小渕優子前経済産業相(衆院群馬5区)の選挙区内で、小渕氏の顔写真や名前の入ったカレンダーが毎年配られていたことが22日分かった。後援会の地区役員が配ったとみられる。小渕氏の秘書が選挙区内の有権者に贈ったワインや、松島みどり前法相の「うちわ」と同様、公職選挙法が禁じた有権者への利益供与に該当する疑いがある。
選挙区内の60代女性によると、10年以上前から毎年末、自宅の郵便受けにカレンダーが入るという。今年のカレンダーは、県内の四季折々の風景写真の下に小渕氏のほほえむ顔写真と「群馬県第5選挙区支部長 自由民主党 おぶち優子」の文字や後援会事務所の住所が記されている。小渕氏の元秘書は「後援会の地区役員が配っているのだろう」と話している。
公選法199条は選挙区内の有権者に対する有価物の寄付を禁じており、うちわやカレンダーも寄付に当たるとホームページで明記している自治体もある。小渕氏は17日の衆院経産委員会で、政治資金の使途について野党議員から選挙区内の有権者への贈答ではないかと問われ「選挙区に(贈り物をしたこと)はありません」と答弁。ワインも20日の記者会見で「選挙区外で使っていると承知している」と話していた。【尾崎修二】
初期起稿日:2014.10.23