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左側の「ディファードタックス」を加筆修正したので、ここに記しておきます。↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ディファードタックスディファードタックスという「負債項目」は、どのように発生し、どのような意味をもつのでしょうか。★レポーティングには、「ファイナンシャル・レポーティング」と「タックス・レポーティング」の2種類あります。(注:これは米国に関してであって、例えば、日本、ドイツ、スイス等の国々は両者が一致しているので、通常、ディファードタックス項目は、あまり頻繁には出てこない。ここでは米国の話を中心とします。)★さて、通常、企業は、ファイナンシャル・レポーティングにおいては利益を多く出ているような表示を好むのに対して、タックス・レポーティングにおいては利益を少なくしたがります。これは、当期の課税額を減らし、将来に延期することによって、例えば、減税等により将来の課税額が減ることを期待しているわけです。これは、オプションの価値とも言えるでしょう。また、同じ金額を払うのであれば、将来払うことによって、遅延させた期間の分の金利収入を得ることができます。★ところが、ファイナンシャル・レポーティングに基づく利益に対する課税金額は財務諸表上に表示しなければなりません。これは、実際の支払い金額(タックス・レポーティングによる)の金額と異なります。通常、企業は税金の支払いを遅延させる傾向があるので、.............財務上の税金費用>実際の支払い課税額となります。★これを仕訳で見てみると以下のようになります。Income Taxes Expense…1,000....................Income Taxes Payable…800....................Deferred Income Taxes…200★上記においては、実際の支払い課税額が、Income Taxes Payableに相当します。★ディファード・インカム・タックスは、短期負債として分類されるものもあれば、長期負債として分類されるものもあります。Installment Receivablesに関して発生したディファード・インカム・タックスは短期負債となりますし、Accelerated Depreciation Methods使用により発生したディファード・インカム・タックスは、長期負債となります。★企業は、ディファード・インカム・タックスを発生させ、実際の税金支払いを将来に遅延させる傾向があることを説明してきましたが、その方法は2つあります。それは、ファイナンシャル・レポーティングにおいて、(1)費用の認識を前倒しにすることと、(2)収益の認識を後ずれさせること、です。前者は、固定資産の減価償却においてAccelerated Depreciation Methodの採用がその一例ですし、後者については、企業が物品を販売した際の、分割払いのアカウンティングにおいて、Installment Methodの採用がそれにあたります。ちなみに、インストールメントメソッドにおいては、ファイナンシャル・レポーティイングにおいては、販売直後に収益を計上しますが、タックスレポーティングにおいては、現金受け取り時にしか収益を計上しなくても良いことになっています。★ディファード・タックスのキャッシュフローへの効果としては、以上のこと(税金の繰り延べ)が起こると、通常、営業キャッシュフローは、純利益よりも大きくなります。★ディファード・タックス・ライアビリティは、現在価値で表示する必要はありません。一方、FASBは、ほとんどの長期負債を現在価値(カレントバリュー)で表示することを義務付けています。(注)ファイナンシャル・レポーティングとタックス・レポーティングの収益費用認識の相違の他の例として、ワランティエクスペンズの取り扱いがあります。タックスレポーティングにおいては、ワランティエクスペンズは、実際に、保障が発生し、現金が出て行くまでは、タックス・アカウンティング上、損金認識ができません。したがって、Taxable Incomeが(大)きくなり、結果、Tax Payableは、(大)きくなります。(2004.06.03加筆修正)
2004年06月04日
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アメリカでは、ストックオプションの付与について、新しい会計ルールが適用されようとしています。FASBは、ストックオプションについて、費用化を義務付ける方向で話が進んでいます。ストックオプションは、現在はPLに費用として反映させる義務はありません。しかし、その場合でも、注釈に費用化した場合のコストや、実質の純利益などを開示するよう、求めています。例えば、米国某雑誌からの引用ですが、もし「イーベイ」が過去5年間のストックオプションを費用として計上すると、現在、見かけでは8.4億ドルである純利益が、8.27億ドルも減少してしまい、たったの0.13億ドルしか利益をあげていないことになります。さすがに私も、これはヒドイと思います。いわば、円換算で、約850億円程度だった利益が、実は、15億円しかなかったと。要するに、米国会計界では、ここのところを、ちゃんとしようということです。ただ、これは、シリコンバレーの企業からは、支持されていません。というのも、彼らは、ストックオプションがあるおかげで、優秀な人財を獲得することができていたからです。ストックオプションの費用化が実現すれば、企業は、早晩、ストックオプションをやめざるを得ないでしょう。シリコンバレー派の主張によれば、ストックオプションの価値を正確に計算することは不可能であり、費用化によって、投資家は一層混乱する可能性がある、というもの。これも一理ありますが、がしかし、エンロンの不正経理などの後、アメリカ世間のトレンドは、確実に、オプション費用化の方向に傾いています。
2004年06月03日
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