。
Fiduciary call (フィデューシャリー・コールと呼ぶ)
Protective put (プロテクティブ・プットと呼ぶ)
この両者について、オプション満期時の損益を考えてみます。原資産価格をSo及び、ST(満期時)で表し、権利行使価格をXで表します。
Fiduciary callは、コールと「権利行使価格」をリスクフリーレートで割り引いた債券を合成してつくります。満期時に、この合成ポジションは、(原資産価格>権利行使価格)の時、権利行使がなされ、ST-X+X = STの価値を持ちます。一方(原資産価格<権利行使価格)の場合、権利行使はされず、オプション部分の価値はゼロなので、Xの価値を持ちます(ちなみに、権利行使価格をリスクフリーレートで割り引いた債券は、満期時に、Xの価値を持つことに注意)。
Protective putは、プットと原資産を合成してつくります。満期時に、この合成ポジションは、(原資産価格>権利行使価格)の時、権利行使はされず、オプション部分の価値はゼロなのでST(原資産)の価値を持ちます。一方(原資産価格<権利行使価格)の場合、権利行使がなされ、X-ST+ST=Xの価値を持ちます。
以上からわかるように、Fiduciary call もProtective putも共に(原資産価格>権利行使価格)の時、STの価値を持ち、(原資産価格<権利行使価格)の時Xの価値を持ちます。
つまり、満期時において、Fiduciary call =Protective putが成立します。ということは、「現時点、あるいは、ポジション開始時」においての合成ポジションの価値も上記関係を満たしている必要があります。したがって、
Co+X/(1+Rf)^T = Po+So が成り立ちます。
プットコールパリティとは、コール/ボンドのポートフォリオは、プット/原資産のポートフォリオに等しいという関係を表したものです。
さて、もしオプション満期前に、原資産が正のキャッシュフローを持つ時には、上記関係は修正されなければなりません。
Co+X/(1+Rf)^T = Po+[So-PV(cash flow)]
これは、単純に、株式の配当落ちについて想起すれば良いと思います。株が配当を払った場合には、現在の株価は、配当の現在価値分、価値が減少するからです。
さて、キャッシュフローの無い場合のパリティに話を戻します。さて、これをフォワード契約におけるパリティへと発展させてみましょう。
ここで、フォワード契約は、原資産の価格を用いて表せば、
F=So*(1+Rf)^T
となります。よって、上記パリティ式のSoを入れ替えて、移項し整理すれば
Co+[(X-F)/(1+Rf)^T] = Po が成り立ちます。
さらに、右辺に、フォワード契約の現時点の価格「0」を足してみると
Co+[(X-F)/(1+Rf)^T] = Po+0 が成り立ちます。
この式は、プットコールフォワードパリティと呼ばれます。
覚え方は、原資産のプットコールパリティと似ています。
左辺は、コール及び、満期価格を「X-F」に持つボンド。
右辺は、プット及び、フォワード契約。
共に、ロングポジションです。
詳しい説明は、省きますが、これらのポジションは、満期時に、原資産がどのような価格であっても、同じ価値を持ちます。
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