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以前にも少し書いたし、フリーページにも載せてるとおり、私の職種はユニオン(労働組合)がとても強い職種です。詳しくはフリーページの「ユニオン」で説明してあるのですが、安定してて労働条件も比較的良い反面、労働者を怠け者にさせるシステムでもあると私は思っています。まあ、その話は今日はちょっとおいときますが。私たちの属しているユニオン(病院で働いてる人たちの多くが属しているユニオン)は、2年前に大きなストライキをしたあげく、結局交渉に負けて15%の給料カットを強いられました。ユニオンメンバー、どんな職種でも一斉に全員突然の15%カット。私はその時にはまだ学生で働いてなかったのですが、この15%カットはかなりの衝撃だったようです。そのカットされた15%を取り戻そうと、ユニオンと雇用者間で交渉が行われ、今年のデッドラインを前に、ユニオンは4年間で約11%の給料アップと、サイニング・ボーナスという契約を取り付けました。昔から働いてる人たちの中には、カットされた15%を取り戻すまでは納得できないと思ってる人たちもいるようですが、私のように給料カットの後に入った者としては嬉しい限り。ちゃんと交渉どおり、4月からは時給が上がってたし、前回の給料日には、約束のボーナスが支払われました。ボーナスの日、ワクワクして給料明細を受け取る私たち。クリスマスのプレゼントを開けるみたいに、みんなワクワクしながら給料明細を開きました。給料明細を見るみんなの顔。そして喜びが漏れる間もなく、みんなの眉間にしわが・・・。・・・・・。そう、そうなんです。ここはカナダ。税金大国カナダ。ボーナスもらう=所得が多い=税金たっぷり引かれるという構図になるのを、みんな忘れていたのです。っていうか、こんなボーナス貰えることなんて滅多にないので、みんな思ってもみなかったのです・・・・。みんな、あまりの所得税の高さに、喜ぶ前に言葉を失ってしまったのでした・・・。私はフルタイムで働いていますが、「パートタイム」というステイタスで働いています。(詳しくは過去日記参照)パートタイム・ステイタスなので、フルタイムの人たちよりもボーナスは少なかったのですが、それでも予想してたよりは貰えてました。それプラス通常の給料(2週間分の給料ですが、祭日などが入ったため、実質8日分の給料でした)が今回の給料日の収入。そして引かれた額は、ボーナスでもらった金額のなんと42%!!!42%ですよ、42%!!!正確に言えば、「所得税」として引かれた額は30%だったのですが、その他諸々引かれて、トータルで42%引かれていたのですせっかくボーナスもらったのに、みんな「驚き」の後は「怒り」に変わっていました本当だったら「喜び」が溢れるはずだったのにね。でも私としては、思ったよりも貰えてたし、このボーナスで日本への旅行代はまかなえるし、Better than nothingということで、満足することにしました。それにしても、税金高いよな~。今回のボーナスは一度キリのボーナスなので、今度のインカムタックス(確定申告?)でいくらか戻ってくればいいのだけど・・・。
2006.05.09
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この間の日記に「バンクーバーは北米一、空き巣や車上荒らしが多い」と書いて、みんなから驚かれたので、本当に北米一なのだろうか・・・とちょっと不安になっていた私。でも!今日言ってました。テレビで。やっぱりバンクーバーの空き巣、車上荒らし、車の盗難は北米で一番なのだそうです!本当に自慢にもならないけどっっ!!!そのテレビによると、バンクーバー(とその周辺)の空き巣の数は、年間約6,000件。車の盗難(車上荒らしは含まない。車そのもの盗難のみ)に関しては、年間約18,000件!!!バンクーバーがあるBC州全体では、なんと車の盗難は年間約40,000件にのぼるらしい。単純計算しても、バンクーバーでは一日に50台もの車が姿を消しているのですね。これに車上荒らしを加えると・・・・。たぶん、警察側もどれくらいの車上荒らしがあるのか、把握してないんだと思う。車の窓をぶち壊されたくらいで、警察にいちいち通報しないし。そういう私もほぼ毎年被害者に入ってますから。昨日なぜそのことをニュースで言ってたかというと、実は、盗まれた車が死亡事故を起こすケースが、過去最高になったからだそうだ。盗んだ車で暴走→事故を起こす→犯人もしくは罪の無い人が死ぬというパターン。自分が盗んだ車で暴走して自分が死ぬんだったらまだしも、たまたまそこに居た人が巻き添えになって死んでしまうなんて、本当に許せない。警察は、車の窃盗事件を「Property crime(所有物に対する犯罪?)」から「Violent crime(狂暴犯罪?)」に変えるべきだと言っていたけど、全く同感。車を盗む事に対しての罪を、もっと重くするべきだと思う。余談だけど、私の知り合いが最近空き巣に入られ、36年間分の結婚記念日や誕生日にもらった宝石やプレゼントなんかが全部盗まれたらしい。結局犯人は捕まったらしいんだけど、15歳の、地元の医者の息子だったんだとか。結局盗まれた物はもう無くなっていて戻ってこず、家の保険で5000ドル(50万円)ほど戻ってきただけ。でもお金ではなく、思い出の品が全て無くなったのが、すごくショックだったらしい。当然だ。盗む方にとっては、ただの「金目の物」でも、盗まれる方にとっては、お金では買えない「思い出」だったりする。そう考えても、人の家にズカズカ入ってきて、荒らしをする犯罪は許せない。空き巣=重罪に一票!ついでに車上荒らし=重罪にも一票!
2005.12.12
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インフルエンザ予防接種の季節がやってきた。カナダでインフルエンザの予防接種を受けようと思うと、クリニックに行って2000円くらい払わないといけない。でもありがたいことに、私たち医療関係者は、タダで勤務先で注射してもうことができる。タダで、しかも仕事に行くついでに注射してもらえるなんて、こんなチャンスを逃す手はないと思い、去年に引き続き、今年も自ら注射を受けに行った。日本で育った私たちにとって、インフルエンザの予防接種は毎年学校で受けてきたもので、別に特別なものではない。予防接種してインフルエンザにかかる確率が下がるのなら、私は喜んで注射してもらう。でもカナダに来て、インフルエンザの予防接種に関する認識が、日本人のとはかなり違うことに気付いた。注射を受ける前に、「今までに(人生で)インフルエンザの注射を受けた事ありますか?」という質問をされる。日本では、人生で一度もインフルエンザの予防接種を受けた事の無い人は少ないと思うが、カナダでは予防接種を一度も受けた事の無い人が沢山いる。もちろん学校での予防接種もない。インフルエンザの予防接種をなんだか特別なことだと思ってる人が多いように思う。しかも、インフルエンザの予防接種に関する「迷信」みたいなものを信じてる人たちが沢山いる。「予防接種を毎年受けると、抵抗力が弱まる」とか「予防接種は副作用がすごい」とか「予防接種が原因でインフルエンザにかかる」とか・・・。なので、職場でもタダなのにも関わらず、予防接種を受けに行く人は驚くほど少ない。去年私の職場で予防接種を受けたのは、私を含めてたった2人だった。病院は病原菌がうじゃうじゃしてるところなので、病気も人からうつり易いし、抵抗力の弱い患者さんたちも多いので、自分が病気のときは人にうつす可能性も高い場所だ。病院側としては、スタッフに予防接種を受けさせるのに必死で、「こういうの(上記のような事)は迷信で、事実は違います!」と書かれた紙まで配布してきた。それでもみんな、予防接種を受けるにはどうも抵抗があるようだ。結局同僚が病気をすれば、仕事を休まれて迷惑を受けるのは私たちなのに。去年の冬は予防接種のおかげかどうかは知らないが、本当に病気知らずだった。今年も健康に冬を過ごせればいいな。
2005.11.01
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夜中3時20分にバンクーバー空港を飛び立つ飛行機に乗る私たち。今12時50分。あと10分で空港へ向かう予定。っていうか、夜中の飛行機って、待つ時間が長すぎる・・・。ねむいよ~。ところで、さっき、夜中にバンクーバーを経つ飛行機がどれくらいあるのか調べてみた。(かなり暇でしょ?)夜中の12時から朝6時の間にバンクーバーから飛び立つ飛行機はなんと2便だけ!夜中の1時50分に台湾に向けて飛び立つ便と、3時20分に飛び立つ私たちの乗る香港行きの2便だけなのだ。ってことは、このたった2便だけの為に空港を夜中開けておくの??なんだかとっても非合理的だね。でも2時すぎになると、空港は私たちの乗る便の乗客だけの貸切状態になるのか・・・。そんなにガラガラな空港を見るチャンスもあまりないかも。あ、そろそろ空港へ向かう時間だ。それじゃ、いってきま~す。
2005.10.03
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香港・日本への旅が後一週間に迫ったので、カナダドルを香港ドルと日本円に両替しに行った。最近カナダドルがアメリカドルに対して強いのは知ってたけど、実際の日本円への換金レートはよく把握せずに、バンクーバーで最も換金率が良いと評判の某両替所に出向いた。とりあえず、カナダドルで1000ドル、日本円に両替した。普段の感覚でいくと、カナダ1000ドルは8万円くらい。(1ドル80円くらい)4年前くらいに友達がカナダに来たときは7万円台だったらしい。95年にダンナが日本へ引っ越したときは、カナダドルが最弱な時で、6万円台だったらしい。(カナダドルを沢山日本円に換金しないといけなかったダンナは大損した)でもなんと、今日1000ドルを両替した私が手にした日本円は9万5000円!うひょ~!!8万ちょっとくらいかな~なんて思ってたから、思わぬ9万円台にびっくり!こんなにもカナダドルが強いなんて知らなかった。この差額は結構大きい。父に会いに行くための、福岡ー岡山間の新幹線代が片道分浮いたと思ったらなんだか嬉しくなった。カナダに住んでるみなさん、海外旅行&日本帰国は今がチャンスかも。
2005.09.24
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今日の新聞に載ってた記事。笑っちゃいけないんだろうけど、ちょっと個人的に笑っちゃった事件。不謹慎だと思われた方、ごめんなさい。ある犯罪グループが、カナダとアメリカの国境をまたぐ、秘密のトンネルを作ってたのが見つかったらしい。このトンネルは、アメリカ側は国境近くの民家に、カナダ側は国境近くのビニールハウスに出入り口が作られていて、目的はもちろん麻薬を密輸するため。底はきちんとセメントで作られてて、トンネルのサイドは木という、結構立派なトンネルなのだ。このトンネルは8~9ヶ月かけて作られたらしく、カナダとアメリカ両国の政府はこの8~9ヶ月間、ずっと密かに監視を続けていて、もう少しで完成!という昨日、その犯罪グループの逮捕に踏み切ったのだ。なんで私がププッと笑っちゃったかというと、8~9ヶ月も政府に監視されてるのも知らずに、せっせとトンネルを掘り続けてたという人たちが、ちょっと間抜けだと思ったから。それにそもそも、「国境をまたぐ秘密のトンネルを作っちゃおう!」という発想が、なんだかとっても単純で笑ってしまった。でも考えてみると、単純なようで、実際に実行した人は今までいたのだろうか?思いついて、しかもそれを実行に移した人たち、間抜けだけどちょっとすごいな、と思ってしまった。きっとトンネル完成後にガッポリ入ってくる大金を夢みていたのでしょうね。でも実際にこのトンネルがバレずに犯罪に使われていたら、カナダへの銃の密輸にも使われていた可能性もあるとか。犯罪に使われる前にトンネルが見つかって何よりです。
2005.07.21
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以前「経験がものを言う社会」でも書いたように、カナダで仕事を得るには「経験」がとても重要だ。経験がゼロの時点で仕事を探すのはとても不利になる。とは言っても、Pharmacy Techの学校での私の仲良しグループの子たちは、私を含め卒業後(経験ゼロで)すぐに仕事を得る事ができた。仕事を得るのが難しいと言われるバンクーバーで、とても高い就職率だ。この高い就職率の理由には、Pharmacy Techの需要が比較的高いというのもあるが、もう一つ大きな理由があるのだ。いいですか?これから先、カナダで就職したい方たち、必読ですよ~。それは、私たちが「独自のネットワークを張り巡らせていた」と言う事だ。この「独自のネットワーク」というのは、「同業者同士の横のつながり」の事だ。ちょっと分かりにくいかもしれないので、実例を出して説明しよう。先日、知っているPharmacy TechのEさんからメールが来た。「S HospitalでPharmacy Techがすごく不足してるから、アプライしてみる気はないか?もしアプライするのなら自分が顔を利いてあげるから。」という内容のものだった。私は今Cancer Agencyで十分なシフトをもらえているので、新しい病院で働き始める余裕がないことを説明して、丁寧に断っておいた。「thank you for thinking about me」と御礼もきちんとつけておいた。そして私が次にしたこと。それは自分のPharmacy Techの元クラスメートたちに電話をかけまくる事だった。「S Hospitalが人を欲しがってるってよ~。アプライするなら今がチャンスよ!」という内部情報を横に流すのだ。そしてもしアプライしたいという友達がいれば、その事をメールをくれたEさんに伝え、内部情報を探り出す。人事部の誰宛に連絡を取れば一番いいのかなどの情報も得れる。内部からの「ちょっとしたつながり」は意外と影響力があったりするのだ。こういう仕事は「一般公募」する前に、内部で募集することが多い。だから一般に公募されるのを待っているようでは、仕事を得るのはなかなか難しい。実は私もCancer Agencyの仕事をこの方法で得た。Cancer Agency内部の人から、「今がチャンス!」という情報をもらったのだ。しかもその人が私の事を推薦までしてくれた。その人がいなかったら、たぶん私はこの仕事を得てないと思う。いわゆる「コネ」なのだが、その「ちょっとしたコネ」というのが、とっても重要なのだ。でも私の言う「コネ」と言うのは「そこの社長を知ってる」とかいうのではなく、「横のつながり」の事だ。そしてその「横のつながり」というのは、自ら意図的に広げていかなければならない。Pharmacy Techとして働き出して約9ヶ月。今ではあらゆる病院や薬局で友達や知り合いが働いている。こうなると、「ネットワーク」もどんどん広がっていく。私達の間では、内部の採用情報が飛び交っている。「ネットワーク」「同業者同士の横のつながり」カナダでの仕事探しのキーだと思う。
2005.05.24
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この間もカナダの政党の事を少し書いたが、選挙なんてそう頻繁にあるものでもないので、もう少し選挙ネタを書かせて頂きます。私はカナダの「永住権」はもっているが「市民権」はもっていないので、カナダでは選挙権がない。これは日本人には「そうだよねぇ」と理解してもらえるのだが、他の国からの移民には理解してもらえない事が多い。「何年もカナダに住んでるのに、何で市民権を申請しないの?」と聞かれる。(移民になって数年経つと市民権を申請することができる。)みなさんご存知のとおり、日本は「二重国籍」というものを認めていない。私がカナダ国籍(市民権)を取得するなら、日本国籍を放棄しないと日本の法律に反する事になる。カナダに来て知ったのだが、この「二重国籍を禁止している国」は少数派だ。(他にどの国が禁止してるのか、知ってる方教えて下さい。)私の知ってる殆どの移民の人達(日本人を除く)が、母国の国籍とカナダ国籍の両方をもっている。なので、「日本が二重国籍を禁止してるから・・・」と説明をすると、びっくりされる。「なんで禁止されてるの?」ともよく聞かれるが、「なんでって言われても・・・」と回答に困ってしまう。日本の古い考え方の名残なのだろうか。旧ユーゴスラビアからの移民の人に「日本って何でも世界の先進っていうイメージだったけど、政府は意外と古い考え方なのね」と言われた時には、ちょっと痛いところをつかれた感じだった。私は将来日本がこの「二重国籍禁止」の法律を改正してくれることを願ってたりする。自分の子供が大人になった時に、母親の国である日本と、父親の国であるカナダの両方の「国民」になる権利があると思うからだ。(ってまだ子供いないんだけどさ。)今の時代、国際結婚は珍しくない。たぶん海外に住む沢山の方が私と同じように思ってるはずだ。みんなで声を上げれば、法律も変わるかもしれない。でも日本の法律改正・・・・いくら声を上げても時間かかるだろけどね。
2005.05.16
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人にダウンタウン・クリニックで働いていると言うと、決まって「どうしてそんな所で働いてるの!?」という反応が帰ってくる。前にも書いたように、このエリアはドラッグ中毒者のメッカだからだ。なので、今日はどうして私がそんな所で働く事になったのか、少しお話しようと思う。ちょっと長い話になるので、時間がある時に読んで下さいませ。私が通ってたPharmacy Techの学校では、コースの終わりに5週間の実習が義務付けられていた。5週間のうち3週間は大きな病院(Hospital)で、2週間はドラッグストアなどで実際に無給で働かなければならない。実習に行かない限り卒業はできない。一応どこの病院やドラッグストアで働きたいかという希望は取ってもらえるのだが、希望通りになる事は少ない。なぜなら何処も「足手まといの生徒」なんかは要らないからだ。だから結局「生徒さんの実習を引き受けてもいいですよ」という回答をしてくれた、良心的なドラッグストアなどに生徒たちは行く事になる。(*病院に関しては少し事情が違う。)私が希望した家の近くの某ドラッグストアは、「生徒なんか要りません」という冷たい回答をしてきたので、結局先生たちが代わりの実習先を必死に探してくれた。そして私に割り与えられたのがこの「ドラッグの館」ことダウンタウン・クリニックだったのだ。実際に実習に行ってみて、正直ビビッた。患者はヘロイン中毒者やホームレスが多く、ちょっと頭のおかしな人もかなり多い。窓口の所で狂ったように叫びまくる人、一人でずっとしゃべってる人、クリニックのスタッフに暴言を吐きまくる人、訳の分からない事を話続ける人・・・等々。たぶん実際に行ってみて、その光景を見た人にしか分かってもらえないとは思うが、とにかく「うひょ~」という感じだった。最近になって知ったことだが、2年ほど前にクリニックの受付の人が、患者に刺されるという事件もあったらしい。なんでもその患者は受付の人の言った事が気に入らなかったのだとか。こわっ!(ちなみにこの事件のことは旦那には内緒。そんなこと話したら即行「そんな仕事辞めろ!」って言われるに違いないから。)何度か怖い思いもしたけど、なんとか2週間の実習期間が終わりに近づいた頃、マネージャーから「実習が終わる前に履歴書出していかない?君はうちの職場に適してると思うから。」というオファーを頂いた。実際、実習期間は長い面接のようなものである。実習の終わりに仕事を得る事ができれば実習は「成功」とみなされる。私のクラスメートたちも、仕事を得るのに必死だった。でも私は正直ちょっと迷った。こんな「ドラッグの館」で働けるか確信がなかった。そこで今日のタイトル「経験がものをいう社会」が出てくるのだが、カナダはどんな仕事を得るのにも「経験」が重視される社会だ。Pharmacy Techの仕事も例外ではない。多くのPharmacy Techたちは大きな病院(Hospital)で働く事を目標としている。なぜなら、Hospitalは給料がとても良いからだ。でも実際にはHospitalは2年以上Pharmacy Techとしての経験がないと、採用しないところがほとんどで、新卒が仕事を得るのは難しい。多くの人は一般のドラッグストアなどで働き、経験を得てから大きな病院にアプライする。(もちろんドラッグストアでも経験者しか採用しないところは多いのだが。)そういう私も最終的には大きな病院で働きたいと思っていた。でも私には「経験」がなかったのだ。そして今経験の無い私に仕事をオファーしてくれる人がいる。これを逃すのはもったいなさ過ぎる。たとえ「ドラッグの館」であろうと、経験が積めるのだ。というわけで、私はこの「ドラッグの館」で働き始めることにした。私はPharmacy Techとしての第一歩を踏み出したのだ。正直今でもこの職場はイヤな事がとっても多い。患者から面と向かって「F**k You!!!!」なんて叫ばれることもしばしば。「いつか慣れるだろう」なんて思っていたけど、やっぱり慣れれるものではなかった。働き初めて4ヶ月くらいたった頃、ある出来事をきっかけに、いっぱいいっぱいになってしまって、「他の仕事を探そう」と決意した。そうして見つけた仕事がCancer Agencyの仕事だった。Cancer AgencyもHospitalの部類に入るので、私は結果的に目標を達成した事になる。でもこのCancer Agencyの仕事を得られたのも、「ドラッグの館」での経験が少しはプラスしていたと思う。まだあまり長い経験ではなかったけどね。そして今は日曜日だけこの「ドラッグの館」で働いているのだが、新しい仕事が見つかったのになぜこの仕事を辞めないのか?とよく聞かれる。私にもよく分からないのだが、多分人生にちょっと刺激が欲しいのかもしれない。ここは確かに刺激だけは沢山もらえる場所だから。ちょっと長くなったけど、「経験」はカナダではとても重要だ、ということでまとめにしたいと思います。
2005.05.12
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私の住むBC州ではもうすぐ選挙がある。テレビや新聞では連日の様に立候補者たちのキャンペーンを見るようになった。どこの国にでもあるのかもしれないが、ここカナダにも「君たち絶対政権取れないでしょう」的な政党がある。今日はそれをちょっと紹介します。まずは、「Work Less 党」。「Work Less=少なく働く=労働時間を減らしましょう」という政党だ。今の週40時間という基準を32時間くらいに減らそうというのだ。「週40時間も働くなんて、働きすぎだわカナダ人、32時間で十分よ。」というのである。だが私は言いたい。心配なさるな、カナダ人!君たちは決して働きすぎてはいないから!これ以上労働時間減らしてどうすんじゃい!昔新聞で読んだが、カナダ人はお隣の国アメリカに比べると、一人当たりの労働時間がかなり短いのだそうだ。もちろん誰もかれもそうだと言うわけではないが、カナダ人は比較的「人生楽しまなくてどうする」的な考えを持ってる人が多い。少しくらい収入が減っても、休みを増やして楽しい事をやる方が良いという風潮があるように思う。それはそれで素晴らしいと思うのだが、でも政党にしてしまう程の事でもないと思うのだ。そんな事では、国際競争の中では生き延びれないのでは・・・と不安になってしまう。余談だが、この「一人当たりの労働時間を減らそう」という考え方、もともとフランスで始まったのだそう。フランスであまりにも失業率が高かったので、「一人当たりの労働時間を減らす事によって、より多くの人に仕事を分け与えよう」と取られた政策なのだそう。でもそれじゃ、問題解決にはならないのでは?と思ったのは私だけ?政府は「一人当たりの仕事の量を減らす」政策じゃなくて、「社会全体の仕事の量を増やす」政策を考えるべきじゃないかと私は思うんですけどねぇ。注:この「フランス発祥説」はうちの旦那から聞いた話なので、本当かどうかは分かりません。反論は受けかねます。そしてもう一つの「なんじゃそりゃ?」的な政党は、その名もズバリ「マリファナ党」。・・・・。っていうか、そんなの政党にして良いのか?マリファナに関しては寛容なお国、カナダならではなのかもしれないけど、でも政党にするくらい重要なことなのか!と言いたくなる。彼らの主張はこんなもの。今やBC州では林業に続く大産業と言われるマリファナ産業。毎年巨大なお金が動いている。でもマリファナは違法なので、そのマリファナ産業は全部アンダーグラウンド。マフィアやこっそり家で栽培をしている一般市民たちがごっそり利益を一人占めしているのだ。そんならいっそ合法にして、タバコ以上の税金をごっそり取って、BC州の財政に役立てよう。というのだ。そしてマリファナ取締りに費やす警察の無駄な労働力を、もっと重要で深刻な犯罪を解決するのに費やすべきである。というのである。正直言うと、私はこの主張には賛成派である。すでにカナダではマリファナを所持しているくらいでは犯罪にはならない。駐車違反のように罰金を取られるだけだ。(マリファナを栽培したり、取引をしたりするのはれっきとした犯罪。)お酒を飲むように、仕事の後などにマリファナを一服する人たちはとても多い。確かに違法にするだけ無駄なんじゃないの?という気はする。でも!繰り返すが、政党の名前にするほど重要な事ではないと思うのだ。っていうか、もしこの政党が勢力を増そうものなら、スーパー・アンチ・ドラッグの国アメリカと戦争になってしまう!ブッシュは容赦しないぞ!他にもあるのかもしれないけど、以上が私の思ったおかしな政党でした。日本にも笑っちゃうような政党ってあったっけ?
2005.05.10
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今日は給料日♪といっても、カナダでは月に2回給料日があるので「待ちに待った」という感じでもない。特に私なんか3つも仕事をもっているので、給料日なんて正直忘れてる事が多い。でも今日は一番大きなお金の入るCancer Agencyの給料日だった。給料明細を見ていつも思うが、カナダは税金が高い。収入によって税率は違うのだが、高収入の人達なんか収入の40%以上を税金でもっていかれる。高収入でない私でさえも、給料明細を見てガクッとするくらい引かれている。いつも疑問に思うのだが、一生懸命働いて得たお金から税金をがっぽり取られ、その残ったお金で生活しているというのに、その金を使う時になぜまた税金(消費税14%)を取られるのか?いずれにしてもカナダで働き、生活をしているとかなりの税金を払う事になるのだ。カナダに来た頃から常に思っていたが、カナダは日本やアメリカに比べるとかなり「平等主義」だ。ここで私が考える「平等主義」というのは「持っている者は持っていない者に分け与えるべきである」的考え方。収入のある人たちからは税金をたくさん取り、収入の無い人たちには政府の手厚い保護が行き渡る。もちろん日本やアメリカでもそういうシステムはあるが、カナダはそれがもっと顕著なのだ。特に私はDowntown Eastsideでも働いている為、その「与えられる側」の人たちと接する事が多い。だから余計にそう思うのかもしれない。この話は書くと長くなりそうなので、私のDowntown Eastsideでの仕事の事を書く時に(近々書こうと思ってる)もっとお話しします。最後にカナダの消費税に関して一つだけ。カナダでは基本的に自炊する為の食料品には税金はかからない。パンや牛乳や野菜などは消費税無しだ。でもチョコレートなどの嗜好品には税金を取られるし、日常雑貨やトイレ用品、洋服なんかももちろんしっかり税金を取られる。税率は物によって異なるが、大体7%か14%だ。2年くらい前に女性の政治家が「なぜ女性は生理用品に消費税を払わなければならないのか!」と言い出した。女性にとって生理用品を買うか買わないかという選択の余地はない。生活必需品だ。しかも毎月。そしてそれは何十年も続く。なので彼女は生理用品に消費税がかかるのはおかしいと主張したのだ。「たまには政治家も良いことを言うものだ」なんてその頃ちょっと賛成してみた。そしてふと先日、生理用品を買いに行った時にそのことを思い出してレシートを見てみた。消費税はしっかりと取られていた。彼女の言い分は聞いてもらえなかったらしい、ということに2年くらい経って気づいた私だった。
2005.04.29
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今日は私の仕事にも深く関わっている「Union」の話をしたい。とりあえず「Union」の基本的なことから。カナダで医療関係の仕事に携わっている人たちは、ほとんどがUnion(労働組合)に属している。Unionと言っても色々あり、仕事場や職種などによって属するUnionも違う。例えばCancer Agencyの場合、Pharmacist(薬剤師)とPharmacy Techは同じ仕事場で一緒に仕事をしているが、違うUnionに属している。一般的にUnionを持つ仕事(職場)はカナダでは人気が高い。Unionが雇用者側と労働環境や給料に関して交渉するため、強いUnionを持つ職場は労働条件が良いことが多いのだ。私も医療関係の仕事をしているので、このUnionというものに属している。Union加入に関しては選択の余地はなく、この職場で働く限り必ずメンバーにならなければならない。あまり大きな声では言えないが、私はこのUnionというものが正直あまり好きではない。自分もUnionのメンバーでありながらこう言うのもナンだが、Unionは自分達の権利ばかりを主張して、経営者側の事情は全く無視していると思える事が多いのだ。経営者側とUnionとの交渉が決裂すると、Unionのメンバー(労働者)が仕事をボイコットする「ストライキ」が起こるのだが、この「ストライキ」、日本人の感覚からするとちょっと信じられない事がある。例えば去年、医療関係者の「ストライキ」があった。医者や看護婦をはじめ、我らPharmacy Techもストライキに参加した。(ちなみに私はまだその頃学生だったので、関係なかったけど。)もちろん医者がいないので手術などは全部キャンセルされた。そもそも、カナダで手術をするには何ヶ月も順番待ちをしないといけないのに、やっと自分の番が来たと思ったら「ストライキ」で手術をキャンセルされた患者の身にもなって欲しい。確かに社会で重要な仕事をしている医療関係者たちは、それなりの労働条件や給料を要求する権利があると思う。でもその条件に満足がいかないからといって、自分たちの仕事をボイコットするという考え方が、私にはどうも納得できないのだ。かなり迷惑な「ストライキ」のもう一つの例として、数年前のバンクーバーでのTranslink(公共交通機関)の例がある。私達はこのストライキが終わった直後にバンクーバーに引っ越してきたので、実際に経験してないのだが、バンクーバーから全てのバスが消えたらしい。しかもそのストライキは何ヶ月か(はっきり覚えてないけど)続いたため、自転車がものすごく売れたのだとか。そして個人的に迷惑極まりない「経営者とUnionの決裂」といえば今シーズンのNHL(北米のプロ・ホッケーリーグ)だ。これは「ストライキ」とは少し違うのだが、リーグ(経営者)側と選手側の交渉が決裂し、結局今シーズンの全てのホッケーがキャンセルされた。信じられない。一般的にカナダ人の「ストライキ」への考え方は柔軟だ。「労働者の権利」を尊重する人が多い。医療関係者のストライキがあった時も、仕事をボイコットしている医者や看護婦などに対する批判というのはあまり聞かなかった。一般市民がどれだけの迷惑を被ろうとも、「ストライキ」は「仕方が無い」事なのだ。将来、医療関係者のストライキがまたあったら、病院の前でプラカードを掲げて「給料上げろ~」と叫んでいる人達の中に私の姿もあるかもしれない。その時はぜひ見物に来てください。
2005.04.25
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