さまよいの記

さまよいの記

Canon T90


このTシリーズ、ボクはリアルタイムにラインナップを見ていた。当時としては画期的なデザインであったし、T-70の広告展開は大友克洋を起用し、その目新しさに心奪われたし、T80のAF機能搭載レンズの姿はなんだか兵器のようで今でも気に入っている。
そしてTシリーズの頂点が、T90である。このカメラの姿には当時度肝を抜かれた。まるでダースベーダーのような軍幹部。曲線を多用したボディシルエット。今でこそEOS等で当たり前のようになった曲面を利用したデザインも、このT90に端を発する。このデザインはルイジ・コラーニが手がけていて、その先進的シルエットにMF機の先進機能を盛り込んだ、当時の電子カメラの頂点とも言えるモデルであった。プロのカメラマンもF-1のサブ機として使用もしていたし、メインで使うヒトもいた。つまり、しがない中学生であったボクには永遠の憧れのカメラであった。
Tシリーズはαショックの波にのまれてしまい、販売的にはあまりふるわなかったが、そのガンダムにも通じるデザインは世代的にいつまでも新鮮に残っていた。

T90を買おうと決めたのは今のキヤノンカメラの源流ともなったあのデザインに惚れていたという事につきる。DSCの台頭で、当時のフラッグシップもかなりの安価になってきていたし、目指せT90であった。何度も出会いはあったし、その度に買うかどうか悩んだけど、結局手が出せなかった。あの大きさにもびびったし、今のご時世、あの大きな機体をかまえて撮影してた暁には必ずや職務質問を受けるだろうという事。電子カメラの悲しい運命である、電子部品の調達が不可能でひとたび故障してしまえば修理不能の可能性がかなり大きいこと。それが引っかかってしまい、どうにも手が出せなかったのだ。
それでも事あるごとにT90は買おう、買おうと思っていた。
そして2005年の6月にフジヤカメラで見つけ、これも運命と決めて購入した。

FDマウント最後の一眼レフにして最高の一眼レフ。
測光方式は中央重点測光、中央平均測光、スポット測光を搭載。スポット測光はマルチスポット測光機能もある。またセーフティシフト機能、ハイライト、シャドーコントロールを備え、シャッターは最高 1/8000秒。内蔵ワインダーは単 3電池 4本で秒間 4.5コマ。
ありとあらゆる機能がこれでもかと詰め込まれている。趣味で撮る写真にこれ以上何を望むのかというほど機能は充実している。だからといって操作が煩雑にはなっていない。今のEOSを髣髴とさせる操作形態はよく考えられていて、なんら不自由さを感じない。
まさしくキングオブFD。

自分の個体はそれなりにやれているが、それほど悪いものではない。
フォーカシングスクリーンは本当は全面マットのを探していたがなかった。それでも明るく大きなファインダーのおかげか見やすくて問題ない。ただ時折シャッターを押しても降りないことがある。ユーザーの中ではよく知られているEEE病に似た症状があったが、EEE表示も出ないし、絞りレバーで治る。まあこれくらいは目をつむろう(というか買ってから気が付いたし、撮影中になることはないし)。
いつまで続くかわからないこの蜜月を楽しむ為の投資はそれほど大きくないものであったし、半年過ぎても動作しているので不便を感じてはいない。
A-1にくらべれば大きい機体だが、使い始めればそれも気にならないし、ボディも50mmとの組み合わせならばそれほど重くは感じない。
ボクの望んだものが全てある。
このT90こそがボクの愛すべき究極の一眼レフである。

もしNFDの写りを気に入ったのならば、是非T90を触ってみてほしい。FにもAにもないキヤノンの情熱が詰まったこのボディを使ってみてはいかがだろうか? 


追記:ある意味最強の相棒
06年に出張に行った時に持って行った機材。A-1と悩んだ末の選択は間違いではなかった。なによりも扱いやすい。細かいシステムを使わないからというのもあるけど、24-35mmを使うには一番バランスが良いし。
欲を言えばもう少し小さければと思わないでもないけどね。
連射機能の為に残した。これに望遠を導入すれば運動会スペシャルだな。


追記(28/03/07)
日記にも書きましたが、すったもんだの挙句にスクリーンを全面マットに交換しました。うーんトレビアーン。まだ実際に使ってはおりませんが、これで充実した撮影機材の初歩段階は達成しました。
あとは望遠系レンズを導入しようか思案しております。

追記(25/12/08)
十月終わりにシャッターが昇天しました。
恐らくT90の持病であるシャッターマグネットの固着なんだろうなあと思い、何度もシャッターを切りましたが復活せず。
泣く泣くお蔵入りにしようと考えていました。つかこのTANKが昇天したらNFDシステムを放出する予定でありました。
しかしまだまだ使いたいなという欲求があり、ネットで修理屋に打診。
ヒガサさんは修理不能と返事が来て、日研テクノさんは修理可能と返事。
ヒガサさんの判断は悪い印象ではありませんでした。正当なる理由での判断だと思いましたし、文面も誠意がありました。
でも諦めきれずに日研さんに御願いした結果、無事に復活しました。
恐らく次に故障したらもうムリでしょうから、少ない(かもしれん)余命をガンガン使い倒したいもんです。


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