BCGグロースマトリックス



BCGマトリックスの要諦は、各事業が必要とするキャッシュフローの性質を特定し、事業ポートフォリオの中で、複数の事業をどのように再構成すればよいかについての指針を与えてくれることにあります。

BCGのマトリックスは、縦軸が、「業界の成長性」で、横軸が「企業の相対的マーケットシェア」です。

業界の成長性は、経済全体の成長率と比べて速いか遅いかで、プロットします。

相対的マーケットシェアについては、例えば、ある事業のマーケットシェアが10%、その業界内の最大のライバルのシェアが30%とすると、10÷30=0.3となります。この比率が1以上の時(つまり、その事業が業界最大シェアを誇る場合)にライバルに対してコスト優位の状態であると考えられます。

さらに、マトリックスは4つの領域に分けられます。①スター(星)、②?(疑問符)、③キャッシュカウ(牛)、④ドッグ(犬)、です。

①のスター事業は、長期的利益と成長機会を与えてくれます。

②の?に属する事業はマーケットシェアは低いものの、高成長の業界に属しており、うまく操ればスターに変身できます。そのためには潤沢なキャッシュフローが必要となり、そこに、経営判断が求められます。

③のキャッシュカウについては、成長性は低いがマーケットシェアが高く、コストリーダーでもあります。普通、成熟産業に見られます。利益率は高いものの、成長機会に乏しいので設備投資は必要ではなく、その結果、キャッシュを生み出しています。

④のドッグは、金食い虫です。もともと低いマーケットシェアを確保するためだけに、追加の設備投資を迫られます。

(問題)さて、ここからが本題です。このようにマトリックス上に分類した後で、経営者はどんな判断をすれば良いのでしょうか?

(答え)スターを強化し、?をスターに仕立て上げることです。そのためには、キャッシュカウから得られた潤沢な資金をスターに注入するのです。
スターの中で、最も成長性の無さそうな事業からは撤退すること。ドッグは、速やかに撤退です。そして、もし企業に十分な牛、星、疑問符がない場合には、買収や売却を検討するのです。

(注)BCGマトリックスは、企業の競争優位の判断材料として、マーケットシェアのみを採用するなど、分析が単純過ぎるので、実際には、より奥深くカスタマイズして使用する必要があります。

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