灯台

灯台

2025年10月19日
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類










放課後の校舎裏、夏の終わり。
君の笑顔が世界を照らす、
オレンジ色の温もりのように、
恋は不思議だね、墜落の夢への急速潜航、
それとも不思議の国のアリスの兎の穴?

鏡の回廊も、太陽に輝く美しい幾何学模様の植物も、
神話の神々が戯れる泉水もない、
何の変哲もない、有り触れた、
右から左へ流れていくだけの暗渠みたいな毎日だけど、
オレンジ色の粒子が宙を舞って
君以外全部、曖昧にブレた残像だ。

心臓の音はもう、
レート・オブ・コンコーダンス―――して。
現在起きている現象の根源を過去に探り、
未来に垂れこむ暗雲を予兆させるとしたって、
したって、さ。

「ねえ、アタックポイントの高い、
その笑顔は違法だろ?」

放課後のチャイム、
下校時刻の、
まだ空気に溶けきらないうちに、
また明日のことを考えている。
君は赤信号にアクセル全開で、
踏み込むような明晰夢のごとき、
陽キャであり、リア充であり、
そして何故か僕の隣にいる恋人。

君と会って、異なる目的や背景を持つ人々が、
一つの力や目的に縛られず、
それぞれの考えや価値観を交換するのを、
何となく、信じられるようになったん―――だよ・・。

走り幅跳びしたり・・・、
障害物競走・・・しながらね・・・。

夕焼けが 君の髪を金色に染めるたび、
僕の胸の奥で 何かが跳ねる。
心の奥で静かに灯る、
(ああ、いいなあ・・・)
小さな勇気が炎になる。
(割れたピンポン玉のような、ぎくしゃくとしたリズムを、
たまらないと思え―――て、さ、)
風に舞う髪も、
(手垢のついた言葉も、いいね、)
煌めく光も、
(ああ、陳腐すぎるその言葉も、いいね、)
全部が君を輝かせてる。

停電のおしらせとか、断水のおしらせみたいに、
どうか、その存在を消そうとしないで。

アブソリュート・ラブ、最高値更新!
細胞の奥まで染み込む、
サブリミナル・エフェクト?
天変地異だって、
呼吸しているものすべて巻き込んで、
一緒に歩いて行けそうなん、だ。

決意を秘めたようにゆっくり一歩ずつ、
踏み出すラストシーンみたいにさ、
行こうよ、
異なる方向を向き、交差し、
時に蛇行や後ろ向きになりながらも、
道は続いて―――いく・・。

メニューを開けば、
優雅なタイポグラフィで並べられたコーヒーや紅茶の種類、
デザートの写真が目に飛び込んでくるような時代。

鞄の端に小さなストラップ、
夏祭りで取った金魚の形。
もう色褪せているのに、
それを揺らして笑う君が、
世界で一番新しい、
―――楽園。

それは多分、恋ってやつで、
それはきっと、君の笑顔のせいだ。

落ち葉がくるくると舞う午後、
制服の袖が風を受けて、
君の笑い声が 空に溶けていく、
(Ah...異教的な器官による血液の奔騰...)
まるで、世界が君に恋してるみたいだ。
(Ah...青春の肉へ嬾い逸楽の揺蕩い...)

「ねえ、明日も晴れるかな?」

君がそう言うと、
僕は空にお願いする。
(何千という機関中で狙い撃ちされてもいいような、
そんな気がしたんだ、、、)
雲よ、どいてくれ。
太陽よ、君を照らしてくれ。
(世界中を敵に回して、君と僕以外さえいれば、
それでいいような気がしたんだ、、、)

西洋のファッションに欠かせなかったコルセットは、
よくよく考えると変だよ、肩パッドや、中国の纏足ぐらいね、
女性のウエストを細く締め上げる行為は、
一体どこから生まれたんだろう?

風がふっと頬を撫でて、
絵を描いていく過程を楽しむモーションペイントのように、
君の髪を連れていった。
そして、ね。
そして、ね。
過ぎ去ってゆく時に、口を開く預言者。
その瞬間、
僕はようやく気付いたんだ。

ああ、好きって、
誰かの幸せを願うことなんだ。

アブソリュート・ラブ、超新星爆発!
細胞の奥まで染み込む、
このリビドーのデフラグ。
鼻で笑った陰謀論で、
世界が明日終わるとしたって、
ファー・イースト・リサーチ社の、
徹底的な追及が求められるね、
滅びの美学、線香花火一抹のさみしさじゃなくて、
最高のハイタッチを決める、さ。

莫大な計算量の物理シミュレーションでもしている世界だったら、
フィラデルフィア実験みたいな、異次元の口が開くかも、
そら、チェンジ・オブ・ディレクションへ・・・・・・。

胸が熱くなって、
空が眩しくて、
何もかもが特別に見える。
君がいるだけで、
明日が楽しみで、
どんな日だって、
笑顔になれる気がするんだ。

「ありがとう」って、
「一緒にいられて幸せだよ」って、
燃えるような情熱も、
(AH...諧謔と洒落の無尽蔵の源泉...)
穏やかな優しさも、
(AH...匂いを感じる時に働く鼻の奥の神経細胞五〇〇万個...)
全部ひっくるめて、
これが恋・・・・・・。

恥ずかしい気障な台詞を言いたい気がする、
やめろ―――駄目だ、
のたうち回る未来が確定する・・・やめろ・・・、
でもゲシュタルト崩壊した・・・未来に君はいる・・・、
スライム化現象・・。

「世界は黄金色の麦穂の傾きの中にある」
「え?」

僕の未来を照らしてくれる。
小さな光でも、僕には十分なんだ。
手をつないだ瞬間、
風が祝福してくれた気がした。
ご都合主義だな、
オッカムの剃刀って言ってくれ。
世界はその瞬間をポケモンGOにしていた。
制服の袖を通る風は優しい、
蜜の味、歓喜、熟れてゆけ、
こんな気持ちがいつまでも続くように、
夜に駆ける、群青、たぶん、
アイドル、怪物、あの夢をなぞって、
メロディだ、メロディだ、メロディだ、
(馬鹿な歌、間抜けな歌、)
でもそれが必要だと思える根拠があって、
きっとそれが僕等の感性だとすり替えられる、
(おかしな歌、奇妙な歌、)
僕は海の中に延びている突堤の先の、
灯台を憶った。

秘境駅の乗降客数をカウントするみたいに、
何処にでもありそうな思春期を生きているわけだけど、
大混乱スマッシュブラザーズみたいな会話しよう、よ。

君の体温が、
僕の世界をあたためてくれる。
異常な軽やかさを感じているから君へと伸ばした腕は、
裸の枝だ、錘だってない、でも生きてる気がする、
君が笑うと、空が踊る、
阿吽の呼吸と、メリハリ。
喜怒哀楽に応じて百面相のように変わる表情。
世界が踊る、夢のように、
風のように、ああ、芳香性幻想が廻―――る・・、
ソドムとゴモラでも、分裂症的愛憎でも、
頽廃芸術でも、エルヴィラ写真館でも、
黄昏時は複数の時空が複雑に交錯した空間表現、
鮮やかな色彩の乱舞なん―――だ・・。

僕はそれを青春という言葉に縮小し、
宇宙という言葉にまで拡大できただろ―――う・・。














お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2025年10月19日 23時31分55秒


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: