Let’s shake hands!

Let’s shake hands!

中学2年~5月~


ドライブの途中、息子は素直に会話をする。
♂「お母さん、僕が小学校1年生の時、スプーンを投げたことがあったよね」
♀「うん、お母さんは、お兄ちゃんが理由もなくそんなことをする子じゃなかったから、先生に呼ばれてしかられても絶対何かあったからだと思って、叱らなかったんだよ」
♂「うん」
いじめにあっていたことを知っていた。だから叱れなかった。息子は息子なりに我慢して、我慢しきれなくなった時、色々な事件が起き、いじめに気づかない担任は、息子を叱り、挙句の果ては“○○くんのした悪い事”と題して学級裁判的なHRが開かれたり…。もちろん、親としても悲しかったし、悔しかったし、抗議もした。でも、何も変わらなかった。親の未熟さで息子にも辛い思いをさせたと思う。もっと、強く言うべきだった。もっと先生と喧嘩するべきだったと後悔ばかりである。息子は、7年経って始めてその頃の話しをする。ああ、この子はこんなに時間が経たないと言えないんだ。今のいじめも二十歳になったころ、ああだったんだよと話すのだろうかと思った。今言ってくれれば、いろいろしてあげれるのに…、そんなに時間が経ってからでは何もしてあげることは出来ないのに…と情けなくなる。

♂「お母さん、いじめで自殺することをどう思う?」
♀「死んだら何も無くなっちゃうんだよ。家族とも別れなければならない。一人ぼっちになるんだよ。好きなバナナも食べれないんだよ。これからも、イヤなことたくさんあるかもしれないけれど、いいことだって少しはあるよ。死んじゃあ、おしまいなんだよ」
♂「うん、僕もそう思う。お母さん、僕はいじめで絶対死なないから…」
一生懸命、普通に答えたけれど、内心はハラハラ…。家に帰り、息子が部屋に入ったとたん涙がとまらない。「死なない」と言われても「死にたい」と言われたのと同じ位重い…。親としては、辛い…。自分より若い息子が一瞬でも死を見つめたことに違いはない。父親と担任の先生にすぐ電話して報告した。


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